I”s / アイズ

I”s / アイズ

『I”s』は恋愛漫画の巨匠『桂正和』が1997年~2000年に週刊少年ジャンプで執筆した漫画である。
単行本では全15巻、完全版では全12巻で構成され、累計発行部数は1000万部以上である。
桂正和の代表作には『電影少女』や『タイガー&バニー』などがある。
この『I”s』の特徴は主人公『一貴』以外のキャラクターの心情が発言しない限り、ほとんど分からないという独特なストーリーの進め方になっている。
テレビゲームや小説、OVA化、2017年には実写ドラマ化をしている。

I”s / アイズのレビュー・評価・感想

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I”s / アイズ
8

青春時代を味わえる

この漫画は、言ってしまえば超オーソドックスな恋愛漫画である。ただ、それゆえに桂正和先生の女性を魅力的に描く画力や、構成のすばらしさが際立つと思う。

物語は主人公の瀬戸一貴の一人称視点で物語が進んでいき、4人の女の子が登場し、それぞれにドラマがある。
一貴は最終的に長らく思いを寄せていた伊織と結ばれるわけだが、そこに行きつくまでの過程の中ではいつきの登場するパートが自分は好きである。
好きな人が自然体であることが好き、それを守るために自らは身を引く、というなんとも少年漫画にしては複雑な感情が表現されていて面白い。

また、先に述べたようにこの漫画は一貴の一人称で進んでいくため、一貴以外の登場人物の感情は読者の想像に委ねられている場面も多い(これについては桂先生も単行本のコメントで公言している)。
またこの漫画は単行本の表紙にもぜひ注目してほしい。もちろん漫画の中身も面白いが、表紙のリアルさというか、本当にいそうな人の感じを出すのが上手い。自分がこの漫画を読もうと思ったのはこの表紙に真っ先に目をひかれたからである。

色々書いてしまったが、『I''s』は青春時代を過ごした人にはぜひ読んで見てほしい。あの頃の純な心を思い出せると思う。

I”s / アイズ
9

青春を感じる

少年ジャンプに連載されていた青春ラブストーリーです。ちょうど、自分も当時同じくらいの学生だったので、感情がよくわかりました。
まず作者の桂正和さんの絵はとても上手で、女性キャラクターもとても可愛く描いてくれてあり、それだけでも楽しめます。
ストーリーとして、主人公の瀬戸一貴が同級生の葦月伊織の事が好きですが、なかなか告白する勇気がなく、それどころかツンケンした態度を取ってしまったりしてうまくいきません。その後、色々あり付き合う事が出来たのですが、今度は葦月伊織が芸能人としてデビューして、事務所側が別れさせようとしてきたりして一筋縄にはいかないって感じです。この主人公の瀬戸一貴の気持ちが当時学生だった自分にはよくわかり、共感していました。
そして、この作品の最大のポイントは途中途中で描かれる少しエッチなシーンです。キャラクターの下着姿やベッドシーン寸前のところまで、少年誌としてはかなり攻めているシーンが多く、思春期だった自分にはたまらないシーンでした。しかもそのシーンがイヤらしくなく、恋愛の延長として描かれているので、「エロ」を目的としてでなく、ストーリーの一環として見れるので良かったです。