グランド・ブダペスト・ホテル / The Grand Budapest Hotel

グランド・ブダペスト・ホテル / The Grand Budapest Hotel

『グランド・ブダペスト・ホテル』は、ウェス・アンダーソン監督、レイフ・ファインズ主演で製作された。ズブロフカ共和国にあるグランド・ブダペスト・ホテルが物語の舞台である。コンシェルジのグスタヴと部下のムスタファを主人公に、常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。本作は1930年代、1960年代、1985年、現在と4つの時間軸で展開されていく。

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グランド・ブダペスト・ホテル(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『グランド・ブダペスト・ホテル』は、ウェス・アンダーソン監督、レイフ・ファインズ主演で製作された。ズブロフカ共和国にあるグランド・ブダペスト・ホテルが物語の舞台である。コンシェルジのグスタヴと部下のムスタファを主人公に、常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。本作は1930年代、1960年代、1985年、現在と4つの時間軸で展開されていく。

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ハリー・ポッターシリーズの料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

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『ハリー・ポッター』シリーズとは、J・K・ローリングによる小説およびそれを原作とした映画、舞台、ゲームなどのメディアミックス作品である。普通の少年ハリー・ポッターはある日自分が魔法使いである事を知らされる。魔法学校で魔法を学び、仲間と友情を育むハリー。そんな中、両親を殺した宿敵ヴォルデモートとの戦いが始まる。舞台はイギリスの魔法界。作中にはイギリス魔法界ならではの料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物が登場する。人間界には無い少し変わったものも登場し、作品に楽しさ・面白さといった彩りを添えている。

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ハリー・ポッターシリーズの魔法・呪文まとめ

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「ハリー・ポッター」とは作家J・Kローリングが描いた小説から始まり、映画化も行われている作品である。 主人公ハリーが悪と戦いを繰り広げ、魔法を用いた世界で、杖や魔法薬を用いることで魔法や呪文を行使できる。 一部の呪文には、効果が対になる呪文が設定されており、これを作中では「反対呪文」と呼ぶ。 このハリー・ポッターの映画や小説で登場した魔法を一覧にまとめた。

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レッド・ドラゴン(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『レッド・ドラゴン』とは、トマス・ハリスの小説をもとにして2002年に公開されたアメリカのサスペンス映画である。 監督はブレット・ラトナー、主演をアンソニー・ホプキンスである。人食いハンニバルと呼ばれる精神科医の殺人犯ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)に殺されかけた過去を持つ、元FBI捜査官であるウィル・グレアム(エドワード・ノートン)との戦いを描く。見どころは、レクター博士とウィルの頭脳戦と徐々にレッド・ドラゴンと呼ばれる猟奇殺人犯を追い詰めていく所である。

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ハリー・ポッターシリーズの魔法具・アイテムまとめ

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『ハリー・ポッター』シリーズとは、J・K・ローリングによる小説およびそれを原作とした映画、舞台、ゲームなどのメディアミックス作品である。 普通の少年ハリー・ポッターはある日自分が魔法使いである事を知らされる。魔法学校で魔法を学び、仲間と友情を育むハリー。そんな中、両親を殺した宿敵ヴォルデモートとの戦いが始まる。 作中には戦いの行方を左右する重要なものや物語の鍵となるものから、魔法使い達の日常で使われるものまで、様々な魔法具やアイテムが登場する。

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スパイダーマンの歴代スーツまとめ

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『スパイダーマン』とは、MARVEL COMICS発祥のアメコミヒーローである。 スパイダーマンは、スパイダースーツを着用してヴィランたちと戦いを繰り広げる。これまでスパイダーマンは『サム・ライミ版スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』『MCUスパイダーマン』の3つのシリーズで映画化されてきた。シリーズによってスパイダースーツの形状や能力が異なっている。

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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』とは、シリーズ第25作目にあたる2021年のスパイ・アクション映画。主演のダニエル・クレイグは、本作を以てジェームズ・ボンド役を引退した。テロなどを陰で操る秘密組織・スペクターとの闘いを終え、00エージェントを退いたジェームズ・ボンドは、ジャマイカで平穏な日々を過ごしていた。ある日、CIAの旧友フィリックス・ライターから助けを求められ、誘拐された科学者の救出任務を引き受ける事になる。凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うボンドに、最大の危機が迫る。

