BOOM BOOM SATELLITES

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BOOM BOOM SATELLITES
10

夭折のフロントマンが残した魂

BOOM BOOM SATELLITESはボーカル・ギターの川島道行と、ベース・プログラミングを担う中野雅之の二人組のロックユニットである。残念ながら、2016年に川島氏は彼が長年患っていた脳腫瘍により47歳の若さで逝去しており、我々は彼らの新曲をもう耳にすることが出来ない。しかしながら、彼らの音楽は我々の魂を揺さぶるに十分な熱量を持ち合わせており、間違いなく未来永劫語り継がれる、日本を代表するロックユニットなのである。

彼らの日本における1stシングル「JOYRIDE」は97年にリリースされるが、それ以前にベルギーのR&Sレコーズよりデビューしており、日本では逆輸入バンドと称された。
欧州を中心に「ケミカルブラザーズ、プロディジー以来の衝撃」と称され、日本のみならず世界中に彼らのフォロワーが存在する。
ギター、ベース、ドラムを中心としたロックサウンドに加え、プログラミングを用いたエレクトロ要素のミックスが、ロックファンのみならずダンスシーンにも影響を与えた。
現在も中野氏は数々のリミックスワークスを手掛けており、2019年公開の「PSYCHO-PASS」の新作アニメ映画の楽曲もミックスを手掛けている。

彼らはデビューした97年から川島氏が亡くなる2016年の約20年の間に9枚のアルバムと11枚のシングルをリリースしている。その最後の作品となる「LAY YOUR HANDS ON ME」は、川島氏が病に侵されている中収録したもので、度重なる脳外科手術の後遺症が残る中紡いだ魂の一曲である。是非一度耳にしてほしい、そして可能であればMVを観てほしい。病に侵され、命が潰えようとしている川島氏の、なんと美しい、幸せに満ち溢れた音楽だろう。ミュージックビデオに出演している少女は川島氏の実の娘で、愛に満ちている。そして気に入っていただけたならば是非過去の作品へと遡っていただきたい。数々のタイアップ作品を中心に名曲ぞろいである。初めて聞いた方にはまるで洋楽のような印象を持つだろう。それだけ洗練された魂の音楽を一人でも多くの方に聴いてもらい、そして伝えていただければと思う。