メガロボクス

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メガロボクス
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昭和アニメファンに観てほしい!あしたのジョー50周年作品『メガロボクス』

【あらすじ】
生きるために八百長で日銭を稼ぐ八百長トレーナー「南部贋作」とパートナーを組むリングネーム「ジャンクドッグ」は、八百長ばかりでやりきれない気分の中バイクを走らせ、雨の中夜の街でメガロボクスチャンピオン「ユーリ」と運命的な出会いをする。
白都コンツェルンが主催するメガロボクシングトーナメント『メガロマニア』の頂点に立つユーリは、彼の秘めた闘志と自身の誇りを胸に、後日彼の闘技場に乗り込み拳を交え叩きのめす。
「自分はまだ、何もやりきっていない」成す術のない「ジャンクドッグ」の中に湧き上がる”高み”への闘争本能。そしてリングからの去り際、彼へ放ったユーリの一言「オレのリングに上がってこい」。
その時、彼の泥濘とした日々は新たに動き出し、パートナー「南部贋作」や周りの人間を巻き込み、新たなリングネーム「ジョー」として大きく動き出す。

昭和43年に一時社会現象まで巻き起こしたボクシングマンガの残熱が、現代のクリエイターの精緻な技術によって全く新たなアニメ作品として息を吹き返した!
昭和の巨匠・梶原一騎 、ちばてつやが手掛けた名作『あしたのジョー』の50周年を記念して製作された完全新作アニメーション『メガロボクス』は、AI・メカトロニクス技術が発達した近未来都市で開発された新たな競技「メガロボクシング」を舞台に、都市での市民権を持たない”未認可地区”の八百長ボクサー「ジョー」とメガロボクシング界最強の男「ユーリ」との対決をメインに描いた新機軸のボクシングアニメ。
ちばてつや作品、あしたのジョーに親しんだ方ならキャラクター、鉛筆画を思わせる作画の描写、女っ気のない渋い男たち(笑)にしびれること間違いなしの渾身の12話となっています!
あしたのジョーにしびれた男たち、日々日常と戦い続けるすべての人に一度は観てほしい!
おすすめです!

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愛が溢れる作品

『あしたのジョー』が連載開始から50周年を迎えたことを記念し、『あしたのジョー』を原案として制作されている作品で、その完成度たるや素晴らしく、画面の隅々にいたるまで『あしたのジョー』への愛が溢れています。
舞台は未来で、ギアという装具をつけてボクシングするSFチックな設定で、とても現代的な作品イメージなのだけど、回を追うごとにまるで自分が昭和にタイムスリップしてTVを見ているような感覚になります。

最近のアニメ作品だと線がはっきり1本で描かれていたりしますが、この作品ではザラっとしていて、所々カスレているような線で描かれており絵に風合いがあります。画面の色合いも渋い色調で、まさに『あしたのジョー2』を彷彿させていて、細部までのコダワリがハンパなく、全くをもって心憎い。
キャラクターの表情なども『あしたのジョー2』にすごく似せてあって「ジョー愛」が見て取れます。…と少々偏った見方をしてしまうのだけど、お話としても王道というか、割とちゃんと『あしたのジョー』をなぞっているので、原作を知っている人はもちろん、初めて見る人も熱い男の戦いのストーリーを楽しめると思います。ただ最近のフラットであっさりした話の作品に慣れている人には、ちょっと濃くて暑苦しいと思うのかもしれませんね。