ダーク・タワー

ダーク・タワーのレビュー・評価・感想

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ダーク・タワー
8

原作者スティーブンキングのカオスな世界観を見事に表現した名作。

2017年に公開された、アメリカ映画『ダーク・タワー』は『アベンジャーズ』シリーズや『パシフィック・リム』への出演で広く知られるイドリス・エルバが主人公ローランドを熱演。
ローランドが追う黒衣の男をアカデミー賞俳優、マシュー・マコノヒーが演じ、話題を呼んだ作品である。
原作は”ホラーの帝王”とも呼ばれるスティーブン・キングの同名小説である。
本作の魅力はスティーブン・キング独特のファンタジーとSFの世界観がごちゃ混ぜで、さらにお馴染みのダークな世界観を見事に表現した作品となっている事にある。
冒頭、後に重要な役割を果たすことになる少年、ジェイクが暮らす現実世界のニューヨークから物語が始まるが、ジェイクが感じる違和感から徐々に忍び寄る異世界の侵略の影を見事に表現、ジェイクの壊れていく日常を体感できる。
異世界に入ってからも襲い来るクリーチャーたちの気味悪さも去ることながら、現実世界ではありえない不思議な自然現象や建物など、単純に恐怖を煽るのではなく、知的好奇心を刺激し、不思議な世界に誘ってくれる。
また、本作はアクション面も圧巻で、主人公ローランドのガンアクションの数々はアクション映画好きには堪らない出来になっている。
特に、クライマックス前に多数の敵を相手に立ち回る意を演じるローランドの早撃ちとリロードアクションはアクション映画史に残る場面と言っても過言ではない。

ダーク・タワー
4

薄い映画

スティーブンキング原作の映画『ダークタワー』を見ました。
同じ原作者の『ミスト』の世界とも関わりのある映画ということで期待して観たのですが、いまいち内容が薄く、全てがどこで見たことがあるような、新鮮味に欠けるいろいろと惜しい映画でした。
惜しいところの一つ目は異世界の造り込みが甘いところです。ただの砂漠だったりして景色がつまらなかったです。肝心のダークタワーもいまいちピンときませんでした。敵の姿も、本当の姿がどんなものか最後までわからずじまいで中途半端。
二つ目は主人公とガンスリンガーの信頼関係の構築が足りないので、二人に感情移入できないことです。ピンチが訪れても応援したくなったりできず、シラけてしまいました。
良かった点は、適役の黒衣の男を演じたマシューマコノヒーがすごく良かったところです。あまりに魅力的なので、主人公とガンスリンガーより、こっちを応援したくなってしまうくらいでした。衣装はシンプルな胸あきのシャツなのにマシューマコノヒーの色気が半端なくって、ドキドキしました。映画自体は可もなく不可もないお話でしたけど、マシューマコノヒーの魅力のお陰で最後まで観れたかなーと思いました。原作が長いので詰め込み過ぎて魅力が半減してしまった、惜しい映画でした。