バチカン奇跡調査官

バチカン奇跡調査官のレビュー・評価・感想

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バチカン奇跡調査官
7

知的でチャーミングで奥が深い!

藤木稟さん原作のミステリー小説を元にしたアニメですが、原作のキャラクターの魅力を損なう事なく完成されています!正直、アニメ化される漫画や小説は、「イメージと違う!」という事もよくありますが、このアニメは当たりです!声優さんも、それぞれのキャラクターによくマッチしていて、とっても魅力的。
ストーリーはさすがの藤木さん。バチカン市国という全世界のキリスト教徒にとっての聖地であるその国で神父でありながら、世界中から寄せられてくる奇跡の申告に対して、奇跡として認めるに値するかどうかを調査する厳正なる調査官が主人公。事実はどうなのか、思わず頭の中でぐるぐると想像してしまうほどのキリスト教内の派閥争いや怪しい組織との噂。ミステリーでありドキドキしながら展開を見つつ、主人公二人の友情が見ていてとっても心温まります。
社交的で人当たりの良いイケメン、暗号解読のエキスパートのロベルト神父と、天才的頭脳を持ちながらも人付き合いが下手、研究以外に関する事はダメダメの変わり者・平賀神父。この2人の掛け合いがとっても面白いです。ロベルトが平賀のお兄さんよろしく面倒を見て上げる様子は思わずにまにましてしまうほど。
事件の展開も奥深く、キリスト教に関する知識だけでなく科学知識もふんだんに盛り込まれ、まさかの宗教と科学の融合小説ですね。原作のイメージを壊す事無くここまで完成させてくれた事に感謝です。また、事件は一つ一つ解決していくので見やすく、それでいて根本にはびこる大きな事件。全ての事件に根本に存在する大きな事件が実は絡み合っているという周到なストーリー。ミステリー大好き、イケメンの掛け合いが大好きな方は楽しめるのではないでしょうか。

バチカン奇跡調査官
10

教会 × ミステリー!二人の神父のキャラも良い

カトリックの本拠地であるバチカンに、世界中から持ち込まれる『奇跡』の報告。ここでいう奇跡とは、キリスト教において神が起こしたとされる不可思議な出来事のことです。聖書なんかには、イエス・キリストは石をパンに変えるといったような奇跡をたびたび起こしていたとされ、クリスチャンにとっては『奇跡』とは神の実存の証明なのです。しかし、報告が本当に奇跡であるのかどうか、実は人間の仕業ではないのかということを調べるのが、主人公たちの仕事。神を信じる神父でありながら、奇跡を根底から疑い調査していくのです。出向くのは世界各地の教会や修道院。奇跡の実態と、関わった人々をつぶさに調べていくうち、謎の殺人事件が起こってしまったり…。毎回オカルトチックな雰囲気が不気味さを盛り立て、ハラハラさせてくれます。事件の裏に隠れていたのは、悲しいすれ違いだったり恐ろしい隠謀だったり…。どんな種明かし、決着になるのかを想像しながら見るとより面白いでしょう。二人の神父それぞれの過去も段々と明かされていき、最終話まで飽きることなく謎と物語にどっぷり浸れます。海外文学の『薔薇の名前』なんかが好きな人には特にオススメしたいです。教会、オカルト、ミステリー、この辺りの要素が気になる人には刺さると思います。