キャビン

キャビンのレビュー・評価・感想

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キャビン
8

死亡フラグがおもしろい。

実は運命を操られていたってのが面白いなと思いました。たしかにこうしたらああなるってのがホラー映画の中ではあると思います。そのあるあるを使ってホラーを撮ってやろうっていう発想がすばらしいです。死亡フラグって世界の常識なんですね。なんかイチャイチャしたら…っていうシーンもあったけど、そこが笑えました。まあ薬を仕込まれていたから仕方ないけど、やっぱりやっちゃうんだっていうね…。あと、怪物たちがどこから来たのかとか細かい設定は説明がなくてよくわかりませんでした。でも、そういうのは度外視して楽しんだらいいと思います。もし、本当にこういう組織がいたとしたら怖いなあって感じ。私はもう若者じゃないから犠牲者側に行くことはないのかもしれませんが、もし、自分の旅行が何かの実験だったらと思うと怖いですね。カイジの人が落ちるところを見ていた金持ちみたいに、人を陥れて楽しむ層がいるんだと思うと、それが一番怖いかもしれません。監視側の性格が超悪かったのがおもしろいです。最終的にどういう展開になるのか、ずっとワクワクしながら見てました。最終的なオチも結構おもしろかったです。全滅っていうオチでもよかったけど、今回の話ならあれで正解だったと思います。

キャビン
8

ホラー?コメディ?

ホラー映画って、定番の演出があるよねっていうのを逆手にとって、定番通りに死ぬように裏で操る組織がいますよって話を作るなんて、洒落てるなあと思いました。エッチをしたら殺されるみたいな定番(ジェイソンかな?)がありますが、じゃあ、エッチな気分にさせようぜとか、ほんとバカみたいです。でも、確かにそういうお約束が一番多いジャンルがホラーだと思うし、設定にある種のリアリティがあるなあと思いました。団体の策略になるほどと感心してしまうところがありました。ホラー映画ですがそんなに怖くはありません。確かに殺される所は怖いですし、血もたくさん出てて、最後の方なんか酷いのですが、ホラーコメディというジャンルかもしれません。
出てくるモンスターは、他のホラー映画のオマージュが多くて、貞子ぽいのがいた!とか、シャイニングの双子とか探すのも面白いかもしれません。その裏で操る団体っていうのは世界中に支部があるとか言ってたので、ぜひ別の支部での出来事も映画化して欲しいです。
話のテンポもいいですし、人もバンバン死にますし、女の子が頑張って戦ってるし、とても痛快な話です。ホラーが苦手な人でも面白く見れると思います。オススメです。

キャビン
8

カオスな展開が癖になる?新感覚なホラー映画

ドリュー・ゴダード監督によるホラー映画。序盤は若者が集まってワイワイ言いながらキャビン(森にある小屋)に向かうよくある展開ですが、なぜだかそれらを監視している研究者らしき人々がいて、彼らは若者たちを巧みに誘導していきます。その目的がなかなかわからず、何だろう…悪趣味なモニタリングか?とも思うのですが、実は彼らなりの深刻な事情が…。そんな前半の展開から一転して後半モンスターが大量に野放しにされるシーンはかなりカオス。そしてそのモンスターがホラーファンなら歓喜することうけあいなメンツなのです。例えば狼男、ゾンビ、吸血鬼「ノスフェラトゥ」さらに「シャイニング」の双子やら「IT」のペニーワイズやら…あげていったらきりがないほど。ここまで見るとこの映画が、壮大な元ネタ探し映画だということがわかります。そもそも冒頭の舞台設定がまんま「死霊のはらわた」ですからね。ただそんな元ネタ探し映画だと判明しても、ストーリーが破綻しないのはある意味すごいかと思います。かなりスケールがでかい展開になっていきます。ものすごく見る人を選ぶ映画かもしれませんが、個人的には新しい感覚でなかなか楽しめました。そうそう日本も少しだけ出てきますよ。

キャビン
10

ホラー映画を見てれば見てるほど楽しめる!終盤の畳み掛けがすごい異色のホラー

大学生の男女5人組が知り合いの別荘を借りて楽しい週末を過ごすはずだったが、そこはいわく付きの小屋だったー…なんてよくあるホラー展開ですが、この映画はその「ホラーのお約束」を存分に練りこんだ作品です。それもそのはず、この別荘は人為的に作られたお化け屋敷で、5人組の大学生はこの小屋を作った組織によってここへ向かうように仕向けられています。そしてその組織は世界を守るために彼らを見世物にし、1人ずつ殺して生贄とすることが仕事です。しかし組織が直接手を下すのではなく、幽霊やゾンビ、クリーチャーに襲わせて殺すのですが、何に襲わせるかは見世物にされている5人が気付かないうちに自分たちで選んでしまいます。
地下室に置いてある、クリーチャーに関係する物を品定めしている時はドキドキ感があって…でもホラー映画に詳しい人ならここでニヤッとすることでしょう。

この映画はホラーのお約束はもちろん、他作品のオマージュなども所々に散りばめられています。ちなみに1番最初のオマージュは「ファニーゲーム」と酷似したタイトルフォント。ホラーファンなら開始早々から笑ってしまいますね。他にも「死霊のはらわた」「悪魔のいけにえ」「ヘルレイザー」「IT」「シャイニング」など多数の作品のオマージュをしています。特に物語終盤のクリーチャー倉庫や殺戮シーンは、ホラーファンなら一時停止して自分の知っているものを探してしまうのではないでしょうか?
そしてこの殺戮シーンがまたこの作品の1番の見どころと言っても過言ではありません。今まで組織の思うように操られて、痛めつけられ、友達を殺されて、そんな主人公たちの必殺の復讐シーンです。悲惨な場面なはずなのにどこかスカッとし、エレベーターのチンッというその場に不釣り合いな音が笑いを誘います。
ホラー映画といえば後味が悪かったり、意味深なまま終わったり…というものが多い中で見終わったあとで充実感のある映画になっています。身の毛もよだつようなホラーが見たい!という方には恐怖感が足りないかもしれませんが、ホラーファンにはぜひ見てほしい1本です。