文豪ストレイドッグス DEAD APPLE

文豪ストレイドッグス DEAD APPLEのレビュー・評価・感想

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文豪ストレイドッグス DEAD APPLE
8

何度も見たくなるアニメ映画

文豪ストレイドッグスの劇場版、「DEAD APPLE」ですが、何度も観たくなる作品です。まずオープニングが格好いいです。キャラクター紹介もかねて、オープニング曲に合わせてTVアニメの名シーンが流れてきます。このオープニングだけでも惹かれる物があります。
本編はTVアニメでは描かれていなかった部分が沢山出てきて、キャラクター達の過去にも迫っているのでドキドキします。
戦闘シーンも見所満載で、自分の異能と闘うという新鮮な姿を見る事が出来て楽しかったです。劇場版オリジナルのキャラクターも登場するし、今までの登場キャラクター達も格好良く活き活きとしているのでスクリーンを通して活気が伝わりました。
私は主人公の敦が一番好きですが、前半の方では過去を抱えたままで、マイナスな事を言っています。ヘタレな姿が多いですが、最後はやっぱり主人公として果たすべき役目を果たしてくれます。劇場版で弱いところをさらけ出しても、イメージが下がるどころかもっと好きになります。
これだけ自分の評価は高いですが、やはり文豪ストレイドッグスのTVアニメか原作を知らない人にはなかなか面白さが伝わらないかもしれません。劇場版を観るならTVアニメを観て、大体のキャラクターやストーリーを理解した上で観ないとなかなか理解が出来ないと思うので、文豪ストレイドッグスが全くの新規の方には取っつきにくいかと思います。

文豪ストレイドッグス DEAD APPLE
3

人気アニメ『文豪ストレイドッグス』の映画

2016年にテレビシリーズで放送され人気を博した『文豪ストレイドッグス』の劇場アニメ。
ざっくり言うと異能者から異能の力を奪う異能を持つテロリスト的な新文豪が横浜の町に現れ、一晩にして町は壊滅状態に……という内容。
おそらくテレビシリーズで太宰・おださく・安吾トリオのエピソード、太宰×中也コンビあたり萌え悶えた女性が多かったのか、それを意識した構成になっていたのですが、そのあたりの足下を見られている感が出過ぎていて、必要以上の露出が全く自然に感じられませんでした。脚本、榎戸さん?本当に?という感じ。
そして、一番駄目だったのは主人公。テレビシリーズのときは、主人公の成長ストーリーでしたので「応援したくなる」キャラクターのような印象でしたが、この劇場版は「ただのお荷物」。皆の足を止め、皆を危険にさらし、皆に守ってもらい、自分はわーわー騒ぐだけで何もしない。でも、一番おいしいところの最後のとどめの一発だけは主人公。終始、言動に1ミリも共感できず、ただの五月蝿いだけの人でした。
主人公がボンクラなせいもあり、物語のテンポも悪いこと……。芥川や鏡花が話を進めても、オロオロしたり体を動かさず文句ばかり言う主人公のせいで全部止まる。(だから、主人公が出ていないシーンは、まだ心穏やかに見られました……)いやぁ、なかなか苦痛の90分でした。
唯一楽しく見られるところは、ボンズ渾身のアニメーション、絵作りくらいでしょうか。