リウーを待ちながら

リウーを待ちながら

『リウーを待ちながら』とは、朱戸アオにより『イブニング』にて2017年から2018年まで連載された全3巻の医療サスペンス漫画である。主人公の玉木涼穂は富士の見える町、横走市にある病院で働く内科医である。ある日、駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒したことから始まり、同じ症状の患者が相次いで死亡する。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足していく。原因はわからないまま事態は悪化の一途をたどり横走市は封鎖されてしまう。静かに死にゆく街で懸命に生きようとする人々の姿を描く物語である。

リウーを待ちながらのレビュー・評価・感想

レビューを書く
リウーを待ちながら
10

映画化、ドラマ化等、映像化してほしい漫画です。

日本のある町にペストが大流行するという、パンデミック系の医療漫画です。
ペストと聞くと、社会科の授業などで聞いたことがあるくらいの病気で、しかも大昔の病気じゃないの?と思いますが、そのペストが、町中で大流行し、多くの人が苦しみます。

そんなペストの感染にいち早く気づき、勤務医という拘束の中で自分にできることを最大限にやろうとする女医・玉木。そして、そんな彼女をサポートしながらも、ペスト大流行をどこか楽しんでいるように見える疫研の原神、反抗期で母親とろくに会話をしない日々を送っていたが、ある日突然その母がペストで死亡してしまう高校生・潤月、この三人を中心に物語が進んでいきます。

パンデミック系漫画ですが、住民のパニック等の描写は少なく、物語は基本的に淡々と進んでいきます。
作中では、発熱=ペスト感染=死という具合に描かれているのですが、登場人物が「発熱した」というセリフを口にする時はすでに死を覚悟している状態で、とても落ち着いています。
そういった描写が、かえって不気味に見え、ペストの感染力、致死率の高さを物語っています。

玉木と原神、真逆の性格の二人が、ペスト流行を食い止めるために奔走し、お互いを認め合い、そして…。

私は、読み終えてすぐに、「これは映画化するわ!」とすぐに思いました。
むしろしてほしい。映像化したら必ず見ます。
巻数が少なく、読みやすいですが、どんどん引き込まれていきます。
とてもおすすめの漫画です。