ACCA13区監察課 / ACCA: 13-Territory Inspection Dept.

ACCA13区監察課 / ACCA: 13-Territory Inspection Dept.

『ACCA13区監察課(オノ・ナツメ作)』とは『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス刊)にて2013年~2016年まで連載された漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。ACCA本部監察課副課長のジーン・オータスの過ごしていた平和な日常が少しずつ世界の陰謀に巻き込まれていく。その軸となるのは巨大統一組織「ACCA」と「タバコ」を巡る男たちの’’粋’’様だ。食えないキャラクターたちが勢ぞろいする大人な雰囲気の作品となっている。

ACCA13区監察課 / ACCA: 13-Territory Inspection Dept.のレビュー・評価・感想

レビューを書く
ACCA13区監察課 / ACCA: 13-Territory Inspection Dept.
10

絵も音楽もストーリーもすべてがオシャレ!一味違ったアニメを観たい方に。話数が少ないので一気見できます

「ACCA13区監察課」は、次は何を観ようかなとサブスクリプションでいろいろ調べるなかで、オシャレな絵柄と色使いが目に留まって見始めました。
当時は長めの作品を見終えたばかりで、今はあまり長いものは手を付けられないなと思っていたのですが、本作品はシーズンで12話なので一気に見てしまえて手が付けやすかったのもポイントでした。
主人公は「もらいタバコのジーン」の異名をもち、タイトルの通り国内の13区を監察する仕事をしているのですが、監察で順番に区を回るなかで不穏な噂を耳にし、徐々に国の存亡に関わるその波に巻き込まれていきます。
ここまでの内容だとシリアスな内容に傾くのですが、ストーリーの本筋を進めつつも、一方で可愛いお菓子や食べもの、綺麗な街並み、キャラクター同士の会話での探り合い、ピアノやサックスが聞こえるジャズ風のサウンドトラックなども楽しめる要素です。
下野紘さんが演じるジーンと、津田健次郎さん演じるジーンの親友・ニーノが重ねる会話や時間、ジーンと妹のロッタの温かい家族愛、幼い頃から一緒だったその3人の関係性もほっこりとした気持ちにさせてくれます。
目で耳で癒されつつ、一味違ったアニメを楽しみたい方には自信をもってお勧めできる作品です!

ACCA13区監察課 / ACCA: 13-Territory Inspection Dept.
9

静かに、ゆっくり進んで行くストーリー

このストーリーは「ドーワー王国」という国が舞台となっている。王国の民間組織「ACCA」の「監察課」に所属する主人公ジーンが、監察の仕事のため13ある王国の自治区を巡る中で、王国を揺るがす陰謀に巻き込まれて行く。
同じ国にも関わらず、13の自治区には全く違う特色がある。ジーンと共にその自治区を旅行気分で巡りながら展開されて行く話に引き込まれて行くという流れが良い。作中に出て来る何気ないアイテムや食べ物、そして何気ない日常の会話にも伏線が仕込まれており、目を離すことができない作品となっている。

この作品には派手なアクションシーンなど衝撃的な場面は一切ないが、落ち着いた静かな雰囲気のストーリーの中でゆっくりと話が展開され、最終的には王国全体を揺るがす壮大な話に繋がって行く。一度に伏線が回収されるわけではなく、徐々に謎が解明されて行くため、派手なシーンがなくても飽きずに最後までストーリーの雰囲気に引き込まれて楽しめるところがこの作品の最大の魅力であると言えるだろう。登場するキャラクターにも一人一人個性があり、ストーリーが進むたびに「誰が敵なのか、誰が味方なのか」と考えさせられるのも面白い。是非落ち着いた雰囲気を感じながら、謎を解いて行くこの作品の面白さに触れていただきたい。