賭博堕天録カイジ / Tobaku Datenroku Kaiji

賭博堕天録カイジ / Tobaku Datenroku Kaiji

2004年から「週刊ヤングマガジン」にて連載されている福本伸行によるギャンブル漫画。保証人としてかつてのバイト仲間の借金を肩代わりさせられたことをきっかけにギャンブルの世界へのめりこんでいく様が描かれた「賭博黙示録カイジ」、そして膨れ上がった借金の代償として地下労働を強いられ、そこから地上へと戻ってくるまでが描かれた「賭博破壊録カイジ」の続編として、再びカイジが勝負の世界で奮闘する模様が描かれる。

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賭博堕天録カイジ / Tobaku Datenroku Kaiji
8

まさに光と影の対決、カイジ VS 和也!「賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編」

普段はダメ人間、カイジがギャンブルになると持ち前の閃きと人情で勝ち進む姿を描き、大ヒットとなった漫画、「カイジ」。
本作「ワン・ポーカー編」は黙示録編、破戒録編と続いて第3シリーズ「堕天録編」における、第3章にあたる物語となります。第2章の「和也編」における「救出ゲーム」の参加者チャンとマリオを救ったカイジは、彼らを率いて遂に宿敵・兵頭和尊の息子「和也」と直接対決をします。

今回のギャンブル「ワン・ポーカー」はお互いが一枚のカードを使って勝負するというシンプルなもの。しかし、そのシンプルさ故の奥深さが際立つゲームです。ポーカーの要素があるギャンブルなのでレイズやコールができます。カイジと和也が「ワン・ポーカー」に使う机は「マザー・ソフィー」と呼び、様々な仕掛けがあります。つまり本作のギャンブル「ワン・ポーカー」はシリーズの中でもシンプルなルールのギャンブルであると同時に、一方でイカサマや命を懸けた勝負、億の金を賭けたライフといった、これまでのシリーズで描いてきたギャンブルの要素が全て詰まっている物語であるともいえます。そして「ワン・ポーカー編」の興味深いところが、対決相手である冷酷無比で残虐なキャラクター、「和也」がカイジとの心理戦を通じて成長していく過程が見られるという点です。そして、カイジと和也の戦いは思いも寄らぬ心理戦へと展開していくので目が離せません。