響 〜小説家になる方法〜

響 〜小説家になる方法〜のレビュー・評価・感想

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響 〜小説家になる方法〜
9

型破りなサクセスストーリー

女子高校生が小説家になる物語です。
主人公の女子高校生・響は自他ともに認める《変わった子》《型破りな子》で、自分の意思に真っ直ぐな子。時には暴力的で、社会のルールを守らない彼女の性格は周りを困らせるけれど、彼女から発せられる言葉にはパワーがあり、読者にも響いてきます。
そんな彼女が高校の文芸部に所属し、彼女の先輩でもあり有名作家の子どもでもある凛夏とともに芥川賞を目指すストーリーはとても面白く、特に名無しで新人賞に応募するところから始まるシーンには読んでて次のストーリーが気になるくらいでした。他の応募者と比較にならないほどの圧倒的に素晴らしい小説なのに、作者情報がないことから編集部をはじめ皆が翻弄されている姿には目を離せなかったです。また、サクセスストーリと同時に、それぞれの登場人物の心情の移り変わりなども細かく描かれていて、希望や嫉妬・挫折など、響に左右されていく様子がとても面白いです。また恋愛要素もすこしチラホラ見受けられるので、これからの展開が気になります。純文学に興味がなかったのですが、この漫画がきっかけで読んでみたくなりました。主人公の意思がハッキリしすぎているので、ある意味スッキリとする漫画です。ぜひオススメしたいです。