妖精帝國

妖精帝國のレビュー・評価・感想

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妖精帝國
10

高い音楽性とファッション性

妖精帝國は、妖精帝國という妖精の棲む国の第三軍楽隊で、ボーカルのゆい様は現在終身独裁官という役職であり、皇女ということで人間界に降りて妖精を信じる心を忘れさせないためのプロモーション活動を精力的に行なっています。ヘヴィメタルをベースとした上で物語要素を強く持った高い音楽性と、ゴシックロリィタを基調とした高いファッション性が人気のバンドです。ライブのことを公式式典と言い、ファンのことを臣民と呼びます。活動当初はボーカルと演奏の2人組同人ユニットでしたが、ベース・ドラム・ギターを新たに迎え入れ(ドラムはメンバー交代、ギターはのちに脱退)バンド形態になり、現在はゴシックメタルバンドとして活動しています。音楽レーベルと契約を結んでからはパソコンゲームのオープニングや深夜アニメのタイアップなどで徐々に知名度を上げ、最近ではロリィタブランドとコラボレーションしたスカートや日傘などを発表したことで元々は男性ファン(臣民)に押され気味であった女性ファン(臣民)の獲得にも成功して着実にファン(臣民)を増やしプロモーション活動もさらに勢いを増してきています。活動歴は長いですが音楽のテーマが一貫しているので「この曲は好みだけれどこの曲は好みじゃない」となることがあまりなく、1曲聴いて好きだと思ったらどの曲も期待を裏切らないと思います。

妖精帝國
8

日本ゴシックメタルの先駆

ゴシックメタルと言えば、Nightwishがその先駆けですが、日本で最も早くそのアティチュードを示したのは妖精帝國であろうと思います。
今でこそBABYMETALが流行し、「アニソンメタル」を名乗るアーティスト、ゴスロリ風の衣装を着るアーティストは溢れています。
その実、なんとなくゴスロリっぽい服を着て、なんとなく激しめの音楽をやって「私たちってメタルだよね」と確認しあう稚拙さを持ったアイドル声優さんが多いように見受けられます。
メタルとは、反体制、リベラルであり、孤独であり、声を上げることであり、闘争です。
社会性と密接に関わり、それに対して強く訴えて来た人々の音楽こそメタルであり、妖精帝國はボーカルの声や、コンセプトでかなりの不利がありながらも、そのアティチュードを理解し体現している点において後追いのアーティストとは一線を画しています。
Gothic Lolitaと冠されたアルバムでは打ち込みが散見されますが、すでにゴスとしての信条が確立されています。また、「PAX VESANIA」を転換点としてバンド体制での演奏を重視しており音も重く広がりのあるものになっています。
アニソンタイアップも多く、敷居は低いながら演奏、作曲ともに高い技術力を伴っているため曲単体でも楽しめる魅力があり、かつまた詞にも作品に対する造詣の深さが現れています。