チョコレートドーナツ

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チョコレートドーナツ
7

家族のカタチ

ゲイカップルが、他人のダウン症の子供をわが子のように愛情込めて育てようとするが、世間の偏見の目は冷たかった。ゲイバーのダンサーであるルディーの言動や雰囲気は、まさに自己肯定感の強い女性のそれであったし、またとてもかわいらしく思えた。対照的に、検事という立場があり、自身がゲイであることをカミングアウトできないでいたポールは、非常に現実主義者に思えた。
ルディ―が無償の愛を注ぐマルコは、薬物依存の母親を持つダウン症の子供だった。「マルコが自ら望んでこうなったわけではないのに、なぜこれ以上苦しまなきゃならないの」というルディーのセルフからもわかるように、差別的扱いを受ける立場になってしまったマルコを、自らのゲイというマイノリティーに重ね合わせていたのかもしれないと思った。
また、この作品を通して一番に感じたことは、もっと一般的にこういう家族がいてもいいのではないだろうか、ということだ。
家族のカタチは、必ずしも男と女から始まるものとは限らない。両親が男同士でも、互いが幸せであるならそれがいいのだと思った。
また、マルコはダウン症であったが、チョコレートドーナツが好きで、感情を素直に表現する、普通の男の子であった。それが生まれつき環境や状況が悪かったことで不幸になっていいわけがないとも思った。
世間の偏見や差別の醜さや、家族の在り方について考えさせられる映画だった。