幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil

幼女戦記(ようじょせんき)とは、カルロ・ゼンによるライトノベル・オンライン小説および株式会社NUT制作のアニメーション作品。
第一次、第二次世界大戦中のヨーロッパの情勢によく似た、魔法と科学が息づく異世界が舞台となっている。この世界に日本人のサラリーマンとして生きていたある男が「幼女」として「帝国」と呼ばれる国に転生し、「帝国」の魔導士として「協商連合」や「連邦」などの敵と戦っていく。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evilのレビュー・評価・感想

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幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
8

これは良いタイトル詐欺!幼女の皮をかぶった軍人の悪魔の如き活躍を描くダーク・ファンタジーアニメ

現代のサラリーマンが魔法の世界に転生して無双する、とだけ聞けば「ああ、またか」と思う人も多いかもしれない。
そんな思いを見事に裏切るのが「幼女戦記」。タイトルからして視聴しないことを決めた人もいるかもしれないが、ミリタリー物に少しでも興味があるなら本作の視聴をお勧めする。
舞台は限りなく第一次世界大戦当時のドイツに似ている世界。そこでは科学技術とともに魔法技術も発達している。爆撃機が飛ぶ空を魔導師も飛び交い、戦いを繰り広げる。
主人公ターニャ・デグレチャフは前世、日本でサラリーマンをしていたころの記憶を有する少女。みなしごだったものの優れた魔法師としての才能を有していた彼女は軍人となり、破格の昇進を続けていく。しかし彼女はこのままだと祖国は敗戦国になってしまうことを知っていた。なんとかして生き残ろうとあがく彼女だが、世界は1人の転生者の存在ぐらいで影響を受けるはずもなく、どれだけ彼女があがこうが戦争は泥沼状態に突入していく。

サラリーマンが異世界の美少女に転生して魔法で無双するかと思いきや、世界はそんなに甘くない。待ち受けるのが破滅と知りながら戦い続ける主人公に未来はあるのか。
俺TUEEEものに食傷気味の人におすすめの転生ものアニメである。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
8

戦争の虚しさとアイデンティティの探求

「幼女戦記」はカルロ・ゼンによる異色の戦争ファンタジー小説。冷酷なサラリーマンが神との対話を経て、異世界の戦争が渦巻く世界で幼い少女の体に転生し、魔導師として戦うという斬新な設定で物語が展開する。主人公、ターニャ・デグレチャフのキャラクターはその非情さと戦略的な思考で読者を引きつける。彼女の軍事的才能と無慈悲な行動は、周囲の人物との関係性や戦争の残酷さを浮き彫りにし、独特の緊張感を生み出しているのだ。

物語はターニャが軍隊の中で出世し、次々と困難な任務を遂行していく様子を描く。戦場の描写はリアルで生々しく、読者を戦争の恐怖と絶望の淵に引き込む。また、ターニャが「存在X」と呼ぶ神との対話は信仰や運命、アイデンティティに関する深い問いを投げかける。この神とのやり取りは単なるファンタジー要素を超えて、宗教や哲学的な議論へと発展し、物語に多層的な深みを加えている。

本作の特筆すべき点は、戦争の描写におけるリアリズムとファンタジー要素の巧みな融合である。魔法と科学技術が組み合わさった世界観は、伝統的な戦争物語に新しい息吹をもたらしている。また、ターニャのキャラクター開発も見逃せない。彼女はただの冷酷な戦士ではなく、自己の存在と戦争の意味を模索する複雑な人物として描かれている。

ただし、この物語は非常に暗く、時には残酷な描写が含まれるため、一部の読者には受け入れがたいかもしれない。また、戦術や軍事用語が多用されるため、馴染みのない読者は少々読みづらさを感じる可能性がある。

総じて「幼女戦記」は戦争の虚しさとアイデンティティの探求を描いた、思索的でダイナミックな作品である。ターニャの冷徹な視点を通して、戦争の本質と人間性の複雑さを掘り下げることに成功しており、ファンタジーと戦争物語のファンにとっては必読の作品と言えるだろう。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
10

幼女の皮をかぶった化物

「幼女戦記」は、2017年に放送された戦争を題材にしたファンタジーアニメ作品であり、原作は同名のライトノベルです。本作品は、異世界に転生した少女ターニャが、軍人として活躍しながら戦争を繰り広げる様子を描いています。
本作品の最大の特徴は2つあります。
1つ目は、主人公であるターニャが幼女であることです。ターニャは、元は現代日本のエリートサラリーマンであり、死後異世界に生まれ変わったという設定です。戦争に身を投じ、その可愛い容姿とは裏腹に、シカゴ学派の経済理論と順法精神を愛しています。そのため保身を優先的に考えて、最前線から後方で働くために行動するのですが、いつも裏目に出てしまうといった内容です。
2つ目は、第二次世界大戦のドイツとよく似た政治状況です。そのため本作品は戦争を主題としており、リアルな戦闘シーンや作戦の立案など、軍事的な描写が豊富に描かれています。それに伴い、作品中で描かれる戦争や、政治的な状況の説明も非常に丁寧です。過去実際に行われた作戦やロジックが多く出てくることで、この作品のリアリティを上げている点が、より一層深く作品の世界に没入することができます。
この2つの点から、主人公は自分が所属している国の行く末を知っているため絶望してしまうが、その中でも戦争に勝つためにもがき苦しむ。戦場の状況、政治的判断、軍部上層部の勘違い、これは主人公と読者だけが知っている歴史で、その絶望を共有することができるのです。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
10

