地球へ… / Toward the Terra

地球へ… / Toward the Terra

『地球へ…』とは、竹宮惠子による日本のSF漫画作品、およびこれを原作とした派生作品。新人類ミュウの長・ジョミーと旧人類の国家元首キース、二人の少年の孤独と葛藤を描いた作品である。
派生作品は1980年4月公開の劇場版アニメ、2007年4月から同年9月放送のテレビアニメ(全24話)、ラジオドラマ、スピン・オフ漫画。
第9回星雲賞コミック部門、第25回小学館漫画賞少年少女部門を受賞。

地球へ… / Toward the Terraのレビュー・評価・感想

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地球へ… / Toward the Terra
9

SF好きかつシリアス好きにはもってこいです

舞台は遥か未来の宇宙です。人類から進化したミュウと呼ばれる存在が生まれ、それを良しとしない人類側との戦いの物語です。
主人公の少年、ジョミー・マーキス・シンは成人の歳である14歳を迎え、成人検査というものを受ける所から話は始まります。
ミュウは人類ならば持ち得ない力と、とても長い生をもって人類から生まれてきた存在です。しかし、人類はその自分たちとは違う存在を認めはしませんでした。ミュウは徹底的に排除され、生き延びたとしても実験体にされていました。
そんな世界でミュウだと発覚したジョミーはミュウの集団の長、ソルジャー・ブルーに助けられます。一部のミュウ達は逃げ出すことに成功し、静かに息を殺して生き延びていたのです。
ジョミーはブルーの願いによってソルジャーを受け継ぎ、母なる大地、「地球(テラ)」を目指すことになります。しかし、「地球」への道は遠く果てしないもので、ジョミーは苦しむのです。
その一方で、人類側はAIの「マザーシステム」を元に人々を統治してきました。統治する側でさえ「マザー」に頼り切りで、「マザーシステム」こそが従うべき全てです。
その「マザー」により、ある1人の人間が誕生しました。まっさらで、人類、ましてやミュウにも犯されていないもの。純粋な存在です。彼は心を知らず、他人、友人という関係すら知らない存在。その彼がどう成長するのか、どうミュウと関わっていくのか、そして、ミュウに対してどういう判断を下すのか。