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007 スペクター(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『007 スペクター』(原題: 『Spectre』)とは2015年公開のスパイアクション映画で、「ジェームズ・ボンド」シリーズの第24作品目。ダニエル・クレイグがMI6諜報員ジェームズ・ボンドを演じる4作目の作品である。全世界での興行収入は約8億8000万ドル。前作『007 スカイフォール』(原題: 『Skyfall』)に次ぐシリーズ2位の興行成績を収めた。ボンドはメキシコで、ある組織の殺し屋スキアラを追っていた。ボンドの出生の秘密と極秘組織の正体に迫る、シリーズの中でも異彩を放つ名作だ。

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【トリビア・伏線】ファイト・クラブの徹底解説・考察まとめ【ネタバレ】

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『ファイト・クラブ』とは1999年公開のアメリカ映画。鬼才と呼ばれるデヴィッド・フィンチャーが監督を務めた。不眠症の”僕”は自分とは正反対の自信家でマッチョな男タイラーと出会い、男同士が素手で殴りあう「ファイト・クラブ」と言う組織を結成していく。殴り殴られることで自分の存在意義を確認するが、やがて組織はテロリズムに傾いてき、”僕”は衝撃の事実を知ることとなる。 巧妙に張り巡らされた伏線とサブリミナル効果、ラストシーンの解釈、製作時のトリビアなどをネタバレ解説していく。

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ファイト・クラブ(Fight Club)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『ファイト・クラブ』とは、1996年に発表されたアメリカの小説家チャック・パラニュークによる同名小説が原作となっている、1999年制作のアメリカ映画である。不眠症で悩む会社員「僕(エドワード・ノートン)」はある日火事が原因で住む家を失くし、謎の男タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)の家に居候することになった。「泊めてもいいが条件がある。俺を殴れ」という突拍子ないタイラーの言葉をきっかけに、二人はお互いを殴り合う行為にハマっていく。

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ジュラシック・パーク(Jurassic Park)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『ジュラシック・パーク』とは、1993年に公開されたSF映画である。スリラー、ホラー、パニック、アクション、ドラマなど様々な要素で構成されている。マイケル・クライトンによる同名小説を原作としており、監督はスティーヴン・スピルバーグ。後に続編が公開されるジュラシック・パークシリーズの第1作。 バイオテクノロジーにより作られた恐竜が暴走し、恐竜に追われる恐怖と、仲間を守ろうとする主人公達の絆を描いており、生命や科学技術に関する倫理観が問われている。

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ワンダー 君は太陽(Wonder)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『ワンダー 君は太陽(Wonder)』とは2017年のアメリカ合衆国のドラマ映画。原作は、2012年に発表された新人作家R・J・パラシオの処女作「ワンダー」である。 外見からわかる先天性の障害がある少年が様々な困難に立ち向かい、周囲の考え方を変え、周りと共に成長していく。少年の視点だけでなく、複数の登場人物の視点が導入されている。「見た目ではなく中身を見る」という事の大切さを伝えている物語。

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キング・コング(King Kong)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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映画史に残る1933年制作の怪獣映画の古典「キング・コング」を「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督がSFXを駆使してリメイクしたのが、この2005年版「キング・コング」。映画撮影のため南海に浮かぶ海図には乗らない神秘の島・髑髏(どくろ)島に到着した撮影隊がキング・コングを初め様々な怪獣や恐竜たちと遭遇する、ラブロマンスとホラー要素もある痛快アクション・アドベンチャー。

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スパイダーマン(サム・ライミ版)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『スパイダーマン』とは、スタン・リーとスティーヴ・ディッコのアメコミが原作、サム・ライミ監督の2002年公開のアメリカ映画。全3部作の1作目である。高校生のピーター・パーカーは校外学習先で遺伝子操作された“スーパースパイダー”に偶然かまれ驚異的な力を手に入れた。幼なじみのメアリー・ジェーン・ワトソン(MJ)や友人のハリー・オズボーンとともに過ごしながら、ピーターが正義のために悪と戦うスパイダーマンになるまでが描かれている。

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ガタカ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『ガタカ』とは1997年にアメリカで製作されたSF映画。 遺伝的優劣によって人生が左右される近未来社会の中で、遺伝的問題を抱えた1人の青年が不屈のチャレンジ精神で人生を切り開き、夢を叶えようとする姿を描いている。遺伝子がすべてと言われる世界の中で、当り前である概念を打ち砕き、不可能を可能としようとする姿に周囲が心動かされていくヒューマンストーリーでもある。現実感のある設定と名言の詰まったセリフの数々は、見る者の心に訴えかけ、今もって語り継がれる作品となっている。

