銀平飯科帳

銀平飯科帳のレビュー・評価・感想

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銀平飯科帳
8

いい加減な性格の居酒屋店主・武藤銀次が、ひょんな事から江戸時代にタイムスリップ。江戸のグルメを学んでいく内に、食への取り組み方・考え方も変わっていく。

美味しい料理が目白押しの、江戸グルメ漫画。現代でも利用できる調味料や食材の、思いがけないアレンジが楽しめます。季節に合わせた旬の味を楽しく学ぶことができ、日本の食の豊かさに感謝したくなる作品です。江戸の料理はもちろん、現代に戻った銀次が居酒屋で出すメニューもとっても美味しそう。ちょこちょこ自炊に使えるアイデアもあるので、毎回楽しみ&重宝してます。主人公が居酒屋経営者なので、とにかく酒が進みそうなメニューが多いんですよね。将軍が気楽に町歩きをしていたりと、史実重視ではもちろんありませんが、のんびりした雰囲気がグルメ漫画にピッタリです。キャラの絵はアッサリしているのですが、その分料理の絵を邪魔せず引き立てていて、料理のビジュアルも充分想像できます。主人公はお調子者ですが、作る料理はどれも美味しそうだし、人の良さも伝わってくるのでどの話も嫌みなく読めます。主人公が過去にタイムスリップする流れでしたが、途中から江戸から現代に来て、過去に戻れなくなったキャラも発生。続きが気になる~…んですが、著者がラーメン漫画で有名な河合単さんなので、中々続きが出ないのが悩ましいところです。ラーメン漫画も読んでますが、こちらも気長に待ってますよ~。

銀平飯科帳
8

江戸の食文化を学びながら楽しめる

毎回江戸の食・文化習俗にちなんだ、現代でも作れる料理を紹介してくれる漫画。ちょっとした工夫で、自宅でも楽しめそうな料理が盛り沢山です。しかもおいしそう!表紙に実際の料理写真も載っており、「ほんとに作れるんだ~」と目でわかるのも楽しい。季節ごとの伝統行事や旬の食材が自然と頭に入ってきて、日々の暮らしを豊かにしてくれそうです。「二十六夜待ち」なんて初めて知りました。
絵は正直そんなに…うまくはないと思うんですが、かわいらしい素朴な絵柄なので、嫌みなく読むことができます。江戸時代と現代を行ったりきたり、という展開も、気楽な絵だからこそあんまり力まずに受け入れられます。料理メインなので登場人物は多くないんですが、それぞれキャラの特徴づけも活きていて、それぞれの今後もいつの間にか気になっているという…。特に女性キャラが、変に大げさだったりわざとらしかったりしないのがGOOD。平蔵さんなんか、時々ほんとに表情がかわいらしいんだよなあ。
一話完結なのでどこから読んでも楽しいですが、キャラの今後の展開も考えるとやっぱり一話から読んでほしいです。一回読んでおくとその後は、あの料理おいしそうだったな~と単発で読み返せます。献立の参考にできそうなメニューも多いので、結構何度も活躍しますよ。