機動武闘伝Gガンダム / Gガン / Mobile Fighter G Gundam / Mobile Fighting Legend G Gundam

機動武闘伝Gガンダム / Gガン / Mobile Fighter G Gundam / Mobile Fighting Legend G Gundam

機動武闘伝Gガンダムとは、1994年より地上波で放送されたテレビアニメ作品。
未来世紀60年、スペースコロニー間の代理戦争として行われるガンダムファイトを戦う、ファイターたちの成長を描く。
ガンダムシリーズの監督である富野由悠季以外の手によって製作されたアニメで、従来とのシリーズ作品との繋がりはなくなっている。

機動武闘伝Gガンダム / Gガン / Mobile Fighter G Gundam / Mobile Fighting Legend G Gundamのレビュー・評価・感想

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機動武闘伝Gガンダム / Gガン / Mobile Fighter G Gundam / Mobile Fighting Legend G Gundam
10

「代理戦争」としてのスポーツ

ガンダムシリーズをはじめアニメファンでこの作品を知らない人はまず居ないであろう、名作中の名作。もう既に本作の内容の面白さについては語られてきた気もするのですが、今回は少し違う切り口からこの「Gガンダム」を語ってみましょう。
それはタイトルにも書いてあるように「代理戦争」としてのスポーツという側面です。意外と「Gガンダム」を語る上でこの点ってあまりファンの間でも議論になることが少ないからかと思れます。
ここからはネタバレを含みますが、「Gガンダム」の世界観、舞台設定は「ガンダムファイト」という四年に一度地球をリングとして開かれるものです。本編ではこれはあくまで「代理戦争」であって「スポーツ」ではありません。故に戦いのためならどんな手段を使っても許されます。銃火器を初めとした武器を使ってもいいし、地形を活かして策を練って勝つのもありです。また物語後半の決勝大会では直接コックピットを狙ってもいいというルール変更までなされるなど、いわゆるこの時代に流行った他のスポーツ漫画、格闘漫画とはかなり違ったユニークな切り口の大会です。現実で言えば総合格闘技「K-1」に近いと言えるでしょう。
ガンダムシリーズ全体として見ると余りにも非合理的で馬鹿馬鹿しいと思われるシステムですが、しかしそもそも考えてみれば「スポーツ」とは人間の闘争本能、競争心を「ゲーム」として昇華し、戦争の代理として行わせ、国家同士の強さを競い合うものでしょう。実際ガンダムファイトという代理戦争は国家戦争で生じる罪なき人々の犠牲を出さないようにするためのものとして作られたという背景設定があります。
しかし、だからといってそれで問題の本質は解決するわけではありません。むやみやたらと人が死ぬことは避けられましたが、それでもやはり国家間の経済格差による実力の格差は縮まることはありませんし、また全身18m以上もあり人型ロボットを借りて地球で戦う以上、地形破壊や環境破壊を免れることは出来ず、結果として地球のあらゆる国、街が見る影もない位に荒廃しているという問題があります。それを解決するためにネオジャパンのカッシュ博士(主人公ドモンの父親)は「地球再生」を目的としてアルティメットガンダムを開発するのですが、これが裏目に出てデビルガンダムに変貌、「人類抹殺」という真逆の答えを導き出してしまう。最初は「善」を目的として作られた物が「悪」に変わってしまう。
本作を「ガンダムシリーズ」として、改めて見直すとこの「代理戦争としてのスポーツ」から生じる様々な問題が私たちに「何が正しくて何が間違いなのか?」を考えさせるきっかけにもなっており、決してただ強くなって戦って頂点に立つことというありがちなスポーツ漫画のセオリーに終始していないというところに本作の「ガンダムらしさ」があり、今見直しても十分通用する普遍性があります。勿論エンタメとして素晴らしい作品ではありますが、こういう観点からも是非一度ご覧頂きたい一作です。

