少女終末旅行 / Girls' Last Tour

少女終末旅行 / Girls' Last Tourのレビュー・評価・感想

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少女終末旅行 / Girls' Last Tour
8

無心で観られるが気づいたらのめり込む

人類がほぼ死滅し、文明が崩壊した都市で、チトとユーリという2人の女の子が祖父の言葉を頼りに都市の最上部を目指す話です。
2人乗りの小さなキャタピラ式の乗り物でひたすら、ひたすらに移動。
移動をしながら随所で、人類の残した食糧や燃料、有事に備えての銃弾を補給しながらただひたすらに都市を登ります。

道中、二人は生き残った様々な人に出会います。
たった一人で手書きの地図を書き上げようとする人、飛行機を開発して遠くへ飛ぼうとする人、果ては感情に芽生えつつあるロボットなど。
彼ら彼女らとの出会い、別れを経験しながら、人とは何か、戦争とは何か、生きるとは何か、というテーマの本質に迫ります。
単語だけ並べるとヘビーな話に思われがちですが、この作品は少女2人の織り成すゆるい雰囲気が雰囲気の重さを相殺してしまいます。
しかし、少女2人のやりとりから多くのことを考えさせられます。
人とは?戦争とは?生きるとは?

食事や娯楽などさまざまなものが飽和した現代では触れることのできないであろう少女二人の思考は必見です。
もともとはネット連載の漫画でしたが、人気のあまり単行本化に加えてテレビアニメ化もされました。
漫画はもちろんですが、テレビアニメ版もぜひ視聴してみてほしい作品。おすすめです。

少女終末旅行 / Girls' Last Tour
9

現代の闇と未来を見据えて

戦場から少女二人がケッテンクラートという、キャタピラ式のバイクのような乗り物で旅を続ける漫画(アニメ)です。
これだけ聞くと「どこに楽しい要素が?」と思いがちですが、人類が人類により滅びた世界で、たった2人「生きる事とは何か」「本当に大切なものとは何か」「教育とは」「大人とは」「世界とは」「考えるとは」「生きるとは」という、あらゆる現実に立ち向かい、それぞれ答えを見つけたり、見つけない事を選んだりする様はタイトルに反して非常に濃い内容です。

漫画も短いですが、アニメもショートなので観たいときに気軽に観られるロードムービーのような部分もある為、双方のいいところを取ったような作品です。
戦争で荒廃した世界が舞台で、軍服をきた少女が銃を使ったりサバイバル生活を送る。
そういう類が好きな方も「少女」である事を忘れる程見ごたえがある内容です。
また女性にもかなり入りやすい絵柄と、難しい事(考えれば考える程難しい、哲学的ともいえますが)は特にないので男女一緒に「世界の終末」について「生きること、大切なものとは」を改めて考えさせられる、良い作品です。

言葉が少ないこともあり、世界的にも発信して欲しいと願う秀逸な作品です。