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ボーン・レガシー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『ボーン・レガシー』とは『ボーンシリーズ』の4作目で、2012年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンをめぐる陰謀を描いた前3部作の裏で同時進行していたストーリーを描くスピンオフ的作品。ボーンの存在によりCIA上層部でさえ知らない国家的極秘計画が暴かれる危機が発生。計画隠蔽のために襲われた工作員アーロン・クロスの逃避行が描かれる。『ボーンシリーズ』の世界観を継承したストーリー展開に加え、前3部作後のCIAの状況もわかるファン必見の物語である。

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インクレディブル・ハルク(MCU)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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2008年に公開された、マーベルコミックスに登場するヒーローの実写化作品である。『アイアンマン』をスタートとしたMCUシリーズの第2作目であり、型破りなヒーロー・ハルクの誕生の経緯を描いている。ハルクに変身するため軍から追われることになったバナー博士の苦悩が物語の軸。次作から主人公・バナー博士の俳優が変更になっているため、エドワード・ノートン演じるバナー博士を見られるのはこれが最初で最後である。

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マーベル映画作品(MCU)フェイズ1のネタバレ解説・考察まとめ

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マーベルは2008年公開のアイアンマンを皮切りに、個々のヒーロー映画の世界を全てつなげてひとつの物語にするという試みを開始した。フェイズ1では中心となるヒーローたちのオリジンを中心に構成されていて、長い歴史のあるアメコミを初めて見る人にもわかりやすくヒーローが紹介されている。 MCUフェイズ1の作品同士・キャラクター同士の繋がりや時系列的な関係性について深掘りする。

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キャプテン・マーベル(MCU)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『キャプテン・マーベル』とは、アメリカ合衆国で2019年3月に公開されたスーパーヒーロー映画である。MCUシリーズとしては第21作品目。記憶を失った主人公ヴァースは、惑星ハラで暮らすエリート女性戦闘員である。任務の途中で訪れた1990年代の地球・アメリカでアベンジャーズ結成前のニック・フューリーと出会ったヴァースは、彼と行動を共にするうちに失った真実の記憶を取り戻し、自らの使命に気づくことになる。

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ジョン・ウィック(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『ジョン・ウィック』とは、2014年に公開されたアメリカのアクション映画。 監督はチャド・スタエルスキとデヴィッド・リーチ。 主演を務めたキアヌ・リーブスが製作総指揮も行っている。 引退した殺し屋が、大切なものを奪われたことで、たったひとりロシアン・マフィアに戦いを挑む復讐劇を描いており、R15+指定作品となっている。 ジョン・ウィックのアクションシーンが売りである。 日本版のポスター等で使われたキャッチコピーは「見惚れるほどの、復讐。」となっている。

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ストリート・オブ・ファイヤー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『ストリート・オブ・ファイヤー』とは、ウォルター・ヒル監督による1984年製作のアメリカ映画。ロックンロールを中心とした音楽が効果的に使用された、ミュージック・ビデオ感覚のアクション映画である。本国アメリカよりも、日本で熱狂的に受け入れられ、1984年の「キネマ旬報」人気投票では読者部門第1位を獲得した。リッチモンドの街を舞台に、ストリートギャング“ボンバーズ”に拉致されたかつての恋人を救うため、故郷に帰ってきたヒーローの活躍を描く。

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『アベンジャーズ/エンドゲーム』とは、2019年に公開されたディズニー配給・マーベル製作の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の続編である。本作は、宇宙最大のパワーを持つ6つの石”インフィニティ・ストーン”を集めたサノスがアベンジャーズのメンバーを含む、全宇宙の生命の半分を消滅させたところから始まる。人類を守るため、”キャプテン・アメリカ”や”アイアンマン”を筆頭に最強ヒーローたちが再び立ち上がり、史上最凶最悪の敵・サノスに逆襲(アベンジ)する。

