メメント / Memento

メメント / Memento

映画『メメント』は2001年に公開されたアメリカのサスペンス映画である。クリストファー・ノーラン監督が名を知らしめた代表作になっている。主人公レナード・シェルビーは強盗に襲われ、妻を殺害される。その際に頭を負傷し、10分しか記憶が持たない病気になってしまう。復讐のため、写真や自分の体にメモに記憶を刻みながら犯人をさがす。時間を遡りながら物語が進む難解な映画となっている。

メメント / Mementoのレビュー・評価・感想

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メメント / Memento
8

難しい映画・サスペンス好きには最高の映画

メメントはクリストファーノーラン監督のサスペンス映画です。
2000年の映画で少し古いのですがまったく昔くささを感じさせない映画です。
まずこの映画は1回観ただけでは理解できないのと、かなり集中してみないとストーリーや順番がまったくわからなくなりつまらなくなるので、
2時間集中できる時に観る事をおすすめします。
主人公のレナードは記憶が10分しか持たない病気で、かつて妻をレイプして殺した犯人を捕まえて復讐をする事を誓います。
しかしレニーは記憶が10分しか持たないので聞いた事や見た事をメモに残し、
特に重要な事は自分の体にタトゥーとして残していき、犯人の真相に近づいていくという内容です。
この映画の最大の特徴が時間軸が逆行して物語が進んでいくというところです。
最初はなんと犯人に復讐をした場面から始まるのです。
カラーは逆行、モノクロは順番通りとなっており、その二つが交差するように物語が進んでいきます。
まるで違う映画を二つ同時に見ているかのような作品です。
何度見ても難しいなと感じる映画ですが一度見たあとに解説を見て、その後もう一度この作品を見る事によってこの映画の良さが再確認できると思います。
なんといっても最後の結末は衝撃を受ける事間違いなしの作品です。

メメント / Memento
7

みんなに利用されててかわいそうだった。

記憶が10分しか持たない男がみんなに利用されていてかわいそうでした。最初は彼のために犯人を探してくれた刑事でさえ、これはいい殺し屋ができたとばかり、彼を使っていて、ひどいなと思いました。ほんとにこんなことになった場合、どうするのが正解なのでしょうか。彼は体に刺青をしたり、メモの場所も見失わないように努力してたけど、それでもダメだったし、ほんと大変です。でも、なぜ彼が復讐が終わった時、それを刺青にしなかったのか、それが分かりません。そうすればこんな複雑なことにならなかったのにと思います。刑事の最後も悲惨なものでした。自業自得といえばそれまでだけど、友達でもあったわけでそのことを思うとちょっとかわいそうかなとも思います。なんか、つい魔がさして、悪に落ちてしまうことはありますから。サミーの話も怖い話で、その真実がかなりきつかったです。本作は時系列順になっておらず、見ていてこんがらがるものでした。それがまた、面白くもあるのですが、一回だけでは分からないと思います。主人公と一緒にメモをとりながら見たら面白いかもしれません。モノクロを効果的に使ってもいて、技巧的な映画でもあるなって感じです。

メメント / Memento
10

過去にもこれからにもない傑作

クリストファーノーラン監督の昔の作品なのですが、さすがはノーラン監督といったとにかく引き込まれる作品です。
まず、健忘症で10分間ごとに記憶がリセットされる男、レナードが妻を殺した犯人を探すという設定が面白い。
ただ、1番のこの映画の見所であり特徴的なところは、結末からスタートすることだ。
どういうことかというと、レナードが妻を殺したであろう犯人を見つけて射殺するところから始まり、過去に遡りながらどういった経緯で犯人と思わしき人物を見つけたのかというストーリー構成は、他に見たことがない。
そして、物語は始まりへと遡っていくのですが、終わりから始まりへ向かっているのにも関わらず、謎が増えていく。
そして、恐ろしい結末(始まり)で物語は幕を閉じるというもの。
というのも、実は、レナードは妻殺害の犯人に復讐を一年以上も前に遂げていたということなのだ。
だが、復讐したことを忘れ、いもしない犯人を追い続けることになる。
そして、復讐することだけが生き甲斐となり、全く無関係な人達を犯人だと勘違いして殺すということを繰り返していっているという恐ろしい結末だったのだ。
クリストファーノーランらしいあえて謎な部分も数多くあり、とても面白い作品です。

メメント / Memento
8

真実とは?

血が繋がっていても、相手の心は分からない。親交を深めた友人でも、相手の考えはわからないー-。
人との関わりにおいて、誰もがぶつかる壁であると思います。「他者の心や考えが分からなければ、自身にとっての真実と他者にとっての真実が同一であることは確認できない」ということでもあります。
この映画は「真実の客観性」について深く考えさせられるものです。
どんなに猟奇的な殺人鬼であっても、法廷では身の潔白を証明しようと足掻きます。どんなに悲惨な事件の被害者であっても、加害者を責め立てる姿には悪意を感じることがあります。人は、本当に心の底から信じるもののためであれば、真実を都合よく解釈するのです。
『メメント』の主人公は、10分しか記憶を保てない男「レナード」です。ショッキングな事件の被害者であり、その犯人を探し出そうともがく様が描かれています。写真、メモ、タトゥーなど様々な方法で記録を残そうとしますが、記録を残すのは「自分」。しかし、文字や画像でしか情報は伝達されない。つまり、「記録を残す瞬間の自分」と「記録を確認する自分」は、心も考えも分からない「他人」であるのです。この映画では、そんな「他者との壁」を描き出しているように見えます。
ぜひとも一度、視聴してみてはいかがでしょうか。

メメント / Memento
10

2回目を見た時の感動はこの作品でしか味わえません!

映画メメントは、サスペンス・ミステリー映画が好きな方にはたまらない作品です。クリストファー・ノーランの良さがすべてつまった作品だと思います。
主人公は10分で記憶をなくしてしまう男で、妻を何者かに殺され、その犯人を捜すという物語です。
通常の時間軸が白黒映像で流れ、逆の時間軸がカラー映像で流れます。その両方が交互に流れる構成です。最初は何を見せられているのかまったくわかりませんが、その構成を理解し見始める事で、段々とストーリーに引き込まれていく作品です。
時間を遡るという斬新さだけではなく、妻をなくした主人公の悲しさ、犯人と思われる人物が主人公に近づいていくドキドキ感が、夢中になる要素の一つだと思います。なんと言っても犯人がわかった時の衝撃は、映画史上一番と言っても過言ではないと思います。
そしてこの作品は何度も見るうちに違った観点から物事が見えてきます。一度目ではわからなかった事が二度目に見て気づいた時は、はっとさせられると同時にまた見たいと思わせてくれる作品です。
結末の解釈は人それぞれあると思います。そこがまたこの作品の良いところなのではないかと思います。
とにかく考えるので見ていて疲れる映画ではありますが、見て損はありません。