PLUTO / プルートウ

『PLUTO』(プル―トゥ)とは、2003年から2009年まで『ビックコミックオリジナル』(小学館)で連載された、原作・手塚治虫、作画・浦沢直樹によるSF漫画である。本作は手塚治虫の『鉄腕アトム』で描かれた「地上最大のロボット」の回を原作とし、プロデューサー長崎尚志、監修手塚眞で制作された作品である。
リメイクにあたって手塚は、浦沢作品として描くことを要望したため、アトムなどキャラクターデザインやストーリーの一部はアレンジされている。コミックスは全8巻刊行され、累計発行部数は2010年10月時点で850万部を突破した。
物語は近未来において、世界最高水準のロボットが破壊された事件を追うロボット捜査官ゲジヒトが、アトムと共に真相を暴き想像を超える陰謀に巻き込まれていく様を描いている。
2005年には「第9回手塚治虫文化賞」のマンガ大賞、「文化庁メディア芸術祭」の漫画部門で優秀賞を受賞した。また2006年には「このマンガがすごい!」のオトコ編で第1位を獲得し、2010年には「星雲賞」でコミック部門を受賞した。

PLUTO / プルートウのレビュー・評価・感想

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PLUTO / プルートウ
10

何度読んでも奥深くて、また読んでしまうマンガ!

世界最高峰のロボットの7体の内の1体モンブランが、バラバラの破片になって見つかったことから話は始まります。世界最高峰のロボット7体の内の1体であるユーロポールのロボット特別捜査官ゲジヒトは、何かが始まったことを察知します。そして次の被害者がでます。ゲジヒトはその被害者が人間であることに驚きます。しかしロボット法擁護団体の幹部と聞き、さらにモンブランの頭部にも刺さっていた角を模したような2本の棒を見て、自分の考えが間違っていなかったと確信します。その時不審者情報があり、急行すると人間の巡査が負傷し、相棒であった巡査ロボットがバラバラになって発見されました。簡単にバラバラにならないはずの巡査ロボットが短時間で無残な姿になったことから、ロボットの仕業だとゲジヒトは判断します。この世界ではロボットが人間を殺すことは絶対あってはいけないこと…それが起こったかもしれない…ゲジヒトは巡査ロボットの記憶チップの内容を見て、自分の目に映ったものを信じられませんでした。そこには第2の犯行があったビルからビルに飛び移る人間が映っていました。ゲジヒトは8年前に人間を殺し、拘束されているロボットに会いに行きます。そして自分の考えが間違っていないことを確信します。自分を含めたロボット6体が破壊の対象であることを…段々に破壊されていくロボット達、果たして犯人は?そして目的は?ゲジヒトの戦いが始まります。

PLUTO / プルートウ
10

人気漫画家の手によって蘇った「鉄腕アトム」

昭和の偉人、手塚治虫氏の名作漫画・「鉄腕アトム」の最も人気のあったエピソード、「地上最大のロボット」を売れっ子漫画家、浦沢直樹氏がリメイクした漫画が「PLUTO」です。いかにも見た目ロボットといったオリジナルキャラクターよりも人間型にかわり、主人公もアトムからドイツのロボット刑事・ゲジヒトにかわり、より大人向けへとリメイクされています。
第3次中央紛争の悪化の為、国際平和維持軍として当時、世界最高水準とされたロボットの中にユーロポールのロボット刑事、ゲジヒトもその一体として派遣されたが、戦争の余りの悲惨さにただ心の疵だけを残して帰国してから数年後。国際平和維持軍のメンバーの一人、スイスのモンブランが何者かに無残に破壊されてから次にまた世界最高水準のロボットが破壊され、ゲジヒトは他のロボットたちに警告しながら、の共にその犯人を捜します。
ゲジヒトの捜査中にオリジナル、「世界最大のロボット」の主人公、アトムも出てきます!可愛らしい外見ながら7体のロボットの中で最も人間に近く、優れた人工頭脳の持ち主でとオリジナルと同じです。手塚氏の子供向けのロボットが人間のエゴによって利用し、悪用されて行く様をアトムの純粋な善悪を区別できるアトムがその事を苦悩し、無く姿はリメイクでも同じですが、各キャラクターのロボットに人間味のあるエピソードを持っている事にドラマチックにそして、感動的な物語となっています。