3月のライオン / March Comes in Like a Lion

3月のライオン / March Comes in Like a Lionのレビュー・評価・感想

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3月のライオン / March Comes in Like a Lion
10

人は、冷たくてだけどあったかいんだ

主人公の桐山零が抱える孤独。どこにいても誰といても、どこか独りぼっちな気持ち。その感覚は自分の中にも確かにあり、だからこそこの作品に入り込みやすかったんだと思う。

零は幼い頃に両親を亡くし、将棋好きの父親と親交の深かったプロ棋士の家に引き取られるという数奇な運命の持ち主だ。預かってくれた新しい父にも家族が居て、彼の2人の子供も同じように将棋をしていた。だが零は圧倒的に成長し、新しい父は、本来の子供たちより零を目にかけるようになる。そんな中、徐々に他の子ども達から批判の眼差しを受けるようになり、彼らの母親からも疎まれるようになった。零は家に居心地の悪さを感じていた。しかし将棋の方は順調で中学生でプロになり、人生を捧げることを決意し、高校生になると同時に一人立ちをする。

そのあと彼は、多くの素晴らしい人々と出会う。
そして将棋を通じて、また一人の高校生として生きる中で出会った人達とのつながりがすごくいいのだ。

将棋会館で一緒にプロとして切磋琢磨する二階堂や先輩、そして師匠となる島田棋士との出会い。
さらに零の住む町の隣町にある和菓子屋の川本家との出会い。高校で孤立してる零を気にかけてくれる林田先生。
彼らはあたたかく、そして嘘のないやさしさのある人々だ。そんなぬくもりが、零の心にゆっくりと、確かに沁みこんでいく。

この世の中は冷たくて、だけどあったかいんだ。そんなことが感じられるこの作品が、私は大好きだ。

3月のライオン / March Comes in Like a Lion
9

魅せる対局シーンの演出が熱い!

将棋のプロ棋士である主人公とその周りの人々との暖かい人間模様を描いた作品なのですが、一番の魅力はなんといっても対局シーンです。将棋の対局といえばテレビでよく見るのは将棋盤を上から見た映像で、棋士二人が静かに駒を動かし、そこに解説が入るというもの。本物の映像としてもかなり地味なものです。
しかしこの作品ではその対局シーンの中に登場人物たちの生い立ちや現在の状況、仲間たちの想いなどがからみ、対局中のキャラクターの心の中が映し出されます。そしてそれは片方のキャラクターだけではなく、対局している双方のキャラクターで描かれるのです。そう、これはもはや棋士と棋士との対局ではなく人間と人間との魂のぶつかり合いなのです。
しかし、かといって対局している棋士同士が空想の中で武器を持って戦うといった安易な表現はしません。対局自体は将棋盤の上でキャラクターたちが駒を打つシーンで描かれてます。描かれるのはそれぞれのキャラクターの心の中だけです。だからこそキャラクターの打つ一手一手がとても人間味があって熱いものとなるのです。ただ駒を持って打つ。それに解説が入る。これだけのシーンをこれほどまでも熱く表現・演出できるのかと驚きます。
将棋のルールが全く解らない方でも問題なく楽しむことができます。応援したくなるような魅力的なキャラクターたちが信念を懸けてぶつかり合う。その媒体がこの作品では将棋であっただけなのです。

3月のライオン / March Comes in Like a Lion
10

3月のライオン

絵柄が可愛らしくて、家の中の様子などがとても細かく書かれていて、面白いです。
また、心理描写がとても繊細なため、寂しい雰囲気や暖かい雰囲気がよく伝わってきます。
主人公の桐山零は、中学生にしてプロ棋士になった天才です。そして、幼いころ、家族を交通事故でなくして天涯孤独な少年です。そんな主人公が、川本家の三姉妹との交流を通じて徐々に元気を取り戻していく姿に心が温まります。
川本家にご飯を食べさせてもらったり、何かと気にかけてもらっていた零ですが、次女のひながクラスメイトにいじめられた時、なんとか彼女を守ろうとします。また、離婚して出て行った三姉妹の父親が帰って来た時、父親との確執に自分から首を突っ込んで三姉妹を守るようになります。最初は傷だらけで弱々しかった零が、巻数を重ねるごとに強く頼もしい少年に成長していく姿は、とても胸に響きます。
また、零はひなのことが好きになります。彼女に対する真っすぐで、どこかずれた情熱は、笑えるところでもあり応援したいところでもあります。
零は、人として成長するにしたがって、棋士としても成長していきます。同じ棋士仲間の二海堂は零をライバル視する一方、彼のことを気にかけてくれます。また、他人に対して丁寧に接する零が、おそらく一番遠慮なく話せる相手だと思います。性格の違う二人が、言いたいことを我慢せずに話している様子がとても面白いです。

3月のライオン / March Comes in Like a Lion
8

高校生プロ将棋棋士の物語

高校生の将棋棋士のお話であるが、メインは将棋ではなく主人公の人間関係である。
物語序盤は人と接するのが不得意だった主人公の桐山零であったが、ライバルであり仲間でもある将棋棋士の人たち、友達がいなく孤立していた零と接してくれる林田先生、そして近所に住む川本家の三姉妹、など様々な人たちとの出会いで徐々に人と積極的に接していく主人公の姿がみえる。
回によっては主人公以外の登場人物に焦点を当てた物語も展開され、特に川本ひなたの中学校でのいじめ問題は見逃せないものがあった。いじめの標的にされ苦しい思いをしながらも、負けないで必死に頑張るひなたの姿は涙モノである。いじめられていた幼馴染の子をかばった故に、次のいじめの標的にされたひなただが、「私のやったことは間違えていない、後悔などしない」と強く誓うシーンは人間としての強さを感じられてた。

この作品の魅力は登場人物それぞれの人間のしての強さを感じることができること、人間関係の大切さがわかるところにあるであろう。また、アニメーション制作はシャフトが請け負っており、作画は綺麗だがところどころシャフトらしいクセのある表現がされている。第二期の後半のop映像はとても綺麗で歌とマッチしておりそこだけでも見る価値があるであろう。

3月のライオン / March Comes in Like a Lion
9

魂を削って

以前、この漫画の作者さんが「自分は魂を削って作品を描いている」とおっしゃっているのを読みました(うろ覚えですが、ニュアンスは間違っていないかと。ツイッターだったと思います)。
その時には、「ハチミツとクローバー」の作者様、という認識しかありませんでした。恋愛メインのお話にあまり興味のない自分には、「ふうん、そうなんだ」くらいにしか思わなかったのですが、この作品を読んで心底納得しました。
生きていく上で、誰もがままならない思いを抱えているものだと思います。大事にしたいひと、貫きたい信念、不器用なパーソナリティを抱えていればいるほどに。
でもそれでもと、全部抱えて歯をくいしばって前に進もうともがく主人公や、その周辺の人々の、丁寧かつ熱のある表現に圧倒されました。きっと、作者ご本人様の生き様そのものなのでしょう。
日々、思い通りにならない事が多すぎて、それに慣れすぎて、自分は自身も含め、大事なものをないがしろにしながら生きているのではないだろうか。棋士とは無縁な場所にいる私ですが、なんだか戦う意欲が湧いてくるような作品です。大切なものを守るために。
ストーリーは、将棋を知らなくても楽しめます。というか、自分でもやってみたくなってしまうかも。
くすっと笑ってしまうようなエピソードや恋愛要素もあり、エンターテイメントとしても立派に成立している良い作品です。

3月のライオン / March Comes in Like a Lion
9

タイトルなし

「ハチミツとクローバー」の羽海野チカによる将棋漫画。アニメ、映画化もされました
はじめは将棋の話ということで、そんなに興味がなかったんですが、神木隆之介くんが主人公ということでこれは見なきゃいけない!と映画を見に行きました(笑)。
見てみたら正直そんなに面白くなくて…。でも神木隆之介くんかっこよかったしいいか!って思いながら帰りまして。そしてしばらくして、忘れた頃にテレビの番組表を見漁っていたらなんとなんと!“3月のライオン”という文字があったんですね。え、あの?3月のライオンってあれ?と思って瞬時に録画してそこからずっと見ています。映画の時は将棋も結構全面的に出てたりとか、たぶんですけれども私が前編だけしか見ていなかったので(おいっ)意味がわからなかったのも当然ですね(笑)。なのでアニメは毎週しっかり見させてもらってます。
将棋のことだけじゃなくて人間ドラマも繰り広げられてます。その中でも大好きなのは川本家!本当にあったかい家族で、いつも零(れい)のことを本当の家族のように見守ってくれている本当に本当に素敵な人たちなんです。末っ子のももちゃんは日々のストレスから救ってくれる癒しの存在ですね。是非ご覧ください!

3月のライオン / March Comes in Like a Lion
9

引き込まれる作品!

主人公の桐山零は、17歳のプロの将棋棋士。
幼少期に事故で家族を失い、心に深い孤独を負い続ける中、あかり・ひなた・モモという3姉妹と出会い、少しずつ変化していく等身大の人間ドラマを描いた作品です。
原作ファンで1期視聴済み。現在2期視聴中です。
1期ではひなたのいじめ問題が軸になる重い展開でした。ひなたの苦しみやいじめに立ち向かう姿は涙なしには見ることができません。一方で、主人公の桐山は人との繋がりを覚え、棋士として成長していく様子が描かれました。なにかのために戦う、これまで零には無かった感情が出てきます。
2期の初めではひなたのいじめ問題がクライマックスを迎えます。そして桐山の、棋士としてステップアップする姿が丁寧に描かれています。
1期から2期にかけて話が繋がる部分があるので、1期からの視聴がオススメです。
この作品の良いところは、対戦する棋士も魅力的に描かれている点。演出も素晴らしく、引き込まれていくように物語は進みます。
原作の良さを最大限に活かしつつ、アニメとしての完成度もとても高いです。是非多くの方に見てほしい作品の一つです。