アルスラーン戦記 / アル戦 / The Heroic Legend of Arslan / アルスラーン戦記 風塵乱舞

アルスラーン戦記 / アル戦 / The Heroic Legend of Arslan / アルスラーン戦記 風塵乱舞

『アルスラーン戦記』とは、『銀河英雄伝説』『タイタニア』などで知られる小説家・田中芳樹が1986年から執筆し、累計600万部を超える大ヒットを叩き出した歴史ファンタジー小説を、『鋼の錬金術師』で知られる漫画家・荒川弘がコミカライズした漫画作品。
主人公は、パルス王国王太子の少年・アルスラーン。異教徒の国・ルシタニアに侵略され、追われる身となってしまったアルスラーンは国を建て直すため、「戦士の中の戦士(マルダーンフ・マルダーン)」の異名を持つ騎士・ダリューンと共に、仲間を集め、王太子としての使命を果たすため旅をする物語である。
松竹配給で1991年から1995年まで劇場版が制作されている。1年1作ずつの構想であったが、角川書店の分裂騒動などもあり、頓挫した。その後20年の時を経て2015年4月よりMBS・TBS系列日曜17:00枠にてテレビアニメが放送された。全25話。当初より漫画を追い越す予定で制作され、11話以降はアニメスタッフが荒川版をイメージして脚本・構成をしている。漫画に未登場の主要キャラクターは荒川が漫画に先駆けてベースとなるデザインを提供した。2016年7月より第2期『アルスラーン戦記 風塵乱舞(ふうじんらんぶ)』が第1期と同じ枠で放送された。全8話。こちらも漫画版が追いついていなかったため、荒川がキャラクターデザイン原案と監修を担当している。

アルスラーン戦記 / アル戦 / The Heroic Legend of Arslan / アルスラーン戦記 風塵乱舞のレビュー・評価・感想

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10

思わず応援したくなる。

最初にアルスラーン戦記を見たのはアニメで、絵柄を見て荒川弘先生の作品だ、面白そう!が印象的だった。
実際に見てみると面白くて、すぐにマンガを購入。
マンガを購入して、原作が田中芳樹なのも驚いた。
一度すべてを失った王子が国を取り戻す為に仲間を集めていくストーリーで、何度も挫折するし優しすぎる所や有能な家臣ばかり集まっていくその人柄に三国志の劉備を勝手に当てはめてしまうほど、おもしろかった。
相手の感情や表情もすごく伝わってくるし、何度も挫折や人の裏切りを経験しながらも強くなっていく姿に、家臣たちが王子としてというよりも王として接していくようになるところがよかった。
相手の話をちゃんと聞いてくれる王の器を持ったアルスラーンみたいなトップがいたらいいと思うし、父親にひどい事されてもめげない姿についつい応援したくなってしまうキャラだなと思う。
支えてくれる家臣たちも個性が凄すぎて笑えるのに誰一人嫌なキャラがいないのもすごく造り込まれているなと感じる。
今後どうやって国を取り戻していくのか、父親との対決があるのか、小説は完結したから結末を知ろうと思えばできなくないけど、違う展開になってくれることを期待して、マンガの発売を心待ちにしている。

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10

原作者も驚いたアルスラーン戦記(漫画版)

田中芳樹さん原作の小説『アルスラーン戦記』を荒川弘さんが漫画にした作品です。原作者である田中さんがこの作品をぜひ小説化したいとジョークを述べるほどの出来です。

主人公は強国パルスの王子アルスラーン。気弱で頼りないと評価される一方、優しく好奇心もある彼は14歳で初陣を迎えます。相手は遠国ルシタニアの異教徒たち。強国であるパルス軍は圧勝も同然と信じていましたが裏切りによって軍は罠に嵌り負けてしまいます。アルスラーンは殺されそうになったところを「戦士の中の戦士」ダリューンの助けもあり生き残りました。
初陣の負け戦から始める彼の戦いはなかなか見ごたえのあるストーリーです。田中さんの作品はキャラクターの個性がたっていて漫画版でもビジュアルや表情やアクションがキャラクターと上手くマッチしています。
そして原作者も気に入った荒川さんの漫画力はすごいです。ダリューンがアルスラーンを助けに来たときの戦いのシーンは迫力がすごくあり、彼の戦士としての凄さを見事に表現しています。
アルスラーンは戦いだけでなく、自分の出自についての謎や王国の秘密などもでてきて問題が山積しています。
そして敵国ルシタニアだけでなく他の隣国も関わってきます。
ただ敵を倒すだけの物語ではなく敵国や隣国の事情なども出てきてとても深い人間物語も観られます。