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『パルプ・フィクション』とは、クエンティン・タランティーノ監督による1994年公開のクライム映画である。主演はジョン・トラボルタ、共演はサミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン等。アカデミー賞脚本賞とカンヌ映画祭パルムドール賞を受賞した。ギャングであるヴィンセントと相棒ジュールズは、ボスからの命令でスーツケースを取り返すべく、アパートに潜入する。3つの異なる犯罪エピソードから構成されており、ストーリーの時系列と映画の時系列が異なる構成が話題を呼んだ。バイオレンスと乾いた笑いに満ちた傑作群像劇。

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グランド・ブダペスト・ホテル / The Grand Budapest Hotelのレビュー・評価・感想

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グランド・ブダペスト・ホテル / The Grand Budapest Hotel
10

遊び心たっぷりで、スピーディな展開の奇妙奇天烈なお話

この映画は、ハリウッドと一線を画し、独特な映像世界を築く、奇才ウェス・アンダーソン監督が、目を見張らんばかりの造形美(特に左右対称の造形美)を存分に生かし、遊び心溢れた、心ときめく大人の童話に仕上げてくれましたね。

ナチズムや共産主義のパワーバランスに右往左往する、不安定な東欧の歴史に弄ばれながら、コンシェルジェとベル・ボーイの波乱万丈の物語が展開し、不思議な運命の巡り会わせの結果、気が付けばゼロ氏は雇われベルボーイからホテルのオーナーになって、めでたし、めでたしという摩訶不思議なお話でしたね。

とにかく、遊び心たっぷりで、スピーディな展開の奇妙奇天烈なお話に魅了された1時間40分でした。

グランド・ブダペスト・ホテル / The Grand Budapest Hotel
10

センス溢れる衣装と美術の世界。ウェス・アンダーソンの最高傑作!

ウェス・アンダーソン制作、監督、脚本作品。第87回アカデミー賞最多4部門受賞。

高級ホテル「グランド・ブタペスト・ホテル」のコンシェルジュ、グスタフ・H(レイフ・ファインズ)はホテルの常連マダムD(ティルダ・スウィントン)殺害事件の罪を着せられてしまう。刑務所を脱出したグスタフは、見習いコンシェルジュのセルジュ・X(マシュー・アマルリック)とともに事件の真相を探るのだが…

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、『ダージリン急行』の名匠ウェス・アンダーソンの作品とあって、著名な俳優が多く出演しているのが見どころです。主演のレイフ・ファインズから、ジュード・ロウ、エドワード・ノートン、ハ―ヴェイ・カイテル、シアーシャ・ローナン、エイドリアン・ブロディ、更に監督の作品に常連であるビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソンも、顔を出しています。映画批評サイトのロッテントマトでは、92%の高評価を獲得しています。
本作は、監督の持ち味であるミニチュアや色彩豊かな衣装、美術(アカデミー賞衣装賞、美術賞受賞)によって絵本のような温かみのある作風となっています。その画面の美しさだけでも、一見の価値ありです。ぜひご覧ください。

グランド・ブダペスト・ホテル / The Grand Budapest Hotel
10

グランド・ブダペスト・ホテル

この映画のタイトルやイメージ画像を見て何を思うかといえば、まず見た目のきれいさだ。この映画は100分間ずっときれいだ。まるで甘ったるいお菓子で出来ているようだ。だが、その中身はどこかブラックで不穏な空気が漂い、キャラクターのセリフや動作、描写にフッと笑ってしまうシニカルな滑稽さがある。
たとえば、ホテルを取り仕切るこの映画の主役であるムッシュ・グスタヴは、老婦人殺害の罪をふっかけられ監獄に放り込まれるのだが、同房の坊主で上半身裸の囚人(演じているのはハーヴェイ・カイテル)がおもしろい。彼は脱獄計画のため刑務所の見事な見取り図を描く。しかし、彼の体に彫られているタトゥーはどれも陳腐でまるで子供の落書きみたいだ。そういった描写になんだかフッと笑ってしまう。
また、ムッシュ・グスタヴ役のレイフ・ファインズは、これまでのシリアスな役柄と異なりダンディなんだけどどこか抜けたようなキャラクターを見事に演じていて、まさにはまり役だと思う(彼が崖から落ちかけるシーンがクソおもしろいのだけど、それはぜひ自分で見て確認してほしい)。
この映画の魅力の一つは息をつかせる間もないスピーディーなめくるめく展開なのだが、エンディングはそれまでの話が嘘のように(実際嘘だけど)突然訪れスパッと終わる。でも「人生そんなもんか」と納得できてしまう。好きな映画です。

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