五月の七日間

五月の七日間のレビュー・評価・感想

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五月の七日間
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首都ワシントン最上層部での権力の暗躍を描き出す『5月の7日間』

『5月の7日間』は、1964年公開の米国の政治スリラー映画で、大統領がソ連と軍縮協定を結ぼうとする折りに一部の軍人と政治家が米国政府の乗っ取りを企む過程を描いています。バート・ランカスター、カーク・ダグラス、フレデリク・マーチ、アバ・ガードナーらが出演しているこの作品の監督はジョン・フランケンハイマー、脚本はロッド・シェリングです。原作は1962年9月に出版されたフレッチャー・クネーベルとチャールズ・W・ベイリーIIによる同名の小説。映画の舞台は1964年の映画公開の時点から6年後に設定されていて冷戦は継続していました。米国大統領のジョルダン・ライマンは最近ソビエト連邦と核軍縮条約に調印し、その条約が米上院で批准されることになった結果、ソ連不信に凝り固まったライマンの政敵や軍部の間に不満が沸騰しました。国防総省勤務の合衆国海兵隊所属”ジッグス”・ケイセイ大佐は統合参謀本部議長のジェイムス・マットン・スコット空軍大将以下の参謀本部がレイマンとその閣僚を数日間政務から遠ざけるためにクーデタを起こすことを企てていることを知って慄然とします。この計画に従えば、陸軍秘密部隊ECOMON(緊急時通信管理隊)が国家の電話・ラジオ・テレビ網を確保し、議会は議会は核軍縮条約の批准を妨げられることになります。