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toeのレビュー・評価・感想

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toe
10

toeというバンド、自由な形

Gt 山嵜廣和、Gt 美濃隆章 Ba 山根さとし Dr 柏倉隆史 4人組ポストロックバンド。
ライブには都度サポートメンバー、楽曲に参加しているアーティストも登場する自由なスタイルで文字通り音楽を楽しんでいる。
toeは多様な業界からの支持が強い。それを裏付ける演奏力はさることながら、メンバーそれぞれがバンド活動とは違う顔を持っていることも有名な話です。
山嵜氏は空間、インテリアデザイナーで、CM音楽制作も行なっている。SNSでは何やってる人なのか分かりづらい。美濃氏はレコーディングエンジニアであり、自身のバンドのrecording・mix・masteringを担当し、bonobosやゲスの極み乙女。など有名バンドのレコーディングエンジニアも担当されている。この時点でtoeというバンドが只者じゃないと分かるでしょう。山根氏はファッションデザイナーであり、クロックスの立ち上げにも参加している。アウトドア用品の店舗ディレクション、バイヤーとして活動されていて、世界を飛び回っている。柏倉氏はスタジオミュージシャンとして数々の作品に参加されている。the HIATUSのドラマーとしても活躍されています。木村カエラ、ももクロ、坂本真綾など多ジャンルの楽曲参加、サポートドラマーもこなしている。そんな彼らが一つになってtoeライブチケットは即SOLD OUT、海外からの多くの熱声を浴びている。
どのCD、曲が良いとか、お薦めという押し付けはしません。聴くべきだと思っているから。文字では語りきれないから音楽は面白い。

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10

日本が誇る!!ポストロックバンド 世界に轟く静寂から激情の旋律

横浜発、2000年結成から令和も走り続ける世界が歓喜したインストロックバンド、toe。
世界中でツアーをする数少ない商業的に成功している日本のロックバンドなのに、全員バンド以外の本業がある異色で孤高の存在。
ボーカル曲は数曲あるが、殆どがゲストボーカルを迎えながら珠玉の作品、ギターの山嵜廣和(やまざきひろかず)が歌うナンバーも哀愁とスタイリッシュが絶妙に絡み合った作品に仕上がっている。
ギターの美濃隆章は本業がレコーディングエンジニアなのでレコーディングは全作品がtoe自身のセルフプロデュース。
ドラムの柏倉隆史はプロのスタジオミュージシャンで腕前はプロ中のプロと言っても過言ではない。
大げさかもしれないが柏倉隆史のドラムを聴きにLiveに足を運んでも聴く価値のある、日本を代表するドラマーが在籍するバンド。
ギター二人の主旋律とリフが行き来する8ビート、ドラムの存在感が溢れ出す16ビート、無駄を削ぎ落とし稀に積極性が唸る4ビートのベース。
CDのコンパクトな仕上がりは耳触りが良く、Liveの圧倒的グルーブ、Live用のアレンジ(ツアーごとに細かいアレンジの違いあり)は眼前で鳴り響くリアルな音楽を体感できる。
ワンマンライブは本数は多くないが国内のフェスにも毎年、多数出演しているので一聴の価値はありすぎるので、是非ともご視聴あれ!!

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10

toeの新しい境地

toeというバンド名を聞いて、おそらくピンとくるのは音楽を普段かなり聴き込む人だけだろう。
彼らは日本のバンドではあるが、国外からも圧倒的な支持を集めている。メンバー全員がtoe以外にも様々な活動をしていることでも知られているが、そんな彼らが2018年、完全なるオリジナルミニアルバムを世に放ったのだ。
言わずと知れたロックバンド・ブラックサバスのカバーは無論かっこいいのだが、私自身が最も感銘を受けたのは『F_A_R』という曲だ。
ピアノによる単音のフレーズから始まるイントロは、なんとも言えない不気味さと怖さを醸し出している。
そして次に来るのはVo.Gtの山㟢氏による切ない歌声だ。
その歌声は日本語のリリックに乗せられているのだが、今までのtoeらしくてtoeらしくもない不思議なものとなっている。
とにかく日本語の要素が強いのだ。今までは英語で綴られる歌詞が大半だったのだが、圧倒的日本語の分量。
「メロディを殺シタ 手を誓う 見栄の美を模した LIEを割く」
これがサビの歌詞である。日本語のもつ抽象的さとヒップホップの持つ韻を踏むという行為をミックスしている歌詞だと言える。
これにより歌詞がいったいどういうことなのか?というオーディエンスの好奇心を掻き立てることも出来るし、抽象的にすることにより歌詞の持つ状況や世界観を固定化しないため、より多くのオーディエンスを感情移入させやすい。

まさにこの曲は限られた時間の中で表現が持つ可能性を示していると言えるのではないか。