mid90s ミッドナインティーズ

mid90s ミッドナインティーズのレビュー・評価・感想

New Review
mid90s ミッドナインティーズ
10

格好良いだけの映画ではない

格好良いストリートカルチャー映画は沢山あるが、この映画は現実を突きつけてくる映画だった。
努力ではどうしようも出来ない事、憧れと現実とのギャップ、周りの人と自分を比べて生まれる劣等感…それがまた美しく見える。
10代の頃に感じる、楽しいけど心に穴が開いている様な感覚を表現し、胸がぎゅっとする映画だった。
主人公の周りの行動や表情から伝わる心情も、「あー、あるよね。」と共感できる。
好きだからこそずっとこのままでいたい、だけどこのままでいる必要もない、この映画における主人公の立ち位置って苦しいよなぁ。
どちらに進んでも正解はないし、どちらに進んでも幸せだから。
ずっと映画を見ながらそう考えていた。だけど、この感覚は美しい感覚だなと感じた。
勿論、しっかりストリートカルチャーの格好良さも表現している。
フャッションや映像も格好良いが、何たって使われている音楽がとにかく最高。
90年代の雰囲気もしっかり出てて、タイトルがぴったりハマっていた。
後、主人公の仲間の1人、フォース・グレードが良い仕事をしている。それは、最後までこの映画を見ないと分からない事。
「男の子の友情映画」では片づけるのは勿体無さ過ぎる位、この映画は共感出来る所が沢山あるし、その美しさを体感して欲しい。