僕等がいた

僕等がいた

『僕等がいた』とは、2002年から「ベツコミ」で連載され、第50回小学館漫画賞少女向け部門を受賞した小畑友紀の漫画であり、2006年にアニメ化され、2012年に完結後、実写映画化もされた大人気漫画である。舞台は北海道釧路市と東京で、高校生活に期待を寄せる少し天然で一途な普通の女の子高橋七美と、運動神経抜群でクラスの大半が好きになるが、心に大きな影を抱える矢野元晴の高校時代~社会人までの青春と純愛を描いたラブストーリー作品である。

僕等がいたのレビュー・評価・感想

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僕等がいた
10

大人でもハマる青春ラブストーリー

この作品は、小畑友紀先生の青春ラブストーリー漫画である。
2002年からベツコミにて連載が始まり、単行本は全16巻だ。
同作は、2006年にアニメ化され、2012年には前篇・後篇の二部作が実写映画化されているのである。
(主演:生田 斗真・吉高 由里子)
アニメ化、実写映画化されるほど人気のあるこの作品は一体どんなストーリーなのか、紐解いていこう。
主人公の高橋七美は、高校に入学したばかりの純粋で明るい女の子だ。
どんな高校生活になるのかと期待に胸を弾ませているところ、友人からある噂を聞くのだ。
「クラスの女子の3/2が好きになる」という伝説のイケメン、それが矢野元晴だ。
七美は矢野に対し良い印象はなく「絶対に自分は残りの3/1の女子だ」と豪語するも彼と関わっていくことで魅力に惹かれ、
過去に触れていき次第に好意を寄せていくようになる。
一方矢野は、中学生の時に失った彼女と七美を重ね合わせ、七美に好意を寄せ二人は高校1年生の秋に付き合うこととなるのだ。
複雑な家庭環境や悲しい過去を抱える矢野を、七美は包み込むことが出来るのか…
甘酸っぱい青春ラブストーリーではなく、リアルなストーリーに自身が主人公になった気分で話にのめりこめる作品だ。
そして、この作品の一番の良いところは、社会人になってからもストーリーが続くというところだ。
学生の頃の心情から、社会人になっての心の移り変わりが最後まで読者を飽きさせない工夫であり、
読み返す度、ストーリーの表情が変わっているように思えるのだ。
青春ラブストーリーではあるが、大人にも読んでほしい作品だ。

僕等がいた
9

言わずと知れた名作

実写映画化もされたこちらの作品、マンガ、映画どちらもとてもオススメです。
原作は少女マンガなのですが、若い世代の女性だけでなく様々な年代の男女共にオススメしたい作品です。よくある少女マンガとは何かが違う、、言葉では言い表せませんが、読んでみれば絶対にわかります。学生の頃周りの友達みんなでハマって、矢野派か竹内君派かって語り合っていました(笑)。
恋愛ものなのでもちろんキュンキュンする要素もあります。ですがそれだけでなく、一つ一つの言葉が深く胸に刺さり、いろいろなことを考えさせられる作品です。
映画もマンガもオススメなのですが、特にマンガをオススメしたいです。映画では凝縮されているので、マンガでのシーンが抜けている所もありますので。
登場人物一人一人の人間性、そしてもどかしい人間関係。どうしてそうなっちゃうのって読んでいる方はモヤモヤ、ハラハラ。そんな気持ちを抱えながら気付けば、どんどん先に進んでいってページをめくる手が止まらなくなります。
たくさんある名言の中の1つ、「どうしてあたしたちは簡単な事が出来ないの、それとも簡単すぎて難しいの」。
この言葉を見たときひどく考えさせられました。一見矛盾しているような言葉ですが、なんだか核心をつかれたようで。この他にもたくさん心に刺さる名言があります。それもこのマンガの醍醐味かなと思います。いくつになっても何度でも読み直したい作品です。

僕等がいた
9

年に1回読み返してます。

私は少女漫画が大好きです。沢山の漫画を読んできた私が1番心に残ってる漫画が「僕等がいた」です。
16歳の時に読みはじめました。それから26歳になった今でも年に1回読み返してます。
歳を重ねる度に、読み返すと漫画の内容の深さを感じます。若い子はもちろん、大人の女性にも読んで欲しい漫画です。まず、矢野元晴がカッコいいです。笑顔も可愛く今時の高校生なのですが、彼は大きな闇を背負ってます。
元カノの突然の死。矢野が自分のせいだと思い苦しんでる姿がとても辛いです。
そんな彼にを好きになった高橋七美。好きだけど、矢野の心を開く事ができない。そんな七美が矢野に自分の思いを伝える!その言葉がとても素晴らしいです。高校生から出てくる言葉とは思えない素敵な言葉です。
それを聞いた矢野は、闇から一歩踏み出しはじめます。
大きな闇を、一緒に背負っていく覚悟を決めた七美の姿がかっこいい。付き合う事になった二人、少女漫画らしい胸キュンする内容。ハッピーエンドと思ったのに、2人はここからまさかの展開になります。今までの漫画で読んだ事のないような、次から次に壁が訪れます。
幾度となく深く傷つきながらも、突き進む二人。どんな事も二人なら乗り越えれると思っていたのに。矢野は突然失踪してしまいます。失踪から5年後、再開する二人はどんな決断をするのか、最後の最後まで一巻につき一回泣きながら読みました。
10年間読み続けている、唯一の漫画です。これからも読み返して2人の愛を見届けたいです。

僕等がいた
7

青春を思い出す

高校生になり同級生の男女が恋をし、恋人同士になりますが、男の子には前に付き合っていた彼女が前に付き合っていた人と浮気をし、その帰りに交通事故に遭って亡くなってしまったという過去があります。
いつまでたってもそのトラウマから逃げられない彼と、それを見守る彼女になんだか切なくなって胸が痛くなってしまいます。その後、男の子の親の離婚により遠距離になってしまいます。遠距離になっても大丈夫と思っていた2人ですが、数ヶ月後に男の子と女の子は連絡が取れなくなってしまいます。女の子はきっと彼に何か事情があったんだと思って長い時間を過ごし、短大を卒業し社会人にもなります。一途に彼を待つ彼女がいつまでも彼を忘れられないということに、読んでいる方が切なくなってしまいます。その後、ひょんなことから仕事の関係で彼と出会ってしまうのですが、何度も何度もすれ違いを繰り返してしまいます。それぞれに事情があってすれ違うのですが、それでも引き合ってしまいます。その2人の姿にやきもきしてしまいます。早く2人を素直に結びつけて欲しいと思ってしまいます。高校生の頃から少しずつ大人に成長していく2人の人間の姿も見ることができ、青春を思い出すお話しです。