甲鉄城のカバネリ / Kabaneri of the Iron Fortress

甲鉄城のカバネリ / Kabaneri of the Iron Fortress

WIT STUDIO制作。2016年4月より6月までフジテレビ『ノイタミナ』枠にて放送されたアニメ。
キャッチコピーは「死んでも生きろ」「貫け、鋼の心を」。
蒸気機関が発達した極東の島国・日ノ本でカバネと呼ばれる不死の怪物とカバネリ、人々の戦いを描く和風スチームパンク作品。

甲鉄城のカバネリ / Kabaneri of the Iron Fortressのレビュー・評価・感想

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甲鉄城のカバネリ / Kabaneri of the Iron Fortress
10

自分の好きなアニメの一つ

本作品は2016年に放送された深夜アニメの一つです。舞台は日本史上の武士が存在したような時代で、そこには謎の生物カバネが蔓延していました。これはいわゆるゾンビです。そしてその時代には町と町を安全に移動する手段として、甲鉄城が使われていました。自分がこの作品を好きな理由としては、暗い世界観と絶望の中でも立ち向かう姿が自分の好みに合っているからです。主人公は一話からカバネ化してしまうのですが、根性でウイルスの進行を止めて人格をとどめることに成功しさらに身体能力が向上します。これと日々開発していた貫き筒によりカバネリに対抗できるようになりました。そして無名という少女と出会い自分の今の状態をカバネリということを知るわけです。そこからの物語は驚きの連続で、多くの機会で、高揚感を感じることができました。何よりBGMと作画が大変すごいです。どれも革新的で初めて見たときはとても感動しました。そんなアニメが終わって、約二年には劇場版海門決戦も上映されました。生駒と無名の戦いはまだ続いていて、同じカバネリの生き残りとして、共感しあっている中、意識の違いで軋轢も生まれたりし、そんな中でも最終的には二人で強大な敵を倒す姿に、最高のカタルシスを感じました。いつも感情を揺さぶらせてくれるこの作品が自分はいまだ好きです。続編に期待しています。

甲鉄城のカバネリ / Kabaneri of the Iron Fortress
8

貫け、鋼の心。取り返せ、誇りを。

カバネを倒すため、カバネとなる。人か、カバネか。
舞台は極東の島国、日ノ本。蒸気機関が発達したこの国では人を食らうカバネと呼ばれる怪物が跋扈していた。
カバネに噛まれた人はカバネとなり、人を襲う。人々は身を守るため「駅」という砦を築き、「駿城」と呼ぶ蒸気装甲機関車で移動しながら暮らしている。
メカニックや蒸気機関、特殊装甲など登場する設定は武骨なものが多いが、好きな人にはたまらない世界観となっている。
主人公はカバネに噛まれた少年、生駒。彼は噛まれた後も生存し「人とカバネの狭間にあるもの:カバネリ」となる。周囲の人間の多くは生駒をカバネと同じく人を襲う存在と決めつけ、偏見の眼差しを向けるが、カバネと戦い人を守ることで信頼を得ていく。
生駒に戦う術を教えたのはカバネリの少女、無名。幕府の駅である鋼鉄城を目指す彼女は自らの駅を失った生駒たちと行動を共にする。普段はかわいい女の子だが、戦闘時は衣装やメイクも施しているため美しい。カバネリであるが故の存在価値に悩む姿には必死さが窺える。
戦いに身を置くことで周囲の人間も成長していく。その中でほのかな恋模様や日常の様子も描かれているため良い緩衝材となっている。全体的には疾走感があり休息パートがありつつ中だるみしない内容になっており、最後まで飽きずに見ていられる。
見どころは戦闘中の動きの素早さ、美しさとバリエーションに富んだ戦い方。画面いっぱいに動き回り大立ち回りする無名と生駒に日本刀を携えた剣士、来栖の静かな太刀裁きがまさしく動と静。戦闘時のBGMは澤野弘之を迎え耳に残るスタイリッシュな曲が多くある。
鋼鉄城にたどり着いた彼らに待ち受ける陰謀、カバネとの闘いの果てに得るものとは。
最終話まで一気に見てほしい作品となっている。