クズの本懐

クズの本懐のレビュー・評価・感想

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クズの本懐
8

人を選ぶが、ハマる人にはとことんハマる

この物語は、高校生の男女が恋人のフリをするという、なんともありがちな話だが、その中身は人間の見にくい部分に焦点を当ててグチャグチャでどろどろした内容。この物語にハマるかどうかは個人的に登場人物たちに共感できるかできないかだと思う。
際どいシーンが多いためそこに注目されがちだが、私にはその際どさにもちゃんと意味があるように思え、もしそれで読まないでおこうとしている人がいるのなら少しもったいないと思う。
絵柄も作者が女性であるためかふわふわとした髪の毛、長いまつげとかなり少女漫画的だ。しかしそんな中で描かれるのはドロドロとした人間関係であるため、その絵柄と話のミスマッチさがまたいい味を醸し出していると思う。
単行本すべて買っても、約10巻近くしかないので、手を出しやすいのも魅力の一つではないだろうか。こんな短い話の中で偽装の恋愛という難しいテーマをしっかりとまとめ上げ、漫画やアニメにありがちな与えられたハッピーエンドではなく、自分自身としっかりと向き合って自分自身の足でしっかりと歩き出す。そこも私には好感が持てた。最終回後の後日談も刊行されているのでもし本編を読んで気に入ったのなら、それも読んでみると良いと思う。

クズの本懐
6

ドロドロとした恋愛アニメ

原作の漫画と同様に劣らない美しい作画だが、中身は少々捻くれた恋愛アニメ。
高校生の安楽岡花火と粟屋麦は、周囲から見ると誰もが羨むような理想のカップルであるが、実際にはその関係はただの慰め合いにしか過ぎないものであった。

2人はお互いに別々の人に想いを寄せているのに、その人たちに通じない想いをお互いで解消しあう姿は、何とも切なく悲しいものだと思いました。
花火は、幼少期から可愛がってもらっていたお兄さんのような存在の教師である鐘井鳴海を、麦は家庭教師をしてくれていた教師の皆川茜へ好きという恋愛感情を持っていたのにも関わらず、お互いに関係を持っている間に、互いへの気持ちにも変化が表れていく部分は驚きました。
タイトル通り、確かに2人がしていることは捻くれているけれど、こんな感じの恋愛もありなのかなとも思いました。ですが、逆により傷ついてしまうのではないかとも思いました。花火や麦を含めた登場人物たちの、好きな人に想いを寄せる強い感情が視聴している私にも強く襲い掛かってくる様な感じになり、思わず涙がこみ上げるシーンも多々ありました。最終話を見たときは、花火と麦がどうか幸せになって欲しいと願うばかりです。

クズの本懐
9

恋愛感情の全てが含まれている!

主人公が高校生にも関わらず、人間が恋愛をするにおいて複雑な感情がたくさん含まれています。
二人高校生の男女が互いの好きな人と結ばれたい事をキッカケに、感情を満たすために体だけの関係になるという内容です。高校生の恋愛にしては最初から衝撃的になっています。
まっすぐに純粋な恋愛感情であったはずなのに、どんどん歪んでいってしまう、危険な恋愛漫画になっています。
しかし、ただのクズ漫画じゃないのがこの漫画のすごいところ。
大枠はこんな内容にも関わらず、主人公の切なさ、苦しさ、後悔など、言葉ではうまく表せないような感情が顕著に表現されています。
人の好意の重さや、好意をもてあそぶことの危険、自分の無力さなどもストーリーの中で上手く表現されていると思います。報われない恋ほど虚しいものはないですが、それによって壊れていく心ほど悲しいものはないと強く感じ、尋常じゃない切なさを感じること間違いなしです。とにかく主人公の心の声が自分の胸に突き刺さります。
自分が恋愛していく中で、一度は経験したことがあるけれど、言葉にしてはいけない、絶対に人に喋れないような危ない感情を、この漫画はとても上手く表現していると思います。
恋愛がうまくいっていない人にはかなりオススメです。