平沢進 / Susumu Hirasawa

平沢進とは、テクノポップを得意とするミュージシャンである。
1979年にP-MODELを結成し、「テクノ御三家」のうちの1つとして当時のテクノポップブームを牽引した。1989年にソロデビューし、その後は個人にて活動。
「レーザーハープ」や「テスラコイル」など、個性的な楽器を用いたライブパフォーマンスや観客の反応や選択により進行が変化していく「インタラクティブ・ライブ」の実施など、常に先進的な試みを行ってきた。
また映画『パプリカ』の主題歌である「白虎野の娘」は第79回アカデミー賞歌曲賞のノミネート候補となるなど、国外からの評価も高い。
電子音が幾重にも重ねられた重厚なサウンドと、抽象的だが示唆に富んだ歌詞が大きな魅力である。またVOCALOIDにいち早く可能性を見いだし、上述の「白虎野の娘」にも利用するなど、楽曲制作を通じて様々な試みを行っている。
米津玄師や今敏など、他のアーティストやクリエーターに大きな影響を与えた人物としても知られている。

平沢進 / Susumu Hirasawaのレビュー・評価・感想

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平沢進 / Susumu Hirasawa
8

何も考えずに聴くのがオススメ

P-MODELのバンド活動からからソロ活動へと転換した平沢進。ソロ活動での曲数は137曲もあり、数々のアルバムを出している。時にはタイからインスピレーションを受けたアルバムもある。どの曲も歌詞は難解であり、直ぐに意味は理解は出来ないが、曲と彼の落ち着いた声に惹かれる。何も考えずに聴くのがオススメだ。
ライブもまた独特である。インタラクティブライブと名付けられたそのライブはストーリー性があり、その物語の結末を握るのは観客達なのだ。いくつかエンディングがあるのだが、どれもユーモアのあるエンディングとなっており、初めてインタラクティブライブに参加したとしても、とても楽しめる内容となっている。しかし、そのストーリーでさえ、難解である。
そして、彼はレーザーを用いたレーザーハープや、高電圧の稲妻を使ったテスラコイルなど、独特な楽器を使って演奏をする。他のアーティストではあまり見られない、名前すらない謎の楽器が沢山登場するのだ。もちろん、こんな楽器ばかりではなく、ギターも弾く。彼のギターソロは既に還暦を迎えている人間とは思えない演奏である。ぜひ、彼の曲と演奏を聞いて欲しい。

平沢進 / Susumu Hirasawa
9

23世紀の宗教の教祖

「23世紀の宗教の教祖」。これは2021年フジロックフェスをご覧になっていた方が初めて平沢進を目にした際に発した、平沢進を見事に表した言葉です。
平沢進のファンのことを「馬の骨」と呼びますが、馬の骨の方々もこのご意見には概ね賛成しています。むしろ平沢進の楽曲に心を奪われた様を自身も体験しているから、「宗教の教祖はある意味正しい」とさえ言っています。

本来の楽曲とは別に、実はプロレスラー長州力の入場曲(別名義)や『NHKのみんなのうた』、映画楽曲など幅広い活動をされている方でもあります。
またメジャーデビューしているアーティストとして初めてダウンロード配信をしたり、90年代にすでにライブ配信をしていたりします。初音ミクが大々的になる以前から人工音声ソフトを楽曲に組み入れたり、デジタル及びテクノロジーに対しての先見の明があるのです。(そのためかツイッターも自身のサイトもそれなりの更新頻度があります)

平沢進は現在70近いご年齢で、始まりはテクノでしたが、現在はボーダーレスな楽曲が多くあります。
楽曲自体も独特で、音楽に合わせて詩を作るタイプのためか、意味が分からない歌詞になることもあります。
かなり「音」大事にしているアーティストです。

