おやすみプンプン

おやすみプンプンのレビュー・評価・感想

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おやすみプンプン
10

鬱気味の人は危険!いにおワールドに思わず引き込まれてしまう、傑作!

作品全体はとても暗く、いわゆる「鬱マンガ」のたぐいに分類される漫画ではないでしょうか。
主人公は人間ではなく、マスコットのようなキャラクターで描かれているのも独特。作中には宗教やグロ描写もあり、そういったものに免疫が必要。
最初に伝えると、物語は決してハッピーエンドとはいえない。とても悲しく切なく、虚しい作品だと感じます。いたって心身ともに普通の私が読み終わったころには若干鬱になるというか、もう人生なんてどうでもいいやと投げやりな気持ちになるくらいなので、心が病んでいる人や、鬱気味の人が読むのは、本当に危険だと思う。そういった方が読むのは冗談抜きで、本気で、やめた方がよいです。
とはいえ、私はプンプンワールドに魅せられ、何度も何度も繰り返し読んでいます。何度読んでも飽きが来ない、素晴らしい作品。今、色々な有名な漫画が実写化されているけど、プンプンはあまり実写化されてほしくないなあと個人的に思います。やっぱりこの世界観は並大抵では作り出せないと思うし、漫画だからこそ出せるものだと思う。下手に手を出して、中途半端な世界観で実写化、というのは絶対にいやだ。アニメ化も同じく。浅野いにお先生の作品はすべて読んでいるけど、間違いなく最高傑作!

おやすみプンプン
9

浅野井いにおワールド炸裂

「プンプン」という名前の、決まった顔のない主人公(作中では基本落書きのように描かれていますが、ぷんぷんの感情で表現が変わります)が小学生から大人になるまでのお話です。
プンプンは小学生の時に愛子ちゃんという女の子に出会い、好きになります。でも愛子ちゃんの衝撃的な存在に、プンプンは大人になるまでずっと愛子ちゃんの影をひきずりながら大人になって行くのです。

この主人公は本当はキチンとした名前を持つ人間なのでしょうが、読者が感情移入しやすくするためか、プンプンの本当の名前も顔も作中では登場しません。
気のぬけたプンプンの絵で、お笑い漫画か癒し系漫画だと思って読み進めるとえらい目にあってしまう漫画です。この漫画は作者浅野いにおさんの世界が爆発していて、残酷な世の中や、誰もが感じた事のある不安感や孤独を、その時その時で形の変わるプンプンを使って絵として描写されています。
なので、読んでいるとプンプンと同じ経験をした事のない人でも、自分も感じた事のある感情を思い出す作品となっていて、ただストーリーを楽しむだけの漫画の一線を越えている気がします。怖い。怖いけれど、こういった感覚を味わえる漫画は少ないのと思います。はまってしまうと抜け出せず、ずっと心に残る素晴らしい漫画です。

おやすみプンプン
8

おやすみプンプン、また会える?

小学校5年生から大人になるまでのプンプンの人生の物語です。
プンプンは平凡な男の子です。ある日転校してきた愛子ちゃんを好きになります。お友だちや愛子ちゃんと、冒険をしたり語ったり青春の日々は過ぎていきます。
だんだんとプンプンの家庭は複雑になっていきます。鬱屈した日々を過ごす中、同じように家庭に問題を抱えた愛子ちゃんを想い、一緒に逃げる約束をします。でも、プンプンはある事情から一緒に逃げることができませんでした。愛子ちゃんとの距離はどんどん遠くなっていきます。愛子ちゃんを想いながらもどこか投げやりになってしまい、さらに月日は流れていきます。
プンプンはその間にたくさんの人々に出会います。これからの人生に大きな影響を与える人との出会いもありました。大人になったプンプンは、ある日、愛子ちゃんを見かけます。大人になった愛子ちゃん。再び会えることを願って更に月日を費やします。やっと再会を果たした愛子ちゃん、まだ家庭での問題を抱えています。今度こそ愛子ちゃんを守ると誓うプンプン、思いもよらぬ事件を引き起こしてしまいます。プンプンは愛子ちゃんをと一緒に、昔逃げようとした地へ向かうが、そこは陽だまりの地ではなかったのです。プンプンの人生の重みに涙しながら読みました。重く苦しい中にあるほのかな温かさ、おすすめです。神様 神様 チンクルホイ。

おやすみプンプン
8

絵がとてもきれい

浅野いにお先生の独特な世界観から生み出された『おやすみプンプン』。この作品は似たような作品は全くありません。この作品でしか味わえない世界観があります。
途中少しグロテスクなシーンもありますし、ヒロインの女の子がメンヘラ気質なこともあって、なかなかの鬱マンガではありますが、この作品を読み終わった後には考えさせられるものがあります。

絵がリアルで、出てくるキャラクター一人一人のキャラの濃さも、表情も、感情も、すべてがこの作品オリジナルでほかの作品とは一風変わっています。
主人公の男の子が落書きのようなイラストで描かれていて、絵的には少し不思議な感じなんですけど、ヒロインの女の子への気持ちや、自分の信念などがきちんとかかれていて、最終的にはなんでこんな形で書かれているのかなど、いろいろなことが理解できるようになってきて繰り返し読むのがおすすめな作品です。
ヒロインの女の子の感情や考え方、発言にはここまで人を好きになれたり愛せるのは素晴らしいことなんだなと感心させられるほどでした。
ヒロインの女の子は笑うとすごくかわいらしい女の子です。
ラストに近づくにつれてどんどん話が盛り上がっていくので目が離せなくなります。
まずは表紙だけでもいいので見てもらうことをお勧めします