やがて君になる / やが君 / Bloom Into You

やがて君になる / やが君 / Bloom Into Youのレビュー・評価・感想

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やがて君になる / やが君 / Bloom Into You
9

繊細な心の動きに目が離せない作品

女性同士の恋愛を描いた、いわゆる「百合」作品の中には、男性が一切登場しないものも少なくはありませんが、この作品には男性が複数登場しており、よりリアルな学校生活の中での恋愛が描かれています。恋を知らない少女・小糸侑が、一見完璧に見える先輩・七海燈子と出会い、お互いが少しずつ変化していくこの物語。百合がテーマと言うよりは、ヒューマンドラマと言えると思います。

それぞれの登場人物が、様々な人と出会い、それぞれ違った形で成長していき、その中で生まれる恋愛感情などが自然に表現されています。一目惚れなどではなく、少しずつ関係性に変化が表れていくことが、感情移入しやすく、読者の心を掴みやすい点だと思います。
また、百合作品においては、登場人物が女性同士の恋愛に全く抵抗がないものと、抵抗があるものに分かれていますが、この作品はどちらかと言えば後者で「女同士なんて…」という葛藤と、それに反して膨らんでいく感情が巧みに描かれていることが、この作品の魅力だと思います。
また、言動や行動、表情などが不自然に、大袈裟に描かれることはほとんどなく、とにかく自然で、繊細な描写が多いということも、この作品に引き込まれる一つの理由であると思います。心からおすすめしたい作品です。

やがて君になる / やが君 / Bloom Into You
9

少女と少女と歪な恋

この作品は、好きという感情が分からない少女が主人公であり、その少女に恋をした少女の物語です。
好きを分からない少女は、告白をした少女を好きになれませんが、自分を必要としている少女を受け入れ寄り添います。そして、この物語が一番のポイントは、告白をした少女は、告白をされた少女に自分を好きになってほしくないと告げる所です。普通は、好きになった相手に自分を好きになってほしいと思う所ですが、少女は、自分を好きなってほしくない。なぜなら好きになった相手が変わってしまったらそれは、好きでなくなる事と考えているからです。だから、今の自分を好きでいてほしくない。けど、自分の好きは、受け入れほしいと一方通行な恋がこの物語の見どころです。私は、今までの恋愛漫画と異なり、非常に傾いた片想いに惹かれました。相手に自分を好きになってほしくないという自分から片想いを望む少女は、一見わがままであり、相手の気持ちを無視しているように見えますが物語が進むにつれなぜ少女がそのように考えるようになったかが分かります。そして告白された少女も好きが分からないから相手を好きでいることができない。しかし、少女の片想いを受け入れる優しさが魅力でもあります。今までにないガールズラブストーリーです。百合好きには、必見の作品です。