平沢進 / Susumu Hirasawa
10

日本一のマイナーミュージシャン

1970年から音楽活動をはじめ、なぜか時代を経るごとに人気を博してきている奇妙なアーティスト。テクノミュージックをベースとしつつも、アジア音楽、ストリングス等を駆使して、異色かつ異例な音楽を作り続けている。
元はP Modelというバンドを組んで活動していたが、1989年にソロデビューしてからは、基本的にソロ活動がメインとなっている。また、コンピュータ、インターネットという手段を1990年代から駆使し、音源の配信やファンとの交流、プロモーションを行ってきた、時代を先行く数少ないアーティストだ。
その歌詞は難解とされているが、それは簡単に言語化できるようなものを音楽として制作していないヒラサワのポリシーからきている。その難解さが新たなファンを呼び、時代を追うごとにヒラサワのファン、通称馬の骨は増え続けている。
その要因として、ヒラサワが常に『自分は自分であれ』『世界に惑わされるな』と歌ってきたことがある。自分というもの、真実というものがぼやけて見えなくなっている人たちにとって、ヒラサワの音楽は救いであり、曲名を引用するのであれば『回収船』となっているのであろう。そして、回収船に乗った人たちを連れて、ヒラサワは嵐の中へと船を進めていく。嵐を抜ければ、ハードランディングが待っている。

平沢進 / Susumu Hirasawa
9

歌詞、メロディ味わったことのない世界観を覗いてみたいあなたへ。

プロレスラー長州力さんの入場曲「パワーホール」はご存知でしょうか。テレビ番組でも使用される有名な曲なので皆さんもどこかで一度は耳にしたことがあると思います。電子音が奏でるポップかつキャッチーなフレーズは入場曲としてリングを盛り上げます。ご紹介する平沢進さんはこのパワーホールの作曲者です。メジャーデビューは1997年でP-MODELというバンドのボーカルを努めました。プラスチックス・ヒカシューと並びテクノ御三家と呼ばれています。初期はプログレッシヴ・ロックを感じさせる技巧を凝らしたメロディーが特徴です。時代が進むに連れポップなテクノサウンドを使用したバンドへと変貌していきます。この変遷にも歴史があり、WikipediaなどでP-MODELを検索するだけでも彼の音楽に対する姿勢を伺い知ることができます。ちなみにかきふらい氏による漫画「けいおん!」の主要キャラクターたちはこのP-MODELのメンバーの名前をとって名付けられたといわれています。
そんなP-MODELを1988年12月に「凍結」と称して休止します。翌1989年平沢進はソロ・アルバム「時空の水」をリリースします。ソロデビューから彼は先進的な試みを行っています。例えば1999年には早くもインターネット上にてMP3形式で新曲を配信しました。その他にも太陽光発電を使用したライブやライブにストーリーを付与し観客の歓声などの行動によってそのストーリーが変化していく「インタラクティブ・ライブ」と呼ばれる他のアーティストではなかなかお目にかかれないパフォーマンスを味わうことができます。
ここまで彼のやってきた事を記してきましたがソロデビュー以降の彼の楽曲の特徴を紹介します。彼の音楽はストリングス、ギター、ファルセット、多重録音を多用するまるでオペラのようなロックのような"平沢進"という一つのジャンルとして表現することしかできない楽曲群です。しかしそのどれも整合性があり芸術的とさえいえる緻密さが溢れ出ています。一旦彼の楽曲にハマッてしまえばまさに沼の深みへ沈んでいく事になるでしょう。さらに彼の綴る歌詞は非常に難解です。彼の楽曲のタイトルで検索すると大抵「〇〇 意味」「〇〇 考察」と候補に出てきます。聞いた方たちがそのように検索せざるを得ない程に一度聞いただけでは全くその意味を理解することが難しいのです。歌詞の世界観はSF、社会風刺、人と人との繋がり、死生観などを感じることのできるある一種ポエミーなものです。難解ではありますが、メロディーにバッチリと合致する言葉遣いがむしろ耳馴染みを良くしています。考察好きの方にもおすすめできるのが平沢進です。
ここまでで書ききれない彼の歴史、魅力はまだまだ沢山あります。他のアーティストたちとは全く違う新しい世界を覗いてみたい方は是非彼の音楽を聞いてみてください。どこかで視聴して少しでもピンとくることがあれば幸いです。

平沢進 / Susumu Hirasawa
10

最高の歌声

自分が平沢進様の曲が好きになったきっかけは、今から17年前に友人から頂いたゲームの「ラグナキュールレジェンド」と言うプレイステーションのゲームからでした。オープニング曲が平沢進の星を知る者と言う曲で、なんて最高の歌声だとすごく感動したのを覚えています。素敵な曲に巡り会えたと当時は学生ながら思い、平沢進のことはまだ知りませんでした。平沢進の曲だと知らずに数年が経ち、たまたまYouTubeなどの動画サイトで白虎野の娘と言う素晴らしい曲に出会い、平沢進の曲だと知りました。そして調べていくと、学生の頃のラグナキュールレジェンドのオープニング曲、星を知る者を平沢進が歌っているのだと知ったときは強烈に運命を感じました。平沢進にかなり興味を持ち、調べるとなんとなんと曲がたくさん検索に出てきて驚きました!なぜ知らなかったのかと後悔しました。でも無理もありません。彼は表舞台にはあまり顔を出さないのですから。でもライブもまあまあの回数やっていることを知り、DVDもほとんど購入して楽しんでいます。いつか近くでライブをしてくれないかと思う日々です。ですが平沢進はかなり歳を召されてします。贅沢を言えば生歌を聴きたいと強く思うほど大好きです!

平沢進 / Susumu Hirasawa
9

人生で一度は聞いてほしい

端的に言えば「合う人にはとことんハマる、合わない人は火傷する」、そんな感じの独特なアーティストです。
テクノポップという、日本ではあまり馴染みがないジャンルなのですが、一度聴いたら頭に残り続けるでしょう。

1979年に、バンド「P-MODEL」でデビューし、そこからソロ活動も並行して行い、声優の宮村優子さんなどに楽曲提供をしたり、異母犯抄(いぼはんみょう)という名義でプロレスラー長州力の入場曲『パワーホール』も手掛けています(しかし、平沢本人は乗り気ではなかったらしく、怒りながら作曲したのだそうです)。

アニメ作品の楽曲も手掛けており、映画『パプリカ』の『白虎野の娘』や、アニメ『ベルセルク』の『Forces』、『灰よ』などは聞いたことがあると思います。
楽曲だけではなく平沢進本人も癖のあるキャラで、ファンの事を「馬の骨(もちろん愛称です)」などと呼んだり、ファンはファンで平沢を「師匠」と呼んで崇めています。

私個人の意見としては、平沢進師匠の楽曲は先に書いた『白虎野の娘』や『金星』などが初心者向けだと思います。
P-MODELとしてのデビュー曲の『美術館で会った人だろ』でも良いのですが、聴いてみると分かると思います。最初に聴くにはあまりお勧めできません。
私のお勧めは『牧師KING』と、核P-MODEL(簡単に言うと平沢による、一人P-MODEL)の『Big Brother』です。

このレビューがあなたの音楽が豊かになるきっかけになれたら嬉しいです。

平沢進 / Susumu Hirasawa
10

癖になる不思議な歌の数々。

1973年からプログレッシヴ・ハードロックバンドのマンドレイクで活動し、1979年にP-MODELのヴォーカル・ギターとしてメジャーでデビューした。
1989年以降はソロ活動も行っている。
また、『DETONATORオーガン』、『剣風伝奇ベルセルク』の挿入歌、『妄想代理人』、映画『千年女優』、『パプリカ』等のアニメ作品の音楽も作詞作曲している。
彼の作る曲はどれも独特であり、奇想天外な物が多く、一度聴くと耳に残るようなメロディーと歌詞が特徴的だ。
歌の歌詞に出てくる単語、言葉は理解出来るが、それらが連なり、歌詞となると、途端に理解が追い付かなくなる。
代表的な作品は、前途の『妄想代理人』の主題歌でもある『夢の島思念公園』、映画『パプリカ』の主題歌『白虎野の娘』、同作品挿入歌の『パレード』等がある。
どれもメロディーは壮大であり力強く、歌詞は難解だ。
もし、彼の曲を初めて聴いてみようとするのであれば、『金星』辺りから聴いてみては如何だろうか。
ゆったりとした、どこか民族曲を彷彿とさせるメロディーは聴いていて心地好い。 『Lotus』も聴いてみて欲しい。
壮大に広がる、勢いのあるメロディーは素晴らしく、歌詞も比較的理解がしやすい。
これらが気に入ったのなら、『パレード』、『夢の島思念公園』等も聴いてみて欲しい。
是非、クセの強いメロディーと難解な歌詞の虜となって貰いたい。

平沢進 / Susumu Hirasawa
9

平沢進の魅力

平沢進さんの曲はとにかく壮大で、とても不思議な曲を多く作る方で魅力しかないです。歌詞の意味など普通の人には全然分からないようなそんな歌詞なんですけど、とても魅力のある曲ばかりで凄く中毒性があり、1度聴いた人は中毒になる人は少なくないと思うし海外の人が聴いているようなことも聞いたことがあって、様々な人に聴かれていていろんな人から評価されいて凄い人で魅力が本当にあるついつい聴いてしまう曲が沢山あって、アニメなどのオープニングなどにも使用されていたり、色々な場所でも結構活躍されていて、特にパプリカという映画のパレードという曲はオススメで、明るいような曲なんだけれど少し怖い感じもあり鳥肌が立つぐらいとても惹かれる曲で、不思議でとにかく迫力があって作業中の手も止まってしまうぐらい聴き入ってしまい、平沢さんの曲1つ好きになるとほかの曲も絶対好きになると思います。1つ1つの曲が壮大で迫力があるので1曲聴いただけでもひとつの映画を見た気分になれて満足感が凄いです。壮大でカッコイイ曲が多くあるので壮大な曲や中毒性のあるが聴きたい人や聴いたことない人は是非とも暇な時に一度聴いて良かったらいろんな曲を聴いて欲しいです。

平沢進 / Susumu Hirasawa
10

音楽に革命旋風を巻き起こす男、平沢進

平沢進とは一体どんなミュージシャンなのか。
言葉に表すことが非常に難しい。
だが、一つ言えるのは、彼の作り出す音楽は、単なるアニメソング・映画音楽・娯楽音楽を超越している。
彼が紡ぎ出す”電子POP”は、聞いた者の心に響き、また感動を与えるのである。
既に記述したが、彼の音楽は観賞用音楽だけではなく、アニメや映画作品でも使用されており、
更には海外でも有名なアニメ作品にも使用されているのである。
彼の音楽活動自体は、何十年も前から行われており、その時から独自の音楽性を披露している。
また、仏教や宗教・多文化や政治問題に音楽を通して訴えるものが多く存在する。
例を挙げるなら、彼のアルバム「Sim City」はタイ、シングルで過去曲のアレンジを施している「ステルスマン「原子力」」では福島原発、「Louts」では仏教における輪廻転生がある。
また、多くのミュージシャンは、過去の作品を再収録することが今ではかなり少ないのだが、彼は自身の過去の作品にも焦点を当て、時を経てアレンジを加え、ファンの前で披露する。
それは新しいファンだけではなく、当時世代からのファンの心を掴んで離さない。
彼のライブは年々、チケットを取ることが難しくなっており、それだけ新規のファンや古参のファンの心に入ってくる音楽を紡ぎ出しているのだ。