バチバチ

バチバチのレビュー・評価・感想

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バチバチ
10

相撲が題材のハートフル漫画

まず相撲を題材にした漫画は中々ないと思います。スポーツ漫画によくある勝敗要素というのはありますが、この漫画では側面に位置するものとなっています。柱となっている要素は単純明快で、「人としての生き方」です。
スポーツをする上で選手寿命は常に並走しています。その中でこの『バチバチ』という作品は、「寿命に抗う」という視点を大事にして登場人物それぞれの抗い方を随所で描いており、その時々で心が鷲掴みされます。抗うので全てがグッドエンディングではありません。逆に寿命が短くなるケースもありますが、結局人としての生き方に繋がるというシナリオ構成はこの漫画の醍醐味であり、心を簡単に通り越し魂を揺さぶります。
一番の見どころである阿形と吽形の闘いを是非見てほしいです。少しネタバレになりますが、阿形と吽形は同門でケンカしながらも支えあう仲間であり親友でした。吽形はある取り組みで足に大怪我をして大きく選手生命が削られます。体をケアしながら吽形は一心不乱に勝ち星を積んでいき、故障の原因となった相手を倒し十両も決定的となりました。全勝で勝ち進んだ千秋楽の取り組み相手は…故障した後ずっと、口には出さなくても一番に応援してくれてた阿形です。吽形は自分の引退を考える上で「最高の舞台が出来上がった」と考えました。「全力で戦う」と。一方の阿形は、身近で故障に苦しむ吽形をずっと見ていました。勝たせてやりたいのと同時に負けたくないという気持ちが入り混じります。果たして立ち合いの結果は…!!
この漫画を知ったことで全てが満たされました。是非見てみて下さい!必ず間違いは起きません。正しく純粋に感動を覚えるはずです。

バチバチ
10

大相撲ファンの方は是非!!

大相撲漫画三部作の一作目
全16巻

主人公鮫島鯉太郎は元大関火竜の息子。
幼い頃に火竜を事故で亡くし親戚の家で育った鯉太郎。
そんな鯉太郎の地元に大相撲巡業がやってきてそこで素人の鯉太郎と力士が対戦することに…。
勝負は鯉太郎が勝ちそこで空流親方の目に留まる。
空流部屋に入門することになった鯉太郎。
そこでは空流親方をはじめ部屋頭の阿形、吽形、川口、白水といった個性的な兄弟弟子と出会う。
最初は戸惑いを見せていた鯉太郎もだんだん心を開いていく。

鯉太郎の父元大関火竜の同部屋で横綱虎城の息子王虎も鯉太郎と時を同じくして相撲界へ。
火竜と虎城の因縁は息子達の時代に引き継がれることに。

鯉太郎は徐々に番付を上げていき兄弟子白水と同じ序二段にまで上がる。
鯉太郎、白水ともに勝ち進んでいきなんと優勝決定戦で戦うことに…。

一方兄弟子である吽形は場所中相手の卑劣な行為により古傷の膝を痛めてしまう。
それでも同部屋で部屋頭の阿形との約束を守るため痛みにこらえながら全勝で千秋楽を迎える。
千秋楽も無敗を守り優勝決定戦へ。
優勝決定戦の相手はなんと阿形!!

同部屋W優勝決定戦は必見です!
衝撃のラストは感動です。
普段あまり知ることの出来ない力士の裏側がわかる作品です。