輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum

輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum

「少女革命ウテナ」などの幾原邦彦の12年ぶりの監督復活作で、2011年7月~12月まで全24話が放送されたブレインズ・ベース制作の作品。
冠葉と晶馬の妹である陽毬は病気のせいで余命わずかになってしまい、思い出の水族館へ行くが陽毬は倒れてしまい、病院に搬送されるも息絶えてしまう。
陽毬は水族館で買ったペンギン帽子に宿る謎の人格により延命されたが、その代わり「ピングドラム」を探すことを強制される。

輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrumのレビュー・評価・感想

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輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum
8

10年ぶりの再会で追いついた。劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM」

TVで毎週たのしく鑑賞していたつもりだったが、実は本当に伝えたいこと、深い思いに届いていなかったことが劇場版を鑑賞して痛感した。総集編の形であり、記憶力の優れた人には物足りなかったかもしれないが、それは読書でもそうだが、2回目の反芻が違う発見を生むことがあるのだから。そういう意味では、このブランクが新しい感動の必要条件だったのかもしれない。
有名著作がベースにあり、様々な社会問題を埋め込むダークなアニメーションを、コミカルなキャラクターや不可思議な無駄とも思われるシーンで薄めながら物語が展開してゆく。
改めて感動したのは自身が成長して深く読み取ることができたからなのか、知らないうちに誰かの発信を読んで頭の中に入っていたからなのか、今回の映像がダイジェストといいながらも説明表現になったいたからなのか。それはわからない。
しかし、10年前の表現が決して古臭くなく、訴える力は落ちていないと断言できる。ただし、込められた社会問題に無知なひとには単なるダークファンタジーにしか映らないのだろう。
本当に感動できるのは、次回作の後編なのだろう。エンディングテーマのなつかしさがいつまでも脳裏にかすむ。原作を改変してほしくないが、悲しいだけの終わりにならないことを祈る。

輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum
9

愛と運命を描いた感動作

数多の人気作品を手掛けた幾原邦彦が家族をテーマに制作したオリジナルアニメ作品です。
キャラクターデザインは漫画家として知られる星野リリィ。
小説版もあります。
主人公は余命わずかの妹陽毬。
そしてその兄の冠葉と晶馬。
陽毬は一話から死んでしまうものの不思議なペンギン帽子に宿る謎の人物プリンセス・オブ・クリスタルの力により延命されますが、二人の兄はその代償にピングドラムを要求されます。
大切な妹のために何か分からないまま懸命にピングドラムを探す日々が始まります。
作中では最後までピングドラムが何だったのかは明言されません。
リアルとフィクションの狭間のような世界観の中で見ているものもまたピングドラムを探し愛とは家族とは何なのかを考えます。
繰り返されるきっと何者にもなれないお前たちに告げるという言葉が刺さる人も多いのではないでしょうか。
地下鉄サリン事件を題材にした描写がいくつも散りばめられており、不気味さと閉鎖的な雰囲気にアニメの枠を超えた大きなメッセージ性を感じます。
また、宮沢賢治の銀河鉄道の夜をモチーフとしています。
様々な家族の形が描かれており、懸命に守る姿は感動します。
愛と運命を巡る物語をぜひ見てください。

輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum
8

話題の幾原作品!!

現在放送中のアニメ、さらざんまいの監督幾原邦彦のヒット作『輪るピングドラム』。ぜひ今期さらざんまいを見て面白いと思った方には、見て欲しい作品だ。幾原監督作品というと独特の世界観があるがこの作品でも幾原ワールド全開だ。主人公は高倉冠葉、晶馬、陽毬という三人の兄妹だ。妹陽毬は体が弱く、兄妹で訪れていた水族館で倒れてしまう。そしてそのまま帰らぬ人となってしまったのである。しかし、とある出来事により生き返るだが…後半になっていくたびシリアスで核心に迫っていくのにドキドキさせられた。幾原作品ではよくされる視聴者による考察だが輪るピングドラムまた多くの考察がされている。アニメ内で度々出てくる95という数字、ペンギン、りんごなど様々なキーワードが散りばめられている。これらを読み解いていくのも楽しみの一つだ。95…この数字から予想するに地下鉄サリン事件をモチーフにしているようでなかなか後半に行くにつれてしんどくなる展開だった…(筆者は泣いた)最終回はこれぞ幾原作品と言えるだろう。他の幾原作品を見ているとおっこのシーン、このセリフは聞いたことがあるぞ!という場面もありこの作品に限らずぜひ他の作品も見てみて欲しい。さあ、生存戦略しましょうか。