ボボボーボ・ボーボボ

ボボボーボ・ボーボボのレビュー・評価・感想

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ボボボーボ・ボーボボ
10

何だこれの感動が動く瞬間

私は、気分が最底辺まで落ち込んだ時に見る漫画があります。それが「ボボボーボ・ボーボボ」です。2000年代初期に週刊少年ジャンプで連載していたギャグ漫画で、約7年間とギャグマンガの中では長期で連載された作品でもあります。アニメ化もされたほどの人気作品です。
「ボボボーボ・ボーボボ」を一言で表すと、「よくわからない作品」以外の言葉がありません。一応大まかなストーリーはあるのですが、アニメ化したボボボーボ・ボーボボ遊園地編のあらすじにはこう書かれています。「ボーボボたちは田舎に帰省していた。まごころ込めて植えた割り箸畑から、メルヘンチック遊園地が獲れたが、そこは毛狩り隊Aブロック基地となっていた」。これだけ見ると何が何だかよくわかりません。これが嘘のあらすじならばよかったのですが、実際の内容もこれと同じです。割り箸を畑に植えると遊園地が現れてそこは敵の基地となっていました。
気分が最底辺になった時、シリアスで頭の使うものや恋愛で心揺さぶるものを見るのはかなり疲れます。その点、ギャグのものは何も考えずに読むことができるのですが、ボーボボはそのギャグの中でも飛びぬけてギャグに振り切っています。
綺麗な絵柄ではないし、深みのあるストーリーでもありません。それでもページをめくる手がとまりません。そして、何度読んでも笑えるのです。
毎日ベッドの中で動けない、マイナスな事が頭を巡って離れない…そんな時はぜひ「ボボボーボ・ボーボボ」を見てください。漫画を読むのがつらいという方はアニメでも大丈夫です。この作品を見たからといって人生を前向きに生きる希望が湧くほどの感動を感じることはありませんが、「なんだこれ」という感情は動きます。「ボボボーボ・ボーボボ」を見ている途中で悲観的な事を考えることは絶対にありません。
死ぬまでに一度は「ボボボーボ・ボーボボ」を読んで、ぜひ「なんだこれ」を体験してください。

ボボボーボ・ボーボボ
10

理解するのではなく感じる作品

この漫画を本当に理解できる者は誰もいないのではないだろうか。一応ストーリーのようなものは存在するが、そのストーリーも圧倒的なカオスに吸い込まれもはや存在していないようなものである。この漫画の素晴らしいところはまさにそのカオスの中にある。
この漫画を読んでも感動することはないし、男女の恋愛に胸が踊らされる訳でもない。しかし、この漫画を読むことによって、『俺もこんな漫画で笑えるんだな』『まだまだ人生捨てたもんじゃないな』といった生きる気力は確かに心の底からじわじわと湧き上がってくる。
この漫画の中に出てくるギャグシーンは意味不明であることが多い。そんなギャグシーンを見て、最初のうちは戸惑うかもしれない。しかし、そんなときこそ次のページに指を進めてみて欲しい。気づいた頃にはあなたはこの漫画の虜になってしまっているだろう。
ボボボーボ・ボーボボという漫画は言葉で語り尽くすことのできないほどに、妖しい魅力を持った漫画なのだ。この漫画は是非現代を生きるサラリーマンや、未来を支える小・中学生に読んでもらいたいと思う。読むことにより確実に、自分の考え方とは違う何かを享受することができると思う。単行本だと手が届きにくいと感じる人は、アニメ版を見るのも良いだろう。とにかく、作品を感じてもらいたい。私が心からオススメする漫画である。

ボボボーボ・ボーボボ
9

鼻毛について吟味する

西暦300X年、世界はマルハーゲ帝国の力を示す「毛刈り」に恐怖していた。失われていく自由と平和、そして髪の毛。マルハーゲ帝国の実行部隊「毛刈り隊」の非情が横行する世の中に、1人立ち向かう男がいた。その名は、「ボボボーボ・ボーボボ」。強大なマルハーゲ帝国に対抗するその男が戦う術は…鼻毛!?

第1話から爆笑必至のハチャメチャギャグバトル漫画です。まず強大な帝国がプロパガンダとして行う毛刈り。この時点で意味が分かりません。(もちろん最大級の賛辞です。)さらに、主人公の使う鼻毛真拳。鼻毛がまさか武器になるなんて想像したことありませんよね。登場するキャラクター全てが強烈な個性を放っており、唯一の良心というか常識とも言えるツッコミ役ヒロイン「ビュティ」がまた良い味を出しています。

キャラクターは敵味方さまざまな真拳を使い、真拳を使わないものもその個性で戦う。バトルは理不尽で不条理で、意味を求めてはいけません。(賛辞です。)
童心に帰って読むだとか、ノスタルジーな感傷のある笑いはまた別の作品に任せておいて、とにかく頭を空っぽにして楽しむ作品です。
第1部のボボボーボ・ボーボボが21巻、第2部の真説ボボボーボ・ボーボボが7巻の全28巻。
最初から最後までハチャメチャであり続けるボーボボ達の戦い、抱腹絶倒しっぱなしでした。