ギルバート・グレイプ / What's Eating Gilbert Grape

ギルバート・グレイプ / What's Eating Gilbert Grape

『ギルバート・グレイプ』とは、原題は『What’s Eating Gilbert Grape』で、同名小説の映画化。ジョニー・デップと、レオナルド・ディカプリオが共演している、1993年のアメリカ映画である。
知的障害を抱えた弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)と、夫を亡くした事で過食症となり、病的な肥満になってしまった母親。
退屈な田舎町で家族を支えるギルバート(ジョニー・デップ)が、ある日ベッキーという女性と出会うことで自分自身を見つめ直し、心の揺れ動きと成長を描いた物語。

ギルバート・グレイプ / What's Eating Gilbert Grapeのレビュー・評価・感想

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ギルバート・グレイプ / What's Eating Gilbert Grape
7

レオナルド・ディカプリオの演技に陶酔

かなり前に視聴した映画なので、話の内容は少し忘れている部分もあります。
ジョニー・デップが主人公のギルバートを演じています。温かいけれどどこかほろ苦い家族のストーリーを淡々と綴っています。何より素晴らしいのが、知的障害を持つ弟役を自然体で演じていたレオナルド・ディカプリオの演技です。

あらすじは地方に住む田舎の青年が弟も含め肥満の母の世話をして毎日を過ごし、不自由な暮らしをしていたところ、地元外からやってきた女の子と知り合い心を通わせるという物語になっています。

派手なシーンはありませんが、ギルバートの心の内側に重点が置かれているので、ギルバートに共感ができれば物語に入っていきやすいかと思います。
また、レオナルド・ディカプリオ演じる弟の存在が映画の中で非常に重要で、物語の起爆剤となっています。ディカプリオはこの作品でアカデミー助演男優賞を受賞しています。ディカプリオの演技だけでも一見の価値ありと思います。

この後はネタバレになるかもしれません。ギルバートは女の子に一緒に田舎を出ようと誘われましたが、結局家族のために町を出ることを断念します。その決断に対して、「自分が同じ立場だったらどうするか?」と少し考えさせられる映画でもあります。

ギルバート・グレイプ / What's Eating Gilbert Grape
8

青年の旅立ちを描いた名作!

この映画は、若きジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが共演したことで有名な映画です。
この頃のジョニー・デップはどこか道を踏み外してしまいそうな、危うい雰囲気がありますね。
それが、引き付けられるというか、守ってあげたい気持ちにさせられます。
そして、天使のようなレオナルド・ディカプリオ!! めちゃくちゃ、かわいいです。
現在の男気溢れるレオ様もいいですが、繊細でイケメン少年の姿もたまりません!
この二人が兄弟役として出るのですから、つまらないわけありませんよね?
ストーリーは、アイオワ州の片田舎に暮らす一家の物語になります。
兄のギルバート(ジョニー)は、田舎でくすぶっている青年です。
父はとっくに他界しており、過食症の母親と年頃の妹、そして知的障害をもつ弟アーニー(レオ様)の暮らしを地元の小売店で働きながら支えています。
そんな時、田舎町に一台のキャンピングカーが故障して辿り着きます。
その車に乗っていたのは、聡明な少女ベッキー。
ギルバートは、新しい風を心に吹き込んでくれるベッキーと出会い、変わっていきます。
自分のアイデンティティに疑問を持ち、新しい世界に飛び込んでみたいと強く思うようになっていくのです。
しかし、それは家族との別れに繋がっていくのでした。
続きはぜひ、鑑賞してみてください。

ギルバート・グレイプ / What's Eating Gilbert Grape
9

素敵な映画

閉塞感が漂う寂れた田舎町。
そんな場所で自らが望むものを考える余裕もない程に、家族というしがらみに囚われながら生きるギルバート。
そのような生活を送る中で、ベッキーという女性に出会い、彼の心の中には今まで体験したことのなかったような新たな風が吹く。しかし、知的障害がある弟や過食症の母親を置いて、どこかに一人で行くことなんてできやしない。そんなギルバートの内なる葛藤からか、家族の間にもぎくしゃくした雰囲気が漂う。それでも、グレイプ一家はお互いへの愛情を決して見失わなかった。これは素晴らしいことだと感じた。
母親が静かに息を引き取るシーンからは、家族の重荷であった自分から子供たちを解放させてあげたいという最後の願いを感じてしまって、涙した。その際に、もう二度と息を吹き返すことがない母親に声をかけるレオナルド・ディカプリオの演技は、本当に凄まじい。そして、母親を決して恥にはさせないとギルバートは家に火をつける。子供たちは、どのような思いで我が家が炎に包まれる姿を見つめていたのだろうかと考えずにはいられない。

ラストはハッピーエンドで本当に良かった。救われた。いつも真っ直ぐで手がかかるアーニーとともに暮らしていくのは決して容易いことではないけれど、ギルバートとなら絶対大丈夫だろうなという安心感を与えてくれた。

比較的淡々と物語が進んでいく本作だが、じわじわと心に届くものがあり、良かった。

心優しくてベリーショートがとても似合う、ジュリエット・ルイス演じるベッキーが本当に綺麗で可愛らしくて大好き。