名探偵コナン 世紀末の魔術師

名探偵コナン 世紀末の魔術師のレビュー・評価・感想

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名探偵コナン 世紀末の魔術師
9

思い出の卵の宝石は、たくさんの家族の記録

コナンの街にはライバルである怪盗キッドがいて、最近世間を賑わせていました。少年探偵団の1人歩美ちゃんの家に「キッドが来た」と聞き、コナンは闘志を燃やしていました。
そんなとき、「『インペリアル・イースター・エッグ』というロマノフ王朝の秘宝の宝石である『メモリーズ・エッグ』をいただく」と警察に予告状が届きました。
鈴木財閥の蔵から見つかったメモリーズ・エッグは大阪に展示されることになり、コナンたちも大阪に行きました。
美術館で会った服部平次と遠山和葉と一緒に、メモリーズ・エッグを見るために展示会場へ向かうと、園子の父のところに先客の美術商とコレクター、ロシア大使がいました。彼らはエッグを自分の物にしようと、多額のお金を持ち交渉していました。コナンはエッグを狙っている人の多さに驚きます。
先客が帰ったあと、コナンたちは、エッグの素晴らしさに感動します。その後キッドに関する謎が深まったまま、大阪を見物しました。
夜になり謎が解けたコナンと平次がキッドを追いましたが、エッグは盗まれてしまいました。
空を飛行中、何者かに右目を撃たれ、海に落ちたキッドをコナンが目撃しましたが、探しても見つかりませんでした。
「自分が知っているエッグの話と違う」と言う香坂夏美が、鈴木会長を訪問しました。夏美の話を聞き、「もう1つエッグがあるかもしれない」と気づいたコナンがもう1度調べると、ガラスの鏡に映った横須賀のお城に、2つ目のエッグがあると判明します。

船とお城の中で起こる殺人事件、お城とエッグに隠されたからくりだらけの秘密が気になる物語です。お城の物凄い仕掛けと、お宝を狙うスナイパーが見所です。
怪盗キッドと、船や城で殺された人たちは、右目を撃たれました。話を面白くしているのは、ロマノフ王朝のお宝を狙うスナイパー“スコーピオン”が誰なのか、というところです。エッグを狙う人が多くて予測がつきません。ハラハラする炎の中の対決も見所です。
お城には、からくり仕掛けの防犯装置が置かれた、宝を守る多くの部屋がありました。
当主の部屋の秘密の地下室を進んだ先にある光で起動するからくり扉や、エッグに隠された仕掛けなどがとても素晴らしく、物凄いと感心するでしょう。

「世紀末の魔術師にふさわしい映画」と思えるところも見所です。
からくりの謎や殺人現場のトリックなど、コナンが人前で考え披露する場面が多く、「コナンが新一ではないか」と疑惑を持つ蘭の悲しそうな顔や戸惑う顔などが切ないです。新一に会えたときの蘭の表情や、気になる幼馴染を心配する健気な姿が魅力です。

名探偵コナン 世紀末の魔術師
10

世紀末最大の神聖な謎を解明!舞台は大阪、豪華客船、お城と豪華!

鈴木財閥が大阪で展示する予定のロマノフ王朝のエッグ、「インペリアル・イースター・エッグ」を怪盗キッドが盗むという予告状が届いた。コナンの活躍でエッグは無事だったが、コナンとは別の何者かがキッドを狙撃し、キッドは海に落ちてしまう。その後、キッドは見つからなかった。
エッグを東京に持ち帰るために豪華客船に乗り込んだ一同。そこにはエッグ製作者のひ孫である香坂夏美、日本の美術商やロシアの大使館職員、中国のロマノフ王朝研究家やフリーライターも一緒にいた。みんなエッグを狙っている人間である。香坂の話とエッグの話から、エッグがもう一つあり、おそらく香坂家所有のお城にエッグが隠されていると判明する。一同はそのお城に出向くことにするが、フリーライターの佐川が右目を撃ち抜かれて殺されてしまう。コナンは阿笠博士の協力で、ロマノフ王朝の遺産を狙い、右目を撃ち抜くスコーピオンという殺人鬼がいることを知る。今回の殺人もスコーピオンの仕業だと考える。
一方、コナンの推理力に疑いを向ける蘭。コナンが新一ではないかと疑うようになる。
操作のために来た目暮警部と白鳥警部と合流し、一行はお城に向かう。地下への隠し扉へのパスワードはロシア語で「世紀末の魔術師」。
さらに奥に進んだ神殿空間で、中身はもう1つのエッグと遺骨であり、香坂の曾祖母だと考えられた。
2つのエッグを組み合わせ光を当てると、沢山の写真が映し出された。その写真から、香坂の曾祖母はロマノフ王朝4姉妹のマリアだと判明する。
映像が終わった後、小五郎が打たれそうになり、さらに香坂が持っていたエッグを何者かが奪って逃走する。スコーピオンは一同の中にいたのだ。
スコーピオンを追う途中で、美術商の乾の遺体を見つけるコナン。果たしてコナンは犯人を捕まえることが出来るのか?蘭に正体がばれてしまうのか?
キッドと灰原が映画では初登場する。より一層豪華なメンバーで送られる謎解きミステリーである。

名探偵コナン 世紀末の魔術師
4

アクション好きには物足りない

第三作目のコナン映画ということもあり、絵柄もそこまで新しいものではなく、今の目が離れすぎてる絵柄が苦手な私には好みの絵柄でした。
服部平次とコナンが知り合って間もない頃の設定背景で、怪盗キッドに狙われる宝を無事に守り切る依頼を受けるという話から始まります。
コナンの素性を知っている服部が、「コナンくん」と呼ぶことに抵抗を覚えている描写がとても良く表現されており、服部ファンには良い描写ですが、彼の出番は前半でほぼおしまいです。
後半は、キッドが誰に化けてでるかを推測しながら、作中で起こった殺人事件の解決に向かいながらの同時進行で物語は進みますが、なんだか慌ただしくて頭が混乱しそうになりました。
そこにコナンの「そうか、そういうことだったのか!」のセリフに何回か助けられました。
ただ、キッドを執拗に追いかけたがるコナンと服部の心理が描かれていればいいのに、とも思いますが、好奇心や探偵の名にかけてで脳内補完する他ありません。
また、蘭が「新一新一」うるさい時期なのもあってか、コナンの正体が明るみになりそうなラストからエンディングまでの展開にも無理を感じます。
コナンはいつまでも続きますよー、だから新一と蘭の関係を知りたかったらずっとファンでいてねーと言われているような気すらしました。
ドラマティックなルパン三世を見ているような気になります。
蘭の空手シーンで場を無理やりつなげることがなかっただけマシでした。