十二国記 / The Twelve Kingdoms

十二国記 / The Twelve Kingdoms

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

十二国記 / The Twelve Kingdomsのレビュー・評価・感想

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十二国記 / The Twelve Kingdoms
9

壮大な世界観を楽しませてくれるファンタジーアニメ

原作は小野不由美先生の小説です。アニメの方は全体を通して、景王として異世界に連れて行かれた陽子の成長物語としてまとまっているなという感じです。古代中国を思わせるような舞台、不老不死になる王、王を選び王を補佐する争い事や血にとても弱い麒麟、天上にある城、麒麟に使える妖魔と人や村を襲う妖魔などファンタジー要素にあふれています。でも、原作を含めこのアニメがずっと好きなアニメの1つである理由は、名言が多いことです。景王として残るべきか恋しい生まれ育った日本に帰るかで悩む陽子に対して「分からない時は自分がやるべき方を選んでおくんだ。同じ後悔をするなら軽い方がいいだろ」という楽俊の言葉とか、幻を見せる剣を封じるための鞘を作り直さないといけないと言われた時に、時には見たくないものを見せる心のようだと言った後の「心に鞘はいらない」というはっきりとした陽子の言葉とか。「伏礼を廃す」という王の最初の命令の背後にある陽子の考えや願いなど、考えさせられます。アニメの絵自体は全体的にくすんだ感じで、華やかさもなく、絵が崩れていることもあるのが、正直残念なところではあります。それでも、何度見ても飽きず、楽しむことができます。「月の影 影の海」と、直接その続きにあたる「風の万里 黎明の空」は原作ともに名作です!

十二国記 / The Twelve Kingdoms
9

面白い。最高

十二国記を読んでみて、最初に思ったのが面白い!でした。陽子という少女が、突然、異世界に連れていかれ王になるというのが最初の巻のお話でした。陽子が迷いながら傷つきながら自分の道や信念を見つけ王となる過程が苦しく、かっこいいと思うのです。特別な力を持たない人が異世界で生きていくには厳しいと思うのですが、彼女は見事に達成してしまうのです。
白銀の~シリーズは、今までの作品と違い、ミステリーの要素が強かったと思います。麒麟の常識を破る泰麒。通常の麒麟は、角を切られれば麒麟ではいられない。麒麟としての力を失った泰麒が、どうやって自国を救うのかと気になっていました。麒麟の言葉は天の意思という人々の常識に付け入り、裏切り者の阿選に「あなたが王です」と言ってのける。もちろん、違いますけど、嘘でだまします。実際に、麒麟は人を傷つけることはできないはずですが、気の持ちようで傷つけることができます。ただし、代償なしではありません。そこまでしてでも、己が王と定めた男を救いたかったし、自国の民も救いたかったのです。阿選が裏切った理由は、なんとなく察しはつきますが、言葉にはできないのです。読んでみて、理由を探ってみてください。

十二国記 / The Twelve Kingdoms
8

人間の成長について

劣等感の塊で、いつも自信が無く過ごしている女子高生の主人公は、ある事件を介して、いきなり違う次元の言葉も通じない国の王に任命される。主人公が違う次元の一国の王になるまで、心の葛藤を通して人間として成長していく様を描いている。
なんとなく生きている自分にとって、この作品は自分を見つめ直すきっかけになりました。世間一般の考え方が自分の意見だと勘違いしていた自分にとって、自分は本当にこのままの考え方でいいのか、自分のしっかりした意見は無く、うわべだけを見てこっちにフラフラ、あっちにフラフラしている自分は、第三者から見てみると「アホちゃう」と思われても仕方が無いことに、この作品を見て気付かされました。
この作品を見て、自分もこの女の子と同じじゃないかと思いました。言いたいことも言えず、周りの意見に振り回されて、自信が無く、いつも何かを当てにして生きていました。
人生の転換期って本当にあるんだなと近頃思い始めました。自分は今が自分の人生の転換期だと思います。自分の内面を見つめ直し、自分独自の土台をしっかり作り、根本から育てていくようなイメージで、自分をしっかり確立していきたいと思いました。
そしていつの日か、今まで出会ってきた人に出会ったとき「お前、変わったなあ」と言われるように人間として成長していきたいと思います。

十二国記 / The Twelve Kingdoms
10

十二国記は自分の中で2位

ごく普通のうすら重い感じの日本の日常を過ごす女子高生・陽子。
陽子は周りを気にして自己を確立できていなかった。
突如「陽子」を「主上」と呼ぶ男が現れる。
その瞬間、妙な化け物に襲われる。
男は陽子を守りながら渦巻いた海の中へと連れ去っていく。
たどり着いた所は昔の日本の様な、中国の様な場所。
自分を連れ去った男はどこにも見当たらない。
何が起こっているかわからない陽子は化け物に襲われながら、そこに住む人間からも冷たく扱われる。
いろいろな出来事に翻弄されながら成長していく陽子。
しかしついには道で行き倒れてしまいます。
陽子は1人の男に助けられます。
その男は世界のことをよく知っていた。
自分のいる世界がどうなっているのか。
自分は何が起きてどうなってしまったのか。
我々の知っている世界は1つではなかった。
12の国と12の麒麟と12の王からなる世界。
そして陽子は…。

アニメは6話くらいまで暗重いので我慢が必要ですが、そこから止まらなくなります。
かなり詳細に造りこまれた圧倒的な世界観。
小説はまだ続いています。
いくらでも魅力的な話が生まれてきそうです。
原作者である小野不由美さんは現在体調がすぐれないそうで、心配ですがなにやら大作ができそうだとか。
楽しみです。