東京ゴッドファーザーズ / Tokyo Godfathers

東京ゴッドファーザーズ / Tokyo Godfathersのレビュー・評価・感想

レビューを書く
東京ゴッドファーザーズ / Tokyo Godfathers
8

笑えて温まるストーリー

ホームレスのギン、ハナ、美由紀の3人は、クリスマスの夜クリスマスプレゼントを探しにゴミ捨て場を漁っていると捨てられた赤ん坊を見つけます。警察に届けようというギンと美由紀の2人の言葉を無視し、ハナはひとまず赤ん坊をダンボールハウスに持ち帰ります。ハナはおかまのホームレスで生まれた時から一人で、人一倍家族という存在に憧れており赤ん坊を置き去りにすることなどできなかったのです。ギンと美由紀もそれぞれ事情を抱えており、ギンは妻も子供もいながらギャンブルと酒に明け暮れ家を飛び出したのですが、今もなお2人のことを愛しており、一人娘のためになけなしのお金を貯めています。一方美由紀は、猫を捨てられた腹いせに警察官である父親を刺して、そのまま家出した女子高生です。ハナは赤ん坊を清子と名付け、本当の母親を見つけに行くと行って旅に出ます。ギンと美由紀も一緒に同行しますが、3人は旅の道中で出会う個性的な人たちや不思議な出来事に振り回されっぱなしです。しかし、それぞれの家族や愛する人たちとの結びつきや愛を再確認する旅ともなります。登場キャラクターはとっても濃く、コメディ要素が強いのですが家族の愛や奇跡を感じられる心温まる物語です。

東京ゴッドファーザーズ / Tokyo Godfathers
9

今敏監督のアニメ―ションはあまり知られていないのでぜひおすすめしたいです

アニメ映画監督今敏氏の手により、2003年に公開されたアニメーション映画です。
ホームレスの三人が赤ちゃんを拾うところから始まる本作は、今敏監督の代表作「パプリカ」に比べ、画面が非常に暗く地味です。パプリカが蜷川実花顔負けのファンタジックな夢の画面を数多く見せたのに対し、こちらは基本的に東京の下町が舞台で、しかもホームレスの三人の公園のねぐらなどでストーリーが進みます。また、パプリカの主人公は才能あふれる研究者であり、なおかつ美女だったのに対し、こちらはあまりお風呂に入れてないホームレスのおっちゃんとオネエと家出娘の三人なので基本的に華やかさはないといっても過言ではありません。しかしだからこそ、より身近さを感じることができ、登場人物もどこかで会ったことのあるような親しみを覚えます。また、彼らの周囲の人々もきわめて人間的であり、何らかの問題を抱えながら必死に生きています。三人が勝手なことばかりを言い争い、仲直りをし、それでも基本的に良心に従い少しずつ捨て子の親の情報へと近づいていく様は、自分や周囲の誰かに必ず重なります。映画開始30分後にはもう彼ら3人にたまらないくらいの愛着がわくはずです。
しかし何といってもこの映画の一番の推しはクライマックスのその一瞬です。静かで地味な光景がずっと続いてきたのはこのためだったのかもしれないと思わせるくらい、素朴でありふれて、しかし荘厳で美しい、救いと希望にあふれた本当に美しい一瞬を体験することができます。

東京ゴッドファーザーズ / Tokyo Godfathers
8

不思議な運で家族をもう一度結びつける。

あるクリスマスの夜、捨てられている赤ん坊を3人のホームレスが拾うことから物語は始まります。おじさんのギンちゃん、オカマのハナちゃん、家出少女のミユキの不思議な3人組は、拾った赤ちゃんを「きよこ」と名付けます。
夜が明けてきよこを捨てた親を探して東京中を放浪する中で様々な事件が起こります。

事件を通して、3人がホームレスになった理由とか、家族との再会が描かれていて、ものすごいバランスで人々がつながりあっているんです。

ホームレスをしている間はお互いに自分の過去とかを話してこなかったのに、とても信頼しているように見えて、人は新しい絆も作っていけるんだなと思います。
ギンちゃんなんて、仲間にすらホームレスになった理由を自分に都合の良い嘘でキレイな話にしていた。それがわかっても、どうしても憎めない。幸せになってほしいと、心から思う。もちろん、ギンちゃんだけじゃなくて、ハナちゃんやミユキにも幸せになって欲しい。

きよこが捨てられた経緯とか本当の親の元に帰れるまでが、奇跡的な出来事で紡がれています。きよこが本当に不思議な力を持っているんじゃないかと思えるほど自然に。

ホームレスと赤ちゃんが家族の元へ戻っていく再生を描かれているけど、ただの暖かい話じゃない。人間の情けない自己満足とかエゴとかも描かれている面白い作品です。
最後はハッピーエンドなんだけどね。