町田くんの世界

『町田くんの世界』とは、2015年4月号から2018年5月号まで『別冊マーガレット』で連載された、安藤ゆきによる学園漫画である。作者にとっては初のオリジナル連載であった。コミックスは全7巻刊行された。
物語は勉強も運動も不得意で不器用だが、人間が好きで自然に他人を思いやることができる男子高校生町田一(まちだはじめ)が、周りから愛されながら日常を過ごす姿が描かれている。作者はイケメンでなく、行動や気持ちだけで人の心を動かすことができる人たらしを描きたかったとコメントしている。
従来の少女漫画とは異なるこの主人公は高い評価を得て、2015年に「第19回文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門で新人賞、2016年には「第20回手塚治虫文化賞」の新生賞を受賞した。また「このマンガがすごい2016」のオンナ編第3位も獲得した。実写映画は2019年6月7日に公開された。主人公とヒロインはオーディションで約1,000人から当時無名の役者が選ばれ、他の出演者を有名実力派俳優で固めた。

町田くんの世界のレビュー・評価・感想

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町田くんの世界
10

人を愛すれば、世界は美しい。

不器用でアナログ人間。
メガネをかけた真面目男子だが、見た目に反して勉強は苦手。
運動に関しては見た目通りからっきし。
そんな一見地味で冴えない主人公の町田くんですが、実は超天然の人たらしなんです。
彼の優しさや気配り、言葉に町田くんと関わった全ての人が魅了されます。
読者である私も町田くんに魅了されてしまった人間の一人です。
町田くんが何故人を惹きつけるのか。
それは彼が人を愛しているから。
人を愛する町田くんの見ている世界はいつもキラキラと美しい。
美しいからこそ世界が更に愛しくなる。
愛しいからこそ大切に想い、行動し、彼の行動や言葉が人を助け、守り、救っていく。
この漫画はそんな大きな愛に溢れた町田くんの何気ない日常を優しく描いています。
人への愛に溢れた町田くんの周りには自然と人が集まり、彼も仲間や家族など、たくさんの人から愛されている。
そんな彼が“恋”という、自身の知らない愛の形を知っていき、戸惑ったり悩んだりする姿に読んでいてもどかしく、じれったい気持ちにもなりますが、町田くんらしくゆっくり前へ進んでいく姿は本当に愛しいです。
読み進めるうちに自然と心が動き、登場人物と一緒に泣いたり笑ったり出来ること間違いなしの、忘れていた大切なものを思い出させてくれるような何度も読み返したくなる素敵な作品です。

町田くんの世界
8

町田くんが近くにいたら、「ほんわか」した気持ちになること間違いないと思う

真面目で努力家でメガネの高校生の町田くん。
長男で家族みんなから頼りにされている町田一(はじめ)くん。
でも、実は不器用で運動音痴で勉強もできるほうではありません。
勉強ができる風貌なのに勉強ができない、そう、見かけ倒しなのです。期待外れなのです。
だけど、なぜか彼とふれあった人たちは彼に魅了されてしまう。
さりげない行動や言動に優しさを感じて「ほんわか」した気持ちになるのです。
大きな事件や問題が起こるような学園ものではないけれど、町田くんとクラスメートの猪原さんを中心とする漫画です。

家族からの愛情タップリに育った町田くんと、家族の愛情は知らず、人との関わりを嫌う猪原さんとの関係が話の軸になっています。
猪原さんが町田くんと関わりを持ち出すあたりもかなり「キュンキュン」するのですが、老若男女関係なく町田くんのやさしさで彼を好きになっていく様は「ほんわか」以外に表現のしようがないくらいです。
そんな町田くんは「恋心」をしりませんが、それは第6巻までの話です。
6巻の引きで町田くんの猪原さんに対する気持ちに変化がありました。
果たして、それは良い結果になるのかならないのか!?
個人的にはハッピーエンド希望です。
最後まで「ほんわか」させてほしい!