チート級能力を持つ幼女、戦場の空を駆ける

2016年にアニメ化された作品。原作はWeb小説。
小説の方も読んだが、アニメの方が圧倒的に面白い。
迫力の空中戦、分かりやすい戦況解説、何よりも緊迫感のある心理戦に声がつくとアクションシーン以外も際立って面白い。
少々絵柄に癖があるかもしれないが、それすらも味わい深いものになっている。
主人公のターニャは日本人サラリーマンが転生した姿。
幼少の頃より卓越した魔力を持っていたため士官学校へ入り、そのまま軍人へ。
日本での記憶を持ったままの転生であるので、少女とは思えないような知識を持っている。
本人は軍の前線に出るのではなく、穏やかな生活を送りたいと願っているが、そのための会話などが全て裏目に出てしまい、最前線に立つことになっている。
生き残るために戦っているが、その活躍は凄まじく、軍上層部に目を掛けられてしまっており、彼女の願いとは程遠い日々を送ることになっている。
彼女自身のキャラが立っているのはもちろんだが、彼女を取り巻く軍人たちもキャラが濃い。
彼女が率いている部隊の面々が個性的なのはもちろん、上層部の老人たちの食えなさや思惑すらもこの作品に華を添えているように思う。
ゼートゥーアはアニメ第一期だけでなく、続編映画でもターニャを十分に振り回してくれた。
アニメ本編が面白かったのはもちろんだが、ミニアニメのコミカルさも秀逸。
本編を気に入ったのであれば、ぜひそちらも見てほしい。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
8

見た目は幼女、中身はおっさん

このアニメは原作が小説になります。
その後マンガ化し、アニメ化しました。
主人公は見た目はとても可愛らしい金髪の幼女なのですが、中身は社会人のおっさんです。
簡単なあらすじとしては、社会人でサラリーマンとして働いていた主人公が、上の人間に命令されて解雇通告した男に駅のホームから突き落とされるところから始まります。
そこで自称神と名乗る謎の声の主によって、戦争真っ只中の異世界へと転生させられます。
大概の転生する系は、女は女に転生、男は男に転生と、性別が変わらないパターンが多いのですが、幼女戦記は違います。
そのせいなのか、元々の気質なのか、軍隊に入った主人公・ターニャは規律は守らないといけないと、社会人のような事を言ったり、不真面目な人には辛辣と言うか、過激な対応をします。
タイトルだけに釣られて見始めた瞬間、その世界観に引き込まれてしまい、すっかりファンになってしまいました。
声優さんも有名な方々ばかりで、キャラクターにも合っていて、聞いていて全然違和感がありません。
戦争がテーマですが、だからといってずっとシリアスが続くわけでもなく、時折クスッと笑えるようなシーンもあり、見ていて全く飽きません。
映画化もしたし、アニメの第2期も放送される予定なので、今からとっても楽しみです!

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
10

中毒性がヤバい

タイトルからロリ物を連想し、敬遠する人が多いです。しかし、内容を見ると全く違います。
主人公は、魔法の存在する異世界にTS転生した元サラリーマン。自称神の怒りにふれ、「全く違う世界で、違う性別で苦労しろ」とTS転生させられます。
戦時下のドイツをモチーフにしており、戦闘描写が大半を占める本作では、展開される作戦、銃器装備品、航空機、戦車、外交戦などなど歴史好きやミリオタが反応しやすいネタが散在していて、戦闘描写もさることながら軍略上極めて重要な作戦立案部分(事前)や事後処理にも触れており、みどころの一つとなってます。
別にこの分野に詳しくなくても、本物に近いものが提示されることで、迫力だったり、知能戦の巧拙だったり、シビアな局面だったり、そして戦争の本当の意味での残酷さなど見えてくるものもあるでしょう。
戦争ものが苦手でも“異世界”というフィルターを通す分だいぶ緩和された状態で受け止めることができるかと思います。良く出来た戦争ものって、極限での人間ドラマだったりしますので取っ掛かりとしても本作はオススメです。
異世界での“バトル”というより純然たる“戦闘”の趣きです。ターニャはのっぴきならない事情がある人なのですが、人物焦点よりも“戦闘”の印象が強いです。
原作も面白いですが、アニメの声優も素晴らしく、特に主人公のターニャ・デグレチャフ役の悠木碧さんの演技は聞いていて本当に鳥肌が立ちます。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
8

