クリムゾン・ピーク

クリムゾン・ピークのレビュー・評価・感想

New Review
クリムゾン・ピーク
8

圧倒的な映像美

ギレルモ・デル・トロ監督のゴシックホラー映画です。特にこの映画は、目だけでも十分に楽しむことが出来ます。衣装、小物、建築物の細部全てが美しく、そして不気味なアラデール・ホールは、クリムゾンピークの暗然たる空気を作り出していています。どこを見ても「さすがギレルモ・デル・トロ監督だな」、と思えるような完璧な世界観です。何かはっきりと驚くような演出がでてくるというよりは、悪夢を見ているかのような不思議な感覚に浸れます。本当に世界観が美しいので、初めに見た時はストーリーに集中することを忘れてしまうほどでした。ゴシックホラーマニアの方には特にお勧めで、恐怖とビジュアルを存分に感じることが出来ます。主人公イーディスと、彼女に忍び寄るトーマス、いつも何か裏がありそうな表情をするトーマスの姉ルシール・シャープ。おどろおどろしい屋敷の中での生活をはらはらしながら見ていました。そしてトーマスの裏の顔を知ってしまったときには本当に衝撃を受けました。まるで謎解きのような感覚でこの映画を楽しめることができるはずです。

クリムゾン・ピーク
7

ゴシックホラーのお手本的作品

本作の劇場ポスターとトレイラーを見たとき、私の頭の中ではブロンドの花嫁が屋敷に招かれ、屋敷に代々取りついた悪魔や、幽霊達の生贄にされるのかな?とオドロオドロしいホラーな展開をイメージしていた。実際に見てみると、ブロンドの花嫁は幽霊が見える体質らしく、ペストで亡くなった母親が警告しにきたり、屋敷で亡くなった人達が彼女に危険と無念を訴えてくる。
もしや、ラストは幽霊たちが恨みを兄弟に晴らすのかとワクワクするけどこれも違い、ただただ、生きてる人間怖いといった最初から予想通りの展開で、オドロオドロシイものを期待していた私には少し物足りない映画でした。

美術は素晴らしいの一言。登場人物たちの衣装から屋敷のセット細部まで奇才ベネチオ・デルトロの趣味の世界のごった煮で美しいの一言。スチームパンクや、ゴシックホラーがお好きな方は是非お勧めしたい。
トムヒドルトンのお尻が見られるよ、と言ったら見る方が増えるだろうか。最後死んじゃうけど。個人的には青髭のような物語なのかとワクワクしていた部分もある。どちらにしろ愛に狂った嫉妬の塊になってしまった人は怖い。最後に屋敷がクリムソンピークに沈めば少しは面白かったかな。なんか毒気が足りないような。