アメリカン・グラフィティ / American Graffiti

アメリカン・グラフィティ / American Graffitiのレビュー・評価・感想

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アメリカン・グラフィティ / American Graffiti
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空前の経済的な繁栄下の米国西海岸での青春の日々を「落書き風」に描いた秀作『アメリカン・グラフィティ』

『アメリカン・グラフィティ』は1973年公開の青春コメディで、監督はジョージ・ルーカス、製作はフランシス・フォード・コッポラ、脚本はウィラード・ハイク、グロリア・カッツ、ルーカスでした。
出演はリチャード・ドレイファス、ロニー・ハワード、ポール・ル・マット、ハリソン・フォード、チャールズ・マーティン・スミス、シンディ・ウィリアムス、キャンディ・クラーク、マッケンジー・フィリップス、ボー・ホプキンス、ウルフマン・ジャック他です。
設定は1962年のカリフォルニア州モデスト、当時ルーカスの年代のグループに人気のあった初期ロックンロール文化を本作は取り上げています。
一連の短いエピソードを積み上げながら、映画はティーンエイジャーのグループが過ごした一夜の冒険を描いています。
ルーカスが『THX1138』の製作に携わっている間に、コッポラは彼に青春コメディ映画の脚本を執筆するように依頼をしました。
『アメリカン・グラフィティ』の原風景は1960年代初頭におけるモデストのルーカスの10代の日々にあります。
ルーカスは資金提供者や配給業者からことごとく不評を買っていましたが、他の映画スタジオがアイディアを却下した後で、ユニヴァーサル映画がルーカスに好意的な眼差しを向けました。
撮影はカリフォルニア州サンラファエルで行われましたが、製作班のロケーションが第2日以降は禁じられるという難続きでした。
それでもどうにか、同作は1973年8月2日にスイスのロカルノ国際映画祭で先行公開され、米国内では1973年8月11日に一般公開されました。
『アメリカン・グラフィティ』はアカデミー賞最優秀作品賞にノミネートされました。
製作予算は777000ドル。メガヒットを飛ばした利益率の高い作品として評価されています。
第二次世界大戦で勝利をおさめた米国が空前の経済的な繁栄を誇っていた時期に青春時代を迎えたルーカスらベビーブーマー世代の群像が当時流行した音楽を背景にして見事に描き出されています。