Paradise Kiss / パラダイス・キス / パラキス

Paradise Kiss / パラダイス・キス / パラキス

『Paradise Kiss』とは1999年より矢沢あいが女性ファッション雑誌『Zipper』に連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ、映画作品である。母親の期待に応えるため受験勉強に明け暮れていた早坂紫が、矢澤芸術学院服飾科のジョージ、美和子、嵐、イザベラたちパラダイス・キスのメンバーと出会い、モデルを目指す物語。恋愛と将来の夢、家族との関わりを通して、成長していく姿と作中のオシャレな服が魅力的。ジャンルは少女漫画。矢沢あいの作品『ご近所物語』の続編作品である。

Paradise Kiss / パラダイス・キス / パラキスのレビュー・評価・感想

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Paradise Kiss / パラダイス・キス / パラキス
10

自分が夢中になれることを見つけたくなる

とても面白い矢沢あい著書の漫画「Paradise Kiss」は、人生で夢中になれる物事を探したくなります。
高校性の主人公紫は、期待に応えようと親に逆らわず、日々勉強ばかりしています。そんな日常を繰り返している中、デザインから衣服を作成する服飾に本気で取り組み、デザイナーになる夢に向かって一生懸命な、同い年のグループと出会います。ファッションショーのモデルを探していたグループは、容姿端麗の紫をモデルにスカウトします。
気乗りしないうえ、大学受験を控えた紫は、「務まる訳がない」と当初はモデルを嫌がります。教育ママが「モデルをやらせてくれないだろう」という憶測もありました。
しかし、グループのアトリエに出入りするようになり、紫にはない夢と衣服に対する思いや情熱、デザイナーになる夢に向かって妥協しない姿に、虚無感を覚えます。
夢中になれるものがほしかったうえ、一緒に夢を見たかった紫は、ファッションショーのモデルを引き受けます。
懸命なグループの様子を見たり、知らない世界を知ったり、紫はたった1着の衣服で、身も心も変わることを実感します。もうあとに引けなくなった紫に、「引き受けたモデルの仕事を、精一杯頑張ろう」という思いが自然に芽生えます。
勉強ばかりしていた紫が恋愛もして、夢と恋愛のすばらしさを知ります。

この漫画の冷たい言葉も、実はとっておきの優しさや誉め言葉であり、意味の奥深さに人間くささや誰もが感じたことがある思いが、セリフに凝縮されています。多くの個性溢れるキャラクターによって、人間の感情が上手く描かれています。
この漫画を読むと、夢中になれることや、妥協できないほどの何かを見つけたい、挑戦したい気持ちに駆られます。夢を持ちたくなり、1つでも何かを成し遂げたくなるでしょう。夢や夢中になれることに対する思いがより強くなる漫画です。夢中になれることを見つけたくなる漫画を、ぜひ読んでほしいです。きっと心が揺さぶられるよい作品です。