ウィッチャー3 ワイルドハント / The Witcher 3: Wild Hunt

ウィッチャー3 ワイルドハント / The Witcher 3: Wild Hunt

ウィッチャー3 ワイルドハントとは、ウィッチャーと呼ばれる怪物退治の専門家の男、ゲラルトを主人公としたアクションRPGのシリーズ3作目だ。今作はオープンワールドとなっており、その広い世界で起こる重厚なストーリーと世界観の作り込みが高く評価されている。かつての恋人、女魔術師イェネファーを探すことからゲラルトの最後の伝説は幕を開ける。

ウィッチャー3 ワイルドハント / The Witcher 3: Wild Huntのレビュー・評価・感想

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ウィッチャー3 ワイルドハント / The Witcher 3: Wild Hunt
9

「ウィッチャー3」 オープンワールドの傑作

PS4および任天堂Switchで発売中のゲーム、「ウィッチャー3」についてです。
物語の舞台は中世ヨーロッパ。剣と魔法とさまざまな種族が暮らす街に降りたった、ウィッチャーという種族。ウィッチャーとは、剣と魔法を用いて怪物退治を生業とする、希少な種族。街には様々な問題を抱えた人々が暮らしている。ウィッチャーの主人公ゲラルトは、黒の軍団にさらわれたシリラという少女を救うため、彼女の情報を追い求めてさまざまな場所に訪れる。情報収集や怪物退治をしながらシリラを追う物語である。
まず特筆すべきはそのゲームシステムである。はやりのオープンワールドを自由自在に冒険でき、美しい景色やおどろおどろしい怪物の描写が秀逸である。
次に収集癖を刺激する膨大なアイテムの量である。武器防具はもちろん、冒険に役立つアイテムやなんの役にも立たないガラクタまで、全てを集め切るのは不可能だと思わせる量である。
そしてもう一つの楽しみが、物語の中で戦えるカードゲームである。グヴェントと呼ばれるカードゲームには、それのみで一つのゲームとして成り立つようなカードの種類、シンプルながら奥深いルール、コレクター心をくすぐるイラストの数々。
細部にまでこだわった素晴らしいゲームである。

ウィッチャー3 ワイルドハント / The Witcher 3: Wild Hunt
9

ストーリーが最高!ただ…バグが多すぎて…

もともとウィッチャーの過去作をプレイしたことも、原作の小説を読んだことも無かったのですが、大好きなゲーム実況さんが「ウィッチャー3」をプレイしている映像を見てついつい購入。
まったく世界観を知らずに始めましたが、すぐにゲラルトや魔法剣士の世界にどっぷり浸かることができます。特に、アクション性がとても良い。クエンやアクシーといった魔法を駆使しながら、いろんなスタイルで戦闘を楽しめるのもポイント。
そしてなんといっても本作品のポイントはその「多様なストーリー分岐」。自分の会話での選択肢や行動がメインクエストでのみ影響するのではなく、サイドクエストにまで影響します。シリを探して、ずっと旅していたゲラルトがついにシリと再会するシーンには胸打たれました。そして、その後シリと行動を共にするのですが、「果たしてこの子(=シリ)にとって幸せな道はなんだろう。」「アヴァラックを信用してもよいのか…だけどシリがお世話になった恩人だし…」など、かなり葛藤した作品でした。最後には自分がゲラルトと同化しているような感覚さえ覚えました。
また、本作品はダウンロードコンテンツが膨大です。ボリュームがかなりあるので、すべてクリアするにはかなりの時間を要するのでご注意。

ウィッチャー3 ワイルドハント / The Witcher 3: Wild Hunt
10

世界一のおすすめゲーム

自由度が高い、広大なオープンワールドのゲームは数多くありますが、それらとは一線を画す作品です。RPGの究極形といって良いでしょう。

このゲームの魅力は、何と言っても選択と結果です。
RPGにはよく、怪物が村を襲っている、主人公が倒す、報酬を貰うという流れがあります。このゲームはその流れの中にいくつもの選択があり、結果がついてきます。
主人公は怪物退治を生業としていますが、怪物を退治するかどうかはほとんどの場合、あなたの自由です。また怪物も、自衛のため・復讐のため・仲間のため・特に理由もない・無差別に襲ってると思いきや深い事情があるなど様々なタイプがいます。
やむを得ない理由があり人を襲った怪物を倒す、倒した扱いにして依頼主に報告する、また倒さず人間側を糾弾するなんて選択も経験できます。
そして、その後にしっかりと結果がついてきます。
良かれと思ってやったことが裏目に出て怪物と人間の双方に悪い結果をもたらしたり、騙された結果無闇に命を奪ってしまったり、その結果大金や物を得たりなど。
怪物に優しいウィッチャー(怪物退治をする主人公たちのこと)であるか、人間に優しいウィッチャーであるか、公平なウィッチャーであるか、金に汚いウィッチャーであるか、全てはプレイヤー次第です。

原作が小説なのですが、出来の良い短編小説をいくつも見ているかのような気にさせてくれます。
どちらかというとアクションよりも話・会話に重きを置いています。

アクションはリアル指向に作られています。
主人公は伝説的なウィッチャーですが、想像を絶するような威力の魔法であったり、怪物を一振りでねじ伏せるような剣術もありません。
主に怪物に有効な霊薬を調合し飲み、怪物に有効な毒薬を作って剣に塗ります。魔法も小規模の炎や1回しか有効でない防御、霊鬼を実体化する陣に留まります。
その様子が、実際に何処かにこんな世界があるのではないか、あったのではないかという気にすらさせてくれます。

会話に重きを置いているため、洋ゲーなどをやった経験がある方が気になるのは日本語訳だと思います。
オープンワールドで有りがちなのが、まるでgoogleを使った訳がそのまま使われているかのように不自然な文章です。それがこのゲームには全くないのです。