達人伝~9万里を風に乗り~

達人伝~9万里を風に乗り~のレビュー・評価・感想

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達人伝~9万里を風に乗り~
10

史記といえば絶対にこっちをお勧めする!

今は日本中を史記ブームに巻き込んだキン〇ダム!数々の名キャラクターは、まだ読んだ事ない方でも一度はその耳にした事はあるだろう!その1番星の名の影に隠れてしまってはいるが、眩い輝きを放つ、異彩!史記のマンガ化二代巨頭のもう一方がこちら達人伝!
キン〇ダムが、秦王朝が中華統一を目指すストーリーに対して、こちら達人伝は、秦王朝以外の各国が力を合わせ、秦王朝には中華の覇権は握らせまいと翻弄する、キン〇ダムとは逆の視点で史記を楽しめる作品です。
時は紀元前4世紀ごろ。秦王朝が中華の覇業を成し遂げようと、隣国との激しい戦争を続ける戦史戦国時代。
そこに、軽い風をまとった爽やかな男がふっと現れた。その男の名は荘丹(そうたん)。この男は荘子の孫であり、ホラ吹きの様な事から、全ての核心をつく言葉まで操る言葉の達人である。
戦国時代故に、常に戦に巻き込まれてついには王と友も殺され、恐怖の底に落とされるも、秦王朝に屈しないと、その強い意思、生きる目的を胸に、広い中華の大陸へと旅立つ。
いつか天の経穴なる人物、達人たちを集めて、秦という巨大釜の底を温めて穴を穿つ為に、馬を駆り立てた。
目指すは、大陸九万里の大地へ。
史記に登場する、数々の人物が、ここに生きている!
誰もが憧れる戦国四君の四名に始まり!秦が、どんなに卑怯で卑劣な手で各国を蹂躙しようとも、秦以外の各国の名将、達人たちが、武勇、気概、戦士の生き様を見せる!キン〇ダムを読んでいれば尚更面白い!
この時代の戦の荒々しさ、馬の蹄の音、人間たちの呼吸。その表現の全てが、著書王欣太先生が成せる命のこもった1コマ1コマが、読者を離さない!
史記という歴史ものであるからこそ、それを王欣太先生が書く圧倒的美麗な文字や絵、表現されるその全てが、この本にまさに、生きています。何度読んでも、飽きることのない達人伝。どうか歴史もの好きだけではなく、人間ならば一度読んでおくこと!後悔はさせません。