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8

SFロボットアニメ感想

1994年から1995年にかけて放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、サンライズの看板シリーズといえるガンダムシリーズの中でも群を抜く異色作となっていて、世界各国を代表するガンダムが格闘大会を繰り広げるという少年漫画を彷彿とさせる展開で、主要キャラクターも少年漫画にいてもおかしくない雰囲気だったり、登場するメカもMSやMAといったお馴染みの存在もいる一方で影が薄く、大部分がモビルファイターと呼ばれるガンダムで、それらガンダムのデザインも各国を象徴としたユニークすぎるものが大半という具合に、従来のガンダムとは大きく異なる作風に旧来のファンからは反感を買ったのは事実ですが、主人公ドモンの師にして最強のライバルとなるマスターアジア登場以降から人気がさらに加速し、従来は戦争を扱っているためどうしえも陰鬱な空気になりやすかったガンダムの固定観念をいい意味で打ち破り、熱い展開が堪能できる作品となっています。
(当時チビッ子だった私も過去のガンダムはろくに知らなかったので、普通に面白いロボットアニメだった記憶があったので、作り手の狙いはおおよそ間違っていない…??)。
前述のように当初はファンを困惑させた本作ですが、以降のシリーズにも大きな影響を与えた転換期としてなくてはならない存在となっています。

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9

異色な熱血ガンダム作品

スレイド、グレンラガンと並ぶ漢の教科書と言われることもあるこの作品。正直、設定が無茶苦茶なグレンラガンと一緒にしないでほしいが…。
この作品は、ガンダムファンなら食わず嫌いしている人がかなり多いと思う。自分も学生のときはそうだった。しかし、いざ見ているとどっぷりはまってしまった。まず、一見熱いだけのアニメと思われてしまうが、以外と雰囲気に終末感が漂っていたり、主人公はクールだったりと見てみないと分からないことがある。そして、4クールもあるのに全く飽きさせないように上手く作られている。ただのガンダムファイトだけの物語ではないからだろうと思います。
キャラクターに関しても非常に魅了的で皆様々な背景があり、そしてそれぞれの目的の為に戦っているところが良かった。音楽は、田中公平のためもちろん素晴らしいのだが、導入の仕方も上手で盛り上がってたと思う。声優は本当に文句なし。叫ぶ演技は心に来るものがあった。ガンダムファンもそうでない人も見てほしい傑作だそしてキャラがとにかく良いです。
熱い主人公、個性的な仲間たち・師匠・魅力的なヒロインたち、シャイニングガンダムやゴットガンダムのデザイン。「俺のこの手がー」から始まる必殺技も格好いいです。

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9

地球がリングだ!相手もガンダムだ!

機動戦士ガンダムが今年で40周年を迎えようとしていますが、その間には様々なガンダム作品があり、新たな世界観・ガンダム像によるストーリーも多く展開されました。その転機となる記念すべき作品こそ、「機動武闘伝Gガンダム」なのです。
1994年に作られた当時は、いわゆる格闘ゲームが大ブームの真っ只中で、本作も世界中のお国柄を反映したようなデザインのガンダムが、操縦者(ガンダムファイター)の能力や動作をトレースし特徴を生かした対戦を行います。
主人公はドモン・カッシュで、トーナメントで勝ち上がりながら行方不明の兄を追います。戦いを通じてドモンは対戦者達と心を開き、やがて自分の師匠マスターアジアの陰謀に立ち向かうなか、謎のファイターシュバルツとの邂逅を経て「明鏡止水」の境地に達します。しかしマスターアジア操るマスターガンダムとの激戦にて乗機であるシャイニングガンダムが大破。絶体絶命のピンチに空から球体が現れその中から新たな機体、モビルファイターゴッドガンダムにドモンが乗り込みマスターを撃退します。決戦の地ホンコンには勝ち抜いてきた猛者が揃い、ドモンを苦しめます。そこで出会う美少女ファイター・アレンビーとの奇妙な友情と秘めた謎、ホンコンの首相ウォンとマスターアジアの暗躍、果たしてドモンは戦いを制しガンダム・オブザ・ガンダムの称号を得られるのか、さいごに控える「究極のガンダム」の正体とは、戦いしか知らぬドモンの心を満たすものとは、それではガンダムファイト・レディー・Go!!