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10

たった14歳の王太子の…

これは、王太子だが、年齢僅か14歳の少年とも呼べる主人公「アルスラーン」が、一国の王として、過酷な経験をしながらも王として成長していく姿を描いた作品である。戦記物アニメが好きな人には是非おすすめ。
物語の始まりは、アルスラーンの国パルスが、自国の臣下による裏切りと、異教徒の国ルシタニアによって戦争で返り討ちに合う所から始まる。これにより、初めての戦に出ていたアルスラーンは自国に戻る事が出来なくなり、又、アルスラーンの父であり、パルスの現国王「アンドラゴラス王」も捕らわれ、パルスはルシタニア人に乗っ取られてしまう。
実はこの一連の出来事はパルスの王家の事情に深く関係しているのだが、ここでは敢えて書かない。ここからアルスラーンが国外で仲間を見つけ国土を取り戻すための冒険が始まる。
そして、冒険をしていく中で、アルスラーンの優しい人柄、王でありながらも威張らない謙虚な性格などに惹かれ、次第にアルスラーンの元には少数ながらも精鋭の騎士、武人、軍師、旅芸人など個性豊かなアルスラーンを本当に信頼しきった仲間が集まるようになる。だが、この仲間達は本当に素晴らしく、元々、アルスラーンの側にいた天下無双の騎士も含め、それぞれの個人としての能力が高く、少数で追ってくる敵を返り討ちにしたり幾多の危機をかいくぐっていくのである。人として、王として立派な器のあるアルスラーンの物語、是非とも一度見ていただきたい。

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7

この物語の少々の紹介

この物語は中世ペルシアのファンタジーな世界です。作品名が主人公名であるパルス王国の王太子アルスラーンは蛮族ルシタニア王国との大戦争で初陣を飾ります。しかし、裏切りと霧を利用した策略に見事にハマったパルス軍は初戦で大敗し、王都まで引き下がる事になります。ここで、王太子アルスラーンは軍からはぐれてしまい、更に裏切り者に命まで追い込まれる戦いにさらされます。だが、そこにかろうじて、ダリューンと呼ばれる元万騎長(マルズバーン)がかけつけ、二人の間に入ることで事なき事を得ます。そしてアルスラーンとダリューンは戦場から離れ戦場近くのある一人の男のもとに向かいます。その男はアルスラーンの父親である王の勘気をこうむり隠棲生活を送る元宮廷秘書官ナルサスです。彼は謀臣にふさわしい能力を持ちますが、個人の武力もかなりのものであります。三国志演義で例えるなら、ダリューンは趙雲子龍、ナルサスは諸葛孔明(三国志演義の最高の智者)の智謀に武は姜維伯約の武(姜維の智だと作品で描かれるナルサスのイメージに足りなさを感じます。姜維の武は趙雲に劣るけれど、そこそこに戦えるという意味)です。まさに先程のダリューンの王太子救出は趙雲子龍の阿戸救出を彷彿します。王の勘気をこうむっているナルサスは中々、アルスラーンの仲間になりませんが、アルスラーンのある一言で仲間になりました。そしてそこでナルサスに仕えているエラムというアルスラーンに年齢に近い男性も仲間になり、裏切り者の追っ手をかわします。この間にも大戦争は一応の終結に向かい、パルス王都陥落。アルスラーンと3人の仲間は王都付近で潜伏をして、王都の情報収集を図ります。パルス国を裏切った者はまだ亡くなっていない王太子を釣り出すために、パルスの村を1つ焼き殺す事を行動に移し、そのことを近隣に触れて回ります。しかし、智謀では上をいくナルサスは当然、気が付きアルスラーンに報せます。ナルサスの助言はどこの村を焼くかを教えたことです。この後のアルスラーンや仲間の活躍、パルス国の奪還の物語は漫画をご覧になってください。先ほど、三国志演義の登場人物に例えましたが、アルスラーンこそ、劉備玄徳を想像させる気の弱い(優しい)ところがあります。ただ、孔明や趙雲を従えた劉備ですら、中国の3分の1の領土しか持ち得ませんでした。アルスラーンは更に立派に大きく成長するのでしょうか?乞うご期待!!