主人公の姿とセリフのミスマッチに注目

カルロ・ゼンによる小説から、漫画・アニメとメディアミックス展開していった作品。今流行りの転生もので、タイトルの如く元日本人サラリーマンが幼女に転生した主人公の物語です。
ジャンルとしては戦争ものですが、そちらのジャンルをあまり見たことない方でも楽しめます。ヨーロッパに似た世界観で世界対戦を舞台とした話です。主人公(幼女)が軍隊に入り敵をなぎ倒し、蹂躙し、戦っていく内容となります。リアリストな元サラリーマン思考の戦い方を全面に出す主人公に社会人としては共感すると共に、チラリと見せるおまぬけなシーンは思わず笑ってしまいました。漫画のスピンオフ「幼女戦記食堂」も映像化してほしいですね。

作中で特に注目してほしいのは、主人公のセリフたち。幼女の外見に反した言葉の数々、特に「こんにちは。そして、さようなら」と爆弾を投げ込むシーンには痺れました。「幼女の皮を被った悪魔が」と表現をされているほどの独特なセリフの数々で、幼女の声真似の宣誓のシーンはお気に入りです。名言が数多く飛び交うなか登場人物たちのテンポのよい会話も楽しめるので、一度騙されたと思ってみてください。主題歌もかっこよくて、悠木碧(声優)さんの素晴らしさに感動しますのでぜひ聞いてほしいです。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
9

ただの無双系ではない

この作品は昔から知っていたのですが、タイトルを見て避けてました。
しかし、そんな私もこの作品を見て度肝を抜かれました。この作品は良い意味でのタイトル詐欺と言った所でしょうか。
1話を見た感じでは幼女が無双する、そのギャップが売りなのかと思ってました。しかし2話、3話と見ていくうちにすごい引き込まれました。とにかく世界観といいストーリー設定や伏線といい丁寧に描かれてますし単なる"無双系アニメ"ではないなと痛感しました。

作画も安定していて、飛ぶシーンや激しいアクションシーンも多い中CGがほぼ使われてないのもすごいなと感じました。特徴的な作画でしたがターニャが笑うシーンやニヤッとするシーンなんかは表情が豊かで特に良かったです。
話の途中で多々ミリタリー要素(銃器装備品、戦車、外交戦)が強い感じも出てましたがそれも気にならないぐらい面白かったです。

あとはなんと言っても声優です!主人公のターニャ・デグレチャフの声優は悠木碧さんですし、ターニャの下についていたヴィーシャというキャラの声優は早見沙織さんです。作品内でのこの2キャラの凸凹具合は見てて楽しかったです。
後はOP、EDも良かったです。作品と上手くマッチしていて歌の途中にターニャの声が入るのが鳥肌ものでした。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
8

タイトルを開い意味で裏切っていると思う。

幼女戦記?幼女が戦う萌え系アニメかな?と想像される方もいらっしゃると思いますが、内容は世界大戦をベースとしたシリアスな転生物の作品となっております。
原作はオンライン小説で、漫画も出版されております。アニメは全12話。重すぎず、でも引き込まれる見応えある作品ですので一気に見れます。ブラックラグーンやヨルムンガンド好きな方にもおすすめしたいです。
原作や漫画との作画の違いをよく指摘されますが、アニメでしか味わえない、躍動感や臨場感と言った魅力的な部分がたくさんありますので、私はそこまで気になりませんでした。アニメはアニメで十分楽しめる作品になっていると思います。
とにかく戦闘シーンは見応えありますし、先の読めない展開だとか主人公の外見からは似つかない、時折見せる悪そうな顔や言動が凄くツボでした。転生物あるあるの、主人公最強設定は多少あるもののそういう部分が良い意味でタイトルを裏切っている。
時折笑わせてくれるシーンもありそれもまた飽きさせない要因の1つかなと思います。音楽もまた素晴らしく、OP、ED共に作品をより良くしている要因だと思います。伏線がアニメでは回収しきれていないので、是非続きもアニメ化して欲しいです。

幼女戦記 / Saga of Tanya the Evil
8

見た目は幼女 中身はサラリーマン

「幼女戦記」というタイトルから、どういうストーリーなのか想像できるだろうか。
かわいい萌え系の女の子が戦うようなアニメを期待した人もいるのではないだろうか。しかし、タイトルに騙されてはいけない!
このアニメを一言で説明するなら、「見た目は幼女、中身はサラリーマンの女の子がライフル持って、空を飛びながら戦うアニメ」であり、主人公ターニャ・デグレチャフ(9~10歳)が、軍の中ですさまじい勢いで昇進していく話である。アニメでは、伍長、少尉、中尉、大尉、少佐まで昇進。
このアニメの見どころの一つは戦闘シーンである。カメラアングル、動作、効果音のクオリティが高いと感じた。大画面で観る価値があるアニメだと思った。
また、キャラクターに共感できるというのも魅力の一つである。主人公ターニャ・デグレチャフの前世は日本のサラリーマンである。
前世では、出世願望が強く、合理主義で、仕事ができる会社員であった。転生後、前世での教訓を生かして、軍の中で指揮をとり、勝利を導いていく。幼女のセリフというよりは、サラリーマンのつぶやきに聞こえるところも面白い。同僚や部下に対して厳しく、容赦のない発言が多いが、時には場を和ませるためのジョークや士気を高める発言もあり、部下思いの良い上司という一面も見られた。
社会人が楽しめるアニメだと思い、個人的にお勧めしたい。