拳闘試合の日 / Day of the Fight

拳闘試合の日 / Day of the Fightのレビュー・評価・感想

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拳闘試合の日 / Day of the Fight
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鬼才・天才キューブリックが初めて映画カメラを回したという記念碑的な短編映画『拳闘試合の日』

『拳闘試合の日』は1951年に公開された米国の短編ドキュメンタリー映画で、監督はスタンリー・キューブリック。キューブリックはモノクロの動画を2年前に自分が『ルック』誌に寄稿した写真記事に基づいて製作しています。
本作はアイルランド系アメリカ人ミドル級ボクサーのワルター・カルティエが、経歴の頂点で1950年4月17日にミドル級ボクサーのボビー・ジェイムズと交えた一戦を描いています。映画のオープニングはボクシング史を振り返る短い場面で、次に午後10時の試合に備えて準備怠らないカルティエの一日を辿ります。カルティエはグリニッジヴィレッジの西12番街のアパートで朝食を済ませて、朝早いミサに出て、お気に入りのレストランで昼飯を食し、午後4時以降はボクシングの準備を始めます。午後8時までに、ニュージャージー州ニューアークのローレルガーデンの控え室で待機をしています。
キューブリックと彼の高校時代の友人アレクサンダー・シンガーは試合の撮影のために35ミリの白黒フィルム撮影できるエイモカメラを使い、キューブリックは手持ち式のカメラでしばしば背後から撮影し、シンガーのカメラは三脚に据えられていました。100フィートのリールは絶えず再装填する必要があり、再充填中だったために、試合を終わらせたノックアウトパンチの場面をキューブリックは撮り損ねてしまいました。