D.Gray-man / Dグレ / ディーグレイマン

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D.Gray-man / Dグレ / ディーグレイマン
8

ダークファンタジーここに究めり。

週刊少年ジャンプで2004年27号に連載を始めた作品です。
主人公の「アレン・ウォーカー」の視点から、世界を終焉【デス】に導く存在「千年伯爵」とそれに対抗する「黒の教団」の戦争を描いています。
舞台は仮想19世紀末とされていますが、現実の19世紀ヨーロッパの雰囲気を散りばめられた作品の世界観は、どこか怪しげで謎めいた「黒の教団」の存在と合致しています。

ファンタジー作品を描くにあたり、読者がどれほど現実を忘れて物語の世界観に没頭できるかはかなり需要なファクターですが、この作品においてそれは作者の強いこだわりと深い考察、そして並外れた画力によって美しく描かれています。
例えば市街地におけるアクションシーンを描くにあたり、町の構図から考えそこにキャラクターを落とし込んで描いているというのです。
建物の雨どいの有無、または行き交う人々の服装に至るまでその時代に沿って考察されていると聞いたときは脱帽しました。そしてそれらを劇的に描き漫画作品として読者にワクワクさせるための魅せ方がとても美しいのです。
登場人物は一概にみな「イケメン・美人」というわけではなく、小太りの男性やひげを生やした中年男性、老婆からピエロまで多岐にわたり、それぞれがすぐに見分けできるほどの書き分けがなされています。
物語としてはもちろんですが、作者の画力の高さは随一だと思います。絵柄が安定しないとの批判も見受けられ、そして事実だとも思いますが、初期作品から紆余曲折を経てどんどん上達してゆく絵のタッチもこの作品(もしくは作者)の魅力なのではないでしょうか。