有頂天家族 / The Eccentric Family

有頂天家族 / The Eccentric Family

2013年に放映されたアニメ。
原作は『四畳半神話大系』、『夜は短し歩けよ乙女』の森見登美彦。3部作となる予定の「たぬきシリーズ」である。キャラクターデザインは『さよなら絶望先生』の久米田康治。
2013年には漫画化、2014年には舞台化された。
豪華なキャストと丁寧な描写で根強いファンがついており、2017年4月9日より第2期である『有頂天家族2』が放送開始する。

有頂天家族 / The Eccentric Familyのレビュー・評価・感想

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有頂天家族 / The Eccentric Family
10

面白きことは良きことなり

森見登美彦先生原作の小説のアニメ化作品で、物語の主人公はなんと狸!
京都を舞台に狸と天狗と人間が生きる様を描いた物語で、それがとにかく面白い。

狸が人間やら電車などに化けたり、船が空を飛んだりするので和風ファンタジー作品なのかと思いきや、森見先生の作品は「マジックリアリズム」というものに分類されるらしい。
ごく当たり前に不思議な出来事が起き、誰もかれもがそれを「当たり前」と受け入れる。
森見先生独特の古風かつヘンテコな言い回しも相まって、実に不思議な世界観となっている。

阿呆なドタバタ騒動がメインとなるのだが、物語の主軸となるのは「家族愛」。
主人公の狸たち四兄弟は周りから出来損ない扱いをされていて、それでも家族仲良く呑気に平和に暮らしていたのだが、父親の死をきっかけに関係に溝が出来てしまうのだ。

バラバラになってしまった家族。父親の死の真相。
次第に明らかになっていくそれぞれの思いと絆。
笑ったり泣いたりとにかく忙しいのがこの「有頂天家族」。

ちなみに私の一押しのキャラクターは次男、下鴨矢二郎。
彼は狸でありながらとある理由から長らく蛙の姿に化けていた為、元の姿に戻れなくたってしまったのだ。
狸なのに蛙。蛙なのに狸。
彼ら狸の言葉を借りると「面白きことは良きことなり」と言った感じだ。

有頂天家族 / The Eccentric Family
9

アニメ・有頂天家族

アニメ・有頂天家族がおすすめです。原作は森見登美彦さんの小説「有頂天家族」で、全3巻で完結する予定で、現在2巻まで出版されています。アニメは、2期まで放送されていて、それぞれ1巻、2巻を基にしたアニメになっています。
京都を舞台に名門の狸の家に生まれた主役の下鴨家三男・下鴨矢三郎が人間に狸鍋にされて食べられてしまった父・総一郎の代わりに遺志を継いで狸のてっぺんになるべく総選挙に立候補し、ライバルの夷川家の頭領である夷川早雲と対立していく長男・矢一郎、普段は古井戸の底でひきこもり状態の次男・矢二郎、まだ幼くて上の兄たちより人間に化けるのが下手で、驚くとすぐ元の狸の姿に戻ってしまう四男・矢四郎と共に父の死の真相を調べていく途中で父を狸鍋にした謎の会合「金曜倶楽部」の存在を知る。
4兄弟も鍋の具として狙われながら、狸界の頭領を巡る夷川家と下鴨家の対立、対立する前は矢一郎の許嫁だった夷川海星との恋愛模様などを軽快に描く。舞台となる京都の実際にある寺社や名所が出てくるので聖地巡礼ファンも多い。
原作同様、アニメも3部作になるのではという推測がファンにはあり、3期の放送が期待されるところであるが、噂にはよく上がるものの、現在はまだ放送予定は出ていない。

有頂天家族 / The Eccentric Family
8

面白い事は最高

森登美彦の小説を原作としたアニメです。
京都を舞台に繰り広げられるお話。
登場人物達は、狸と天狗と人間。一癖も二癖もある者?動物?達ばかりです。
中心と言えるキャラクターは、人間でありながら天狗よりも天狗らしいと言われる美女、弁天と下鴨神社の糺の森に住まう狸、下鴨矢三郎です。
狸でありながら、弁天に惚れている矢三郎がとにかく健気で可愛いです。
しかし、弁天は矢三郎達兄弟の父親を鍋にして食べた金曜倶楽部と言う組織のメンバー。
自分のやりたいようにする自由な弁天。それに振り回される矢三郎。
しかし、カエルに化けたままで戻れなくった矢三郎の兄、矢二郎の井戸に座って静かに泣く弁天は何を思って泣くのだろう、と切なくもなります。
真面目一徹の長男、矢一郎も父の後を継ごうと懸命に頑張り、誰よりも優しい末っ子である矢四郎もとにかく癒し系です。
そして、兄弟みんな優しく強いお母さんが大好きで大切にしています。
その下鴨家の母に横恋慕をしていた矢三郎達の叔父である夷川早雲。
弁天を誘拐し天狗の神通力を授けた張本人である大天狗、赤玉先生。
見ていて、とても飽きません。
そして、この話は未完です。
アニメの最後、矢三郎は寝ている弁天の髪を撫でながら「狸であったら、駄目なのだ」と思います。
人間と狸。
どれほど弁天の事を想っていたとしても、矢三郎には救えないものがあるのでしょうね。