嫌われ松子の一生(映画)

嫌われ松子の一生(映画)

『嫌われ松子の一生』とは、2006年5月27日に公開された日本のコメディ映画である。山田宗樹の小説『嫌われ松子の一生』を原作としている。川尻笙は、夢をあきらめ、堕落した生活を送っていた。突如故郷の父が来訪し、笙の叔母である松子が死んだことを伝える。松子の住んでいたアパートの片付けを父に頼まれた笙は、会ったことのない叔母の松子の死の真相に迫るとともに、その波乱万丈な人生をたどっていく。ストーリーはシリアスな内容だが、華やかなミュージカルシーンやコミカルな演出が見どころの作品である。

嫌われ松子の一生(映画)のレビュー・評価・感想

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嫌われ松子の一生(映画)
10

映像の色彩、音楽、歌声がとにかく美しくて見せ方が上手い

当時の流行りと公開当初2006年の流行りを上手く織り混ぜ、映像の色彩、音楽、歌声がとにかく美しくて見せ方が上手い映画だった。

切なくて、涙が出そうになるシーンがちょくちょくあるが、ミュージカル要素で楽しく打ち消して上手いこと泣かせてくれない。
でも、ラストで今まで溜めていたものが一気に溢れだす。涙が止まらなかった。
自分がそう感じただけかもしれないが、ラストで観ている側の感情を爆発させるような意図で制作しているのであれば凄いと思う。

ボロボロの姿ではなく、輝いていた時の姿で逝けてよかったね。妹にもお父さんにも会えてよかったね。
本当にあの世があるかなんて分からないけど、もしあるとするなら幸せに暮らしてほしい。

数年後また観返したい映画。
大いに楽しんだ。2時間10分ちっとも長く感じなかった。
次々松子に降りかかる偶然の不幸は、もちろんマンガチックでリアリティーなどあるわけがない。別に人生とは、、とか深い意味はまるでない。考えこむことはない。だが、人間の感情の断片的な真実はある。
ミュージカル仕立てで斬新な画面、花いっぱいや、いかにもCGらしいCG映像は楽しいし、テンポも悪くない。
現代の歴史を一応押さえ、懐メロもふんだんに取り入れている。
決してふざけてばかりいるわけではない、ホロリとするシーンもたっぷりある。とくに沢村めぐみとの友情や妹との関係はちょっと泣かせる。
豪華な配役陣、ほぼちょい役レベルでゴージャスな俳優陣が次々出入りする。その中で主人公級の瑛太が初々しい。醜い老松子の特殊メイクもなかなかすごい。
松子の死に関してはミステリー仕立てのサスペンスもあり、最後に明かされる真犯人にはちょっとびっくりした。
同時期の宮沢りえの某映画を見ていてあまりにばからしくて、途中で投げ出してこちらにスイッチ。よかった。拾い物。

嫌われ松子の一生(映画)
9

何度も観たくなる

タイトルからのイメージに反して、ハッピーな気持ちになれる不思議な映画。
何度も観たくなります。
自分は、劇中の歌を自然に口ずさんでしまうほどリピートしました。

主人公の松子が、懸命に生きながらも散々な目にあい転落していく悲劇ではあるのですが、歌あり踊りあり、全体を通してコミカルで、最後まで楽しく観ていられます。
どんなにボロボロになっても松子から気品が消えないのは、中谷美紀さんならではでしょうか。
この映画で中谷さんのファンになりました。とにかく美しいです。
他のキャストも豪華で、登場人物ひとりひとりキャラクターが濃いです。
こんな人リアルには居ないよね、と分かっていても自然に受け入れてしまう。
カンニングの竹山さん演じるセクハラ教頭とか。。嫌なやつでもなんか憎めないです。
芸人さんがところどころ起用されているのもポイントかもしれないですね。

個人的には、社長役の黒沢あすかさんがかっこよくて、素敵でした。
松子と同じく服役していながら、松子とは対照的に、成功した人。
松子の最後は切ないけど、ひとりこんな親友が居たことは救いだったと思います。

仕事やら日常のあれこれで疲れているとき、エネルギーをチャージしたいときにオススメです。