THE BACK HORN / ザ・バックホーン

THE BACK HORN / ザ・バックホーン

THE BACK HORNとは1998年に結成されたロックバンドである。
1999年にアルバム『何処へ行く』でインディーズデビューし、2001年にシングル『サニー』でメジャーデビューを果たす。
デビュー以降、毎年のように作品のリリース、それに伴うツアー、全国各地のロックフェスへの出演など精力的に活動している。2018年にバンド結成20周年を迎え、それを記念した全国ツアーの最終日には日本武道館公演を行う。日本屈指のライブバンドととしてロックシーンには欠かせない存在となっている。

THE BACK HORN / ザ・バックホーンのレビュー・評価・感想

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THE BACK HORN / ザ・バックホーン
8

日本のオルタナティブを牽引する存在

世界観が強く描かれている音楽は、人の心を掴んで離さない。
ミュージシャンが描く世界観がリスナーとマッチしていれば尚の事、人生をそのまま捧げられるかもしれない。
THE BACK HORNは、日本のオルタナティブロックの中で多くの人々を魅了し、古くからのファンを維持している存在である。
最初にTHE BACK HORNの世界にリスナー引きずり込むのは、ボーカル山田将司の歌声だ。
血管が千切れんばかりに歌い、人を惹きつける彼の力強いハスキーボイス。魂の歌声というのは、こういう声なのかもしれない。
彼らの曲は、時におどろおどろしい暗闇の世界を描き、時に優しく包み込むレースのヴェールのようでもある。
曲の世界観の多くを作り上げているのは、ギターの菅波栄純。そこに、ベースマガジンの表紙を飾る程の実力派岡峰光舟のベースと、ドラム松田晋二が土台を作り上げ、支える。
不規則で飽きのこないメロディはもちろん、歌詞の言葉選びも、まるで本を読んでいるかと錯覚する程素晴らしい。
それほど、プロの業を見せつけている彼らだが、ライヴのMCではおっとりとした東北の訛りが耳に入る。まるで実家のこたつで久しぶりに会った、親戚のお兄さんと世間話をしている雰囲気だ。
CDだけではわからない、彼らの魅力はライブでこそ輝く。
THE BACK HORNの曲を1曲試しに聴いて欲しい。もし、その世界観に少しでも良さを覚えたら、既に彼らの音楽に引き込まれてしまっているのかもしれない。

THE BACK HORN / ザ・バックホーン
10

人の心に寄り添い続けるバンド

THE BACK HORN(バックホーン)は4人組のロックバンド。
ほぼ毎年ライブツアーも行っており、また大型音楽フェスにも数々参加している日本を代表するバンドの1つです。様々な角度からバックホーンをおすすめしていきます。

まずは圧倒される「ライブパフォーマンス」。叫ぶボーカル、荒々しいギター、ウネるベース、激しいドラムからライブが構成されていますが、ギターとベースの暴れっぷりが見ていて気持ちがいいです。また、ボーカルは間奏でも動き続けているのです。その激しいパフォーマンスは一体感があり、見るものすべてを圧倒します。

また、「曲の世界観も変化」を起こし続けます。初期は荒々しく鬱々とした雰囲気の曲が多かったバックホーン。年を重ねるにつれ角が取れていき、多くの人に寄り添える楽曲が多くなりました。ここは「初期の雰囲気が好きだった」と賛否が分かれる所でもあるのですが、この世には絶望ばかりではなく最後には希望があるというのが今も昔も変わらないバックホーンの世界観だと思っています。確かに雰囲気は変わりつつありますが、その世界観や軸を大切にし続けるバックホーンに魅力を感じます。
バックホーンは「優しい」。激しいパフォーマンスとは裏腹に、聴く人に寄り添い続ける優しさがあるのです。勇気や元気が欲しい、気持ちを奮い立たせたいといった希望があれば、バックホーンは力になってくれます。ぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。

THE BACK HORN / ザ・バックホーン
8

生きていくことと死んでいくことを本気で表現する人たち

あまりテレビ出演などのメディア露出は多くはないものの、重厚なメロディーや世界に響き渡るような歌唱力を持つヴォーカルが特徴的なアーティストです。
知る人ぞ知るというイメージが多くついてはいますが、実は有名どころの音楽も手掛けていたりします。機動戦士ガンダムOOの第一期エンディング「罠」や、劇場版機動戦士ガンダムOOのオープニング「閉ざされた世界」など、ガンダムファンなどが聞けば「あー、知ってる!」と答える方々も多いと思われます。
このアーティストが特徴的なのは、歌詞の世界観です。自分の今の境遇に激しい絶望感を抱いている人の心情を歌ったものや、暮らしている中で直面する苦しみに負けず、生き抜いていくことを伝える応援歌、生きていく中で直面する問題などを生々しいまでに歌い上げたもの、さらには、
生きようと思った矢先にわけも分からず死にゆく人を歌ったものまでもあり、より詩的であり人によってはとてもヘビーに感じられるテーマを表現しています。
さらに言うと、先述の重厚なメロディーもそうですが、ヴォーカルの歌唱力も大きな特徴と言えます。時に静かな導入部からすべてを吹き飛ばすような激しいシャウトを含めた緩急のある歌い方や、か細く心情を歌詞に登場する人物の心情を歌いあげるなど、歌唱力に引き付けられること間違いなしです。
これを機会に、一度聞いてみることをお勧め致します。

THE BACK HORN / ザ・バックホーン
10

魂を震わす曲を聴いてほしい!!

THE BACK HORNで一番に注目してほしいところは、なんと言っても歌詞だと私は思っています。どの曲も心を、魂を震わす歌詞になっています。時には辛い時を乗り切るための応援歌、ふざけた曲調なのに今の社会のあり方に疑問は感じないかと問いかけてくる歌、傷付いた心に寄り添ってくれる歌、またはほっこりと人の温かさを歌う歌と幅が広いです。暗めの歌から明るめの歌とここまで幅広く歌うバンドは珍しいと思います。他の魅力としては、時代によって変化していく曲調や歌詞の方向性の変化、演奏の成長、ボーカルの特徴的な声があります。前者二つの魅力は、THE BACK HORNの曲をインディーズから最新まで聴くことでより強く感じられます。曲調や歌詞の方向性の変化は、THE BACK HORNの人としての成長、物事の捉え方の変化が浮き彫りになっています。リスナーがどんな精神状態でも心に届く曲があるのではないでしょうか。演奏の成長としては、年々演奏に深みが出てきています。ギター、ベース、ドラム、それぞれのテクニックが上がっていき、それらが重なり合うことで濃密な音を作り出しています。ボーカルの声を魅力の一つに上げていますが、お店で新曲が流れてくると、声を一度聞いた事があれば、すぐにTHE BACK HORNだとわかると思います。デスボイスではない叫び歌い、低すぎない声調が特徴です。

THE BACK HORN / ザ・バックホーン
8

彼らの音楽は生き物。

歌詞、メロディ、演奏力、ボーカルのカリスマ性どれも素晴らしいけれど、1番良いと思ったのはこのバンドの曲は生き物のように誰かの心に寄り添ってくれる音楽であること。ある時は近所のお兄さんのように、ある時は親のように、人生の師匠のように。彼らはインタビューなどでもよく言っているけど「寄り添うこと」「希望」を大切にしている。メンバー全員が歌詞を書ける人達なので歌詞は多種多様だけど、ギターの菅波さんの歌詞が特にスゴい。無茶苦茶だし、どんな人生を歩んだらこういう歌詞が書けるのか!?と思う。けれど暴走してるわけでなく、静かに狂っている。放送禁止用語満載の歌詞中にでも、誰かを救う優しい心がいつもどこかに現れている。だから彼の歌詞が好き。正に、どんな気持ちの時にでも寄り添ってくれるのだ。ボーカルの山田さんの歌にもいつも心を動かされる。一見、見た目もカッコイイしイケイケな歌を歌いそうだけど、メンバー達の渾身の命を削って書いたようなクレイジーな歌詞に乗せて、山田さんも命を削っているような歌声でこれまたクレイジーに歌ってくれている。恥ずかしながら、ライブで彼の歌を聞いて涙を流したことも多数だ。他の客も泣いているのをたまに見かける。長年のファンだが、このバンドはどんな気持ちのときも形を変えて生き物のように心を揺さぶってくれる。

THE BACK HORN / ザ・バックホーン
10

骨のある熱いロック!! 退屈な日常をぶっ飛ばすバイブが欲しいならコレ!

流行りのボカロやアイドルソングを追うのに飽きて、もっと歯ごたえのある曲が聴きたいな、と思う時、おすすめなのが邦楽ロック。
一昔前は海外のバンドのコピーっぽいものが多かったりしましたが、今や邦ロック界は目移りするほど個性的で演奏技術の高いバンドばかりです。
何から聴いたらいいかわからないな、というあなたにはバクホンことTHE BACK HORNを是非試してほしい。
フェスの常連なので、聴けば「ああ、これかぁ」と馴染みがあるはず。
ケロッグコーンフレークのCMに使われた「コバルトブルー」、アニメ「機動戦士ガンダム00」のエンディングテーマ「罠」、宇多田ヒカルとの共同プロデュース作「あなたが待ってる」など、グイグイ来るテンポの良い曲からしっとりしたラブソングまで、幅の広さが魅力の一つ。
ノリの良いナンバーはただ流しているだけでも心地良いけれど、バクホンの本領は何といっても歌詞の深さ。
「どうにでもなればいいこんな世界は(生命線)」「屍蹴散らして(無限の荒野)」など、リリックの一つ一つに凄まじいインパクトがあるのです。
それを歌いあげるヴォーカル山田将司の説得力ある声には、音にうるさいオジサンからエモさ命のバンギャまでノックアウト確実です。
個性的なフレーズ作りでステージアクトは暴れまわる系のギター菅波栄純のソロの水準の高さは必聴。
正確でありながら決して単調に陥らない岡峰光舟のベースのカッコ良さはロックファンならずとも唸らされるレベル。
そしてバンドリーダーでもある松田晋二のドラムは全員を支え、かつ更なる熱量を叩きこむパワフルさ。
ライブでは踊りまくれてコール&レスポンスで盛りあがれ、一人ヘッドフォンで聴くとまた歌詞の深い味わいに浸りきれる、それがバクホン。
1998年のデビューから長いキャリアを誇りながら、時にはエレガントなストリングスを加え、時には映画製作にチャレンジし、と常に新たな試みを止めない、安住しないバンドなのです。
どの曲も聴いて損はない名曲揃いなので、試聴して好みの一曲を見つけてほしいです。
誰の心にも刺さる、繰り返し聴きたい一曲が見つかる……それがTHE BACK